• 公開日:2021/03/11

運送会社などの運送業では、運行管理者の配置が義務付けられています。運行管理者の資格を取得した場合、社内でのキャリアアップや待遇の改善はもちろん、就職や転職の際の強みとなるでしょう。この記事では、運行管理者とはどのような資格か、主な業務内容、資格取得に必要な条件などについて解説します。

運行管理者とはどのような資格か?

近年、トラックやバスなどのドライバーが、居眠り運転や過労、持病の発作などが原因で、事故を起こすケースが少なくありません。最悪の場合、歩行者やドライバー自身の命にかかわる重大な事故になるケースもあります。

ドライバーによる事故の防止のために重要な役割を担っているのが運行管理者です。運行管理者とは、運送会社などで配置が義務付けられている国家資格です。運行管理者に選任された場合、ドライバーの疲労、健康状態を把握し、安全な運行を実現するための指導を行う必要があります。

運行管理者の主な業務内容

運行管理者は、「道路運送法」及び「貨物自動車運送事業法」に基づいて業務を行う必要があります。たとえば、過労運転とならないようなシフト作成や、ドライバーが安全運転への理解を深めるために必要な教育や指導、指示出しなどが挙げられます。

また、点呼の際にドライバーの健康状態を確認したり、アルコールチェッカーなどを用いてアルコールを摂取していないかの確認をすることも運行管理者の業務の一つです。さらに、ドライバーの休憩所や睡眠をとる施設の管理、補助者への指導や監督、事業者への助言など、業務内容は多岐にわたります。

運送業が抱える課題と運行管理者の必要性

運送業では、交通事故の防止に努め、安全かつ効率的に輸送を行うことが求められます。また、公共のものである道路を利用することから、社会との共生も不可欠です。

近年の運送業のドライバーによる交通事故の主な原因としては、健康管理ができていないこと、休憩時間や休日が少ない過密な運行スケジュール・シフトによる過労などが挙げられます。このように、ずさんな運行管理をしている事業者も少なくありません。これらの改善が目下の課題であり、運行管理者が運送業に必要とされるゆえんです。

運行管理者を目指すためのルートは2通り

運行管理者の資格者証を取得するためのルートは、「国家試験に合格すること」と「一定の条件を満たすこと」の2通りです。ここではそれぞれの方法についてくわしく解説します。

国家試験に合格する

運行管理者試験に合格することで、「運行管理者資格者証」の交付を受けることができます。試験は、「公益財団法人運行管理者試験センター」によって実施されています。受験できるのは、年2回(例年3月・8月頃)です。

試験は、「貨物」と「旅客」の2つに分類されています。トラックによる貨物の輸送業務の場合は「貨物」を、バスやタクシーなどの運送業務の場合は「旅客」を受験する必要があります。試験を受けるには、以下の受験資格を満たす必要があります。


受験資格

受験資格を得るための条件は、1年以上の実務経験を積んでいること、もしくは、実務経験と同等の講習を修了していることです。このどちらかを満たすことで、運行管理者試験の受験資格を得られます。

実務経験を積むためには、運行管理に関連する業務を経験する必要があります。実務経験と同等の講習とは、国土交通大臣によって認定されている講習実施機関での基礎講習のことで、「独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)」などによって開催されています。


試験内容と合格の基準

貨物・旅客ともに筆記試験とCBT試験の2つの方法で試験が行われ、5分野の中から30問出題されます。合格するには、どちらも30問中18問以上(6割以上)の正答が必要です。

貨物では、「貨物自動車運送事業法関係」「道路運送車両法関係」「道路交通法関係」「労働基準法関係」の4分野で、それぞれ1問以上、「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」の分野で2問以上の正答が求められます。

旅客では、「道路運送法関係」「道路運送車両法関係」「道路交通法関係」「労働基準法関係」の4分野で、それぞれ1問以上、「その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力」の分野では、2問以上の正答が必須です。

法令などが改正された場合、施行後6カ月間は改正の前後で解答が変わるような問題が出題されることはありません。

一定の条件を満たしている

一定の条件とは、5年以上の実務経験があることと、その間に基礎講習や一般講習を5回以上受けていることを指します。それに加え、5回以上の講習のうち少なくとも1回は基礎講習を受講する必要があります。講習は同一年に複数回受講しても、1回とみなされます。

実務経験と受講修了のどちらもクリアしていれば、一定の条件を満たしていると判断され、運行管理者の資格を取得できます。

運行管理者の配置人数や必要な届け出

運行管理者には、「貨物」と「旅客」の2種類があります。貨物では、営業所ごとに運行管理者1名以上の配置が義務付けられているため、旅客よりも貨物のほうがニーズは高いといえます。

車両の数によって必要数は異なる

基本的に、運行管理者の必要数は保有車両の数によって異なります。29両以下の営業所(貨物)の場合、運行管理者の必要数は1名です。車両が30両追加されるごとに配置人数も1名ずつ増やさなければなりません。

ただし、貨物では、営業所1ヵ所に対し、1名以上の運行管理者が必要です。仮に、2カ所の営業所があり、所有する車両が10両だった場合でも、それぞれ1名ずつ配置しなければなりません。また、複数の運行管理者を選任している場合は、その中から責任者を決める必要があります。

選任後は届け出が不可欠

運行管理者を選任したときは、届け出が必要です。同時に、前任者の解任の届け出も忘れないようにしましょう。貨物自動車運送事業者の場合は、選任から1週間以内に、旅客自動車運送事業者の場合は15日以内に届け出を行わなければなりません。

国土交通大臣に届け出します(手続きは地方運輸局の支局)。届け出に必要なものは、以下のとおりです。

  • 運行管理者選任・解任届け出書
  • 運行管理者資格者証の写し

運行管理者が知っておくべきこと

運行管理者が業務にあたる際に知っておくべきことについて解説します。

基本的にドライバーとの兼任はできない

運行管理者は、基本的にドライバーとしてシフトに入ることはできません。配置人数が1名の場合、点呼や運行管理業務を行えなくなるため、ドライバーと兼任にならないように注意しましょう。ただし、ほかの運行管理者や補助者が点呼を行う場合は、ドライバーとの兼任が可能です。補助者の詳細については、後ほど解説します。

定期的に講習を受けなければならない

運行管理者の資格取得後は、定期的に講習を受ける必要があります。講習の種類は、「一般講習」と「基礎講習」、重大事項または法令違反により処分を受けたときの「特別講習」です。受講が必要になるのは、選任された年度内・定期受講の年度内・重大事故や法令違反による処分を受けたタイミングです。

選任時は、年度内(4月~翌年3月)に一般講習を受講します。選任されたときに基礎講習を見受講であるときは、定期受講として、最後に受講した年度の翌々年度に一般講習を受ける必要があります。ただし、基礎講習の受講が不可欠です。違反などによる処分を受けた場合は、発生日から1年以内に特別講習を受講しなければなりません。

運行管理者が1名の場合は補助者の選任が有効

運行管理者がドライバーと乗務したり、休日を取得したりするときのために、補助者の選任が有効です。ここでは補助者について詳しく解説します。

補助者とは?

運送業界では、運行管理者の業務負担を減らすことが目下の課題です。課題解決に重要な役割を担っているのが「補助者」です。補助者は、運行管理者の業務を補助する役割を担っています。補助者の選定条件は、「運行管理者証を取得している」もしくは、「国土交通大臣が認定する基礎講習の修了者」であることです。

補助者の主な業務内容

補助者の主な業務内容は、ドライバーへの点呼の実施です。実施回数のうち、補助者が点呼を行える回数は3分の2未満です。また、事業所内で違反などを発見した場合は、速やかに運行管理者に報告する義務があります。

まとめ

運行管理者は、運送業に不可欠な資格です。国家試験の合格や一定の条件を満たすことで、資格を取得できます。ただし、一定の条件を満たすには、最低でも5年は必要なため、早く取得したい場合は、運行管理者試験を受けるといいでしょう。

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