• 公開日:2022/01/14

高齢者施設の介護職員は、高齢者のためのレクリエーションを企画する機会が多くあります。レクリエーションは、高齢者の運動機能の衰えや認知症の発症を抑えることにも効果的です。

本記事では、高齢者のレクリエーションに興味のある方に向け、レクリエーションの種類やアクティビティの効果について、注意点を交えて解説します。レクリエーションの企画にぜひ役立ててください。

高齢者のためのレクリエーションとは?

高齢者のためのレクリエーションには、どのような役割があるのでしょうか。期待できる効果やレクリエーションの種類について解説します。

高齢者の生活の質を高めるためのアクティビティ

高齢者のレクリエーションの役割は、高齢者でも無理なく楽しめる運動や認知トレーニングによる、心身の健康の維持と向上です。娯楽要素の強い活動やイベントをとおして、高齢者の生活レベルを高めるために、さまざまなレクリエーションが考案されています。レクリエーションは、老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設で実施されるのが一般的です。

高齢化で増える認知機能・運動機能の低下を抑える

高齢化が進むにつれ、認知症の高齢者の数も増加傾向にあります。認知症の進行は、加齢による運動機能の低下が一因です。

近年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、人と会って話をしたり、外出して体を動かしたりする機会が減りました。自粛生活が続いたことで、運動機能や認知機能へさらなるの悪影響が懸念されています。

高齢者のためのレクリエーションの種類

レクリエーションの種類は、主に4つです。体を動かすレクリエーションは、体操や運動をして健康や身体機能の維持を目指します。指先を使うレクリエーションは、指先を動かすため脳の活性化に効果的です。

考える力を使うレクリエーションは、脳を刺激するアクティビティを行い、記憶力や思考力を活性化させます。癒し・リフレッシュをするレクリエーションは、ストレス発散やリラックスに効果的です。

高齢者にレクリエーションが必要な理由

なぜ高齢者にはレクリエーションが必要なのでしょうか。期待できる心身へのメリットや効果について解説します。

脳の活性化や認知症予防の効果がある

レクリエーションでの活動内容は、普段は使わないような脳の部位を刺激するため、認知症の予防効果や症状の進行を緩やかにする効果があるといわれています。指先を使うレクリエーションや考える力を使うレクリエーションは、脳を活性化させるメリットが期待できます。

身体機能を維持・向上させられる

適度に体を動かすことで、筋肉の衰えの進行を緩やかにし、身体機能の向上に効果があります。運動に消極的な高齢者は多いですが、レクリエーションでは体操やミニゲームをとおして、楽しみながら健康を維持することが可能です。

コミュニケーション能力を維持・促進させられる

高齢者施設でのレクリエーションは、他の利用者と交流する内容のものも多いため、引きこもりや老人性うつを回避る可能性があります。高齢者になると体の衰えから、外出が億劫になるケースが多くありますが、仲間との会話やアクティビティをとおして、コミュニケーション能力の維持や促進が可能です。

体を動かすレクリエーション

体を動かすレクリエーションでは全身の筋肉を動かせるため、転倒防止や姿勢の保持、歩行能力の維持だけでなく、ストレス解消にも効果的です。高齢者の運動機能のレベルに合わせて取り組んでみてください。

ペットボトルのフタでタップダンス

イスに座ったままテンポのいい音楽に合わせて、タップダンスをします。楽しみながら足を動かし、向こう脛(ずね)の筋力をつけることが目的です。

事前準備として、ペットボトルのフタにキリで2カ所穴をあけ輪ゴムやリボンをとおし、靴の上から足の甲の部分に。かかととつま先付近にフタがくるように2つずつ取り付け、即席タップシューズを用意します。準備ができたら、音楽や手拍子に合わせて足でリズムを取ります。

音楽に合わせてタオル体操!

ナイロン製の伸びるタオルを利用し、音楽に合わせて気持ちよくストレッチをしながら、機能回復も図ることが目的です。軽く準備体操をした後、腰幅くらいに足を開き、タオルは肩幅より少し長めに持ちます。背筋を伸ばして肩の力を抜き、ゆっくりとした呼吸を心がけながら両腕の上げ下げや左右のねじり、後ろそりなどをして体を動かしましょう。

垢すりタオルで、のびのび体操

伸縮性のあるナイロン製のタオルを用いた、身体に負担の少ない簡単なストレッチです。ストレッチや体操は、血流の促進や介護予防に効果的です。

まず、参加者は素足になり、タオルを使って足の裏をこすったりして身体を温めます。その後、タオルの両端を持って腕を前から後ろに移動させ、肩甲骨を動かす体操を行います。身体にナイロンをこすりつけすぎると、摩擦によって熱くなるため注意しながら行いましょう。

指先を使うレクリエーション

指先を使うレクリエーションは、考える力や手先の器用さを維持するのに効果的な、喜びや達成感を味わえる効果もあります。参加者それぞれの意欲に合わせた活動にすることがポイントです。

リズムにのって指運動!

リズムに合わせて指を動かすことで、指先の機能を維持し、脳を活性化させることが目的です。手を握ったり開いたりするだけでなく、慣れてきたら、チョキの形も交えながら動きを繰り返します。童謡を口ずさみながらおこなうと、楽しくできます。

動作を完璧に記憶することがこのレクリエーションの目的ではありません。間違えても気にしないよう、進行者は参加者に声がけをしましょう。

美しい和紙のちぎり絵

指先を使う作業は、介護予防や機能回復につながります。事前に見本となるちぎり絵の作品をつくり、参加者分の下絵と、ちぎる作業が苦手な方のために和紙をちぎり絵どおりにちぎったものを用意してください。
各自に下絵と和紙、のりなどの用具を配った後、あらかじめちぎっておいた和紙をタオルの上に並べます。ちぎった和紙の裏に、水で薄めたのりを毛筆で塗って、下絵に貼り付けて創作します。ちぎった和紙にはぼかしのような効果があり、雰囲気のある作品に仕上がります。

ペットボトルのフタでおはじき

指先の機能回復を図りながら、参加者同士の交流を深められます。事前準備として、参加者1人につき10個のペットボトルのフタを用意し、油性ペンで人数分の色分けをしてください。
各自2個ずつ自分の駒を机の中央に置き、自分の駒をはじいて相手の駒に当てたらその駒は自分の駒になります。手持ちの駒がなくなったら負けです。はじく力が弱い人は、相手のおはじきとの距離を短くするよう、企画側が配慮してもよいでしょう。

考える力を使うレクリエーション

考える力を使うレクリエーションでは、思考力や記憶力を刺激するため、脳の機能を維持するのに効果的です。対戦型のゲームは、とくに男性に人気があります。

あっ、なつかしい! このお札、この切手

現在と昔の紙幣や切手のデザインを見せながら、参加者同士で思い出話をだし合い、コミュニケーションを深めることが目的です。
テーブルに紙幣や切手などを並べ、会話を進めながら少しずつ昔のものに切り替えていきます。並行して、デザインが切り替わった年の大きな出来事を話すと、参加者の記憶を呼び起こす回想のきっかけにもできます。

川柳で大笑い!

高齢者ならではの気持ちを詠んでいる、「シルバー川柳」を取り上げ、参加者のに感想を聞いたり自分の体験を話してもらったりして、コミュニケーションをとります。
参加者同士の交流を深め、笑い合うことでストレス発散が期待できます。参加者自身にも自分の体験をベースに川柳をつくってもらい、発表し合うのも、交流を活性化させ、新たな人間性の発見にもつながります。

歌詞を読み解き楽しむカラオケ

昔の歌謡曲など高齢者に好まれるリズミカルな曲の歌詞とカラオケを用意し、歌詞の意味を味わいながらみんなで歌って楽しむレクリエーションです。声に出して歌い、思い出を回想することが、介護予防的な効果が期待できます。よく知る曲でも、歌詞はどのような意味なのか、深く知らない人もいます。質問しながら1行ずつ話し合って読み解いていきます。

癒し・リフレッシュのためのレクリエーション

癒し・リフレッシュのためのレクリエーションは、ストレス発散や気分転換、精神の安定などに効果的です。体力の衰えによる不安や不眠の症状を軽減する効果があります。

アロマオイルでハンドマッサージ

アロマオイルを使ってハンドマッサージをし、リラックスや参加者同士の交流をうながします。簡単にマッサージの方法を説明し、10分くらいずつ交代で参加者がお互いの手をマッサージしましょう。おしゃべりをしながらでも構いません。アロマの香りやオイルが苦手な人もいるため、事前に問題がないか参加者に確認をしてから行いましょう。

写経で心をおだやかに

筆ペンやボールペンを用い、印字されたお経の文字をなぞったりお手本を見ながら書いたりします。字を書くことを脳を活性化し、心落ち着くひとときにもつながります。お香やBGMで雰囲気を出すのも効果的です。お手本と写経用紙は、Webサイトから無料でダウンロードできます。
ただし、宗教上の理由で写経ができない人がいる可能性もあるため、事前に、写経をしても問題がないか参加者に確認しておきましょう。

心にしみる読み語り

高齢者にとって懐かしい昔話や小中学校で読んだ文学作品を取り上げて、進行者が読み語りをします。1回のレクリエーションで1作品を取り上げ、大きな声でゆっくりと読み語ってください。懐かしい文学作品を耳から聞いてイメージすると、介護予防に効果的です。読み語りが終わった後は、参加者に感想を聞いてみましょう。

高齢者のレクリエーションをうまく進めるためのステップ

高齢者のレクリエーションはどのような流れで進行すればいいのか、4つのステップに分けて解説します。

1.事前の準備

レクリエーションの進行者の立ち位置や、参加者の座る位置などを決めます。安全に配慮して、適度に間隔を空け、どの場所からも進行者やホワイトボードが見えるように設定してください。使用する小道具は念のため参加予定人数よりも多めに用意しましょう。

2.ウォーミングアップ

全員が集まるまでの待ち時間には、雑談をしたり音楽をかけたりしてリラックスした雰囲気を演出します。全員が揃ったところで、進行役が簡単にレクリエーション開始のあいさつをしてください。そして、その日におこなうレクリエーションの内容やルール説明をしましょう。

3.レクリエーションを楽しめる雰囲気をつくる

レクリエーションの最中は、参加者の言動や表情、ほかの参加者とのコミュニケーションの様子などをよく観察してください。みんなで楽しい時間を過ごせるよう、適宜、声がけをして参加しやすい雰囲気をつくってください。

4.クールダウン

レクリエーションの終わりには、参加者にアクティビティの楽しかった点や面白かった点、工夫すべきところといった感想を聞いたり、次回やる内容の予告をしたりします。最後に、終わりのあいさつをして終了です。

高齢者のためのレクリエーションで気をつけるべきポイント

高齢者が楽しみながらレクリエーションに参加できるように、気をつけるべきポイントについて解説します。

無理強いをしない

参加者の個性や好みを把握し、意思を尊重してください。特に障がいのある人への配慮は重要です。車椅子の人や、体にマヒのある人でも参加しやすいレクリエーションの演出を心がけてください。

また、耳が遠い、眼が見えにくい、認知症など、高齢者の状態は見た目ではわかりにくい面もあります。参加の無理強いはしないようにしましょう。

自尊心を傷つけない

参加者を「ちゃん」付けで呼ぶといった子どもに話しかけるような言葉遣いや、上から目線な印象を与える言葉遣いは参加者の自尊心を傷つける可能性があります。参加者への言葉遣いに気をつけ、敬意をもって接するよう心がけてください。

安全への配慮を怠らない

レクリエーションでは、参加者の体調や安全性に配慮してください。とくに運動系のレクリエーションでは、小道具の使い方によってはケガにつながる危険性があります。事前にさまざまな状況をシミュレーションし、対策をとることが必要です。

まとめ

高齢者のためのレクリエーションは、認知機能の衰えを抑え、身体機能の維持に効果的です。レクリエーションの種類は体操、創作、思考力向上、癒し・リフレッシュがあり、特色を活かした実効性の高いアクティビティの実現には、介護に関する専門的な知識や企画力が必要です。

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