• 公開日:2020/04/17

飲食店などでの調理の仕事を目指す際、調理師免許の取得を検討する人は多いのではないでしょうか。調理師試験の勉強を始めるにあたり、調理師試験の難易度や、調理師免許がどう役立つのか気になるのではないでしょうか。

この記事では、調理師免許の取得方法、資格取得のメリット、試験内容や難易度、合格率について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

調理師免許とはどういうもの?

調理師免許とは、調理技術や食に関する専門知識を持つことを証明するものです。この「食に関する知識」とは、食材の知識だけでなく、栄養や衛生に関する知識も含まれます。

調理師免許を持っていなくても、飲食店に就職して調理の仕事をすることはできます。しかし、スキルを証明するために資格があるほうが就職に有利ですし、雇用主や顧客からの安心や信頼を得られるでしょう。

調理師免許を取得する方法は?

調理師免許を取得するには、2種類の方法があります。以下で取得する方法を解説します。

専門学校や養成施設で学んで取得する

1つ目は、厚生労働大臣が指定する調理師専門学校や、調理科などのクラスのある高校、大学などの養成施設で学び、卒業することです。卒業後、住所地の都道府県知事に申請することにより調理師試験を受けずとも調理師免許を取得することができます。

高校や大学は卒業までにそれぞれ既定の年数がかかりますが、調理師専門学校の1年制の場合、免許取得までの期間は1年で済みます。

実務経験を積んだ上で調理師試験に合格する

2つ目の方法は、飲食店などで2年以上調理の実務経験を積んだ上で、各都道府県が実施する調理師試験を受けて合格し、申請して免許を取得するというものです。実務経験の証明には「調理業務従事証明書」の提出が必要となります。この実務経験はあくまで「調理」の経験であり、接客などの仕事では認められません。なお、 非正規雇用のパートやアルバイトでも、規定の条件を満たすことで受験が可能です。

調理師免許を取得するメリットは?

調理師免許がなくても飲食店などの開業や調理業務はできますが、免許を取得するとさまざまなメリットがあります。

就職に有利になる

調理技術と食の専門知識を持っているため、即戦力になりやすいといえます。そのため、調理師免許を取得していることが応募条件になっている求人も多くあります。一定の技術と知識があることを書類選考の段階でアピールできるので、就職に有利といえます。

給料や待遇が良くなる

調理師免許のないまま調理業務に従事すると、最初のうちは洗い物などが主な仕事です。また、免許のある人よりも給料が少ないことがほとんどです。しかし、調理師免許で技術や知識を証明できれば、新人のうちから調理を任されたり、資格手当がついたりする可能性もあります。また、給料が上がりやすくなるケースもあります。

店の信頼度が上がる

調理師免許は、調理技術だけでなく栄養、衛生の専門知識も有していることの証明です。そのため、提供される料理が安全で、栄養バランスがとれているという安心感につながります。 安心感は店への信頼度を上げ、リピーターの増加や新規顧客の獲得など、経営の安定化にもつながります。

調理師試験の受験資格は?

調理師試験を受けるには、規定の学歴と職歴資格を満たす必要があります。学歴規定は「中学校卒業以上、高等学校の入学資格を有する」ことです。職歴規定は、調理師法施行規則に定められた施設で、2年以上調理業務に従事することとなっています。

定められた施設とは、旅館や簡易宿泊所を含む飲食店営業、販売のみではない魚介類販売業、そうざい製造業などです。そのほか、1回20食以上または1日50食以上を継続して調理している学校や病院、寮などの給食施設も含まれます。

必ずしも1カ所で2年以上働く必要はなく、複数の勤務先での勤務期間を通算することも可能です。しかし、同じ時期に複数の勤務先があっても、この期間を合算することはできません。なお、1カ月以上の長期休暇は勤務期間にカウントできません。

パートやアルバイトでも調理師試験の受験は可能です。しかし、「週4日以上かつ1日6時間以上」の勤務条件を満たしていれば受験できます都道府県によって「週5日以上かつ1日5時間以上」の勤務でも受験が可能な場合があります。あらかじめ、受験する都道府県の公式サイトで受験資格を調べておきましょう。


  • 参考:2019年度調理師試験について|公益社団法人調理技術技能センター(http://www.chouri-ggc.or.jp/09_shiken2019.html)

受験資格として認められない職歴とは?

たとえ飲食店や給食施設などに勤務していても、実務経験と認められない職種もあるので注意が必要です。例として、ホールスタッフや食器洗浄、配達など、直接の調理業務でないものは認められません。また、栄養士や保育士、看護師やホームヘルパーとして職場に採用されている場合も同様です。

さらに、料理学校などで調理の実習指導をしている場合、企業や研究所などで食品開発業務に従事をしている場合も認められません。また、勤務先が菓子製造業や喫茶店営業の許可のみを受けている場合、飲食店営業許可があっても主にケーキ、デザート類、パン類製造の業務に従事している場合もこれにあたります。

さらに、外国の飲食店に勤務していた期間、定時制や通信制ではない高校在学中の勤務期間も実務経験と認められません。

調理師試験の概要は?

調理師試験は各都道府県で毎年行われています。おおむね年1回ですが、2回実施される場合もあります。大型台風など、悪天候の影響が非常に大きい場合は日程が変更されることもあります。受験会場は1~3カ所と、都道府県ごとに異なります。

複数会場がある都道府県でも、申請時に希望会場を選択できる場合と、できない場合があります。受験料も都道府県によって異なり、おおむね6,100~6,400円ほどです。前述した通り、調理師専門学校や調理科クラスのある大学など、厚生労働省が認定する養成施設を卒業すると、調理師試験は免除になります。

詳しくは、公益社団法人調理技術技能センターの公式サイトを参照してください。

  • 参考:2019年度調理師試験(青森県・茨城県・埼玉県・東京都・新潟県・富山県・石川県・岐阜県・愛知県・鳥取県・島根県・岡山県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・大分県)について|公益社団法人調理技術技能センター(http://www.chouri-ggc.or.jp/09_shiken2019.html)

調理師試験の出題内容は?

試験内容は「公衆衛生学」「食品学」「栄養学」「食品衛生学」「調理理論」「食文化概論」の6科目です。

「公衆衛生学」では、地域社会における健康問題などが出題されます。「食品学」や「栄養学」は、食品の分類、加工、保存や栄養素について、「食品衛生学」は、食中毒の予防などについての出題です。「調理理論」では調理技術や食品の調理による変化などについて、「食文化概論」では、食に関する歴史などが問われます。

調理師試験の難易度は?

調理師試験は実技試験を行わず、筆記試験のみとなっています。出題形式は4つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式です。実技試験がないうえ、記述問題ではないので、人気資格のうちでは比較的難易度は高くない試験といえます。

原則として全科目の合計得点で合否判定され、60%以上が合格ラインとなります。ただし、「1科目でも平均点を著しく下回る場合」や「1科目でも0点がある場合」は不合格となります。まんべんなく勉強し、苦手科目を作らないことが合格の秘訣です。

調理師試験は例年、おおむね6~11月に実施され、居住していない都道府県でも受験できます。そのため、東京都で調理師試験を受験後、試験日の違う神奈川県で再チャレンジするなどの、いわゆる「かけもち受験」も可能です。難易度が高くなく、チャンスも複数回あるため、合格しやすい試験といえます。

学習時間はどれくらい?

自宅で学習する場合、3カ月から半年間、毎日1~2時間の学習を継続して受験する人が多いようです。仕事と勉強を両立する場合、毎日1時間の学習を半年間続けるプランが現実的といえます。

独学でも合格できる?

独学でも調理師試験の合格は可能です。しかし、出題範囲が6科目にわたるため、自分に合った参考書探しやスケジューリングをしっかり行う必要があります。勉強だけに集中したいなら、テキスト選びやスケジューリングを任せられる通信講座の受講が効率的といえます。

調理師試験の合格率は?

合格率はおおむね60%前後となっていますが、都道府県ごとに違いがあります。以下に合格率の推移や都道府県別の合格率をまとめましたので、参考にしてください。

合格率の推移は?

直近5年間の全国平均合格率を見てみると、おおむね60~65%の間で推移していることがわかります。

実施年度 国平均合格率(%)
平成26年度 61.0
平成27年度 62.1
平成28年度 64.4
平成29年度 61.7
平成30年度 61.6

  • 参考:第3-2表 年度別(10年間)・都道府県別調理師試験合格率|公益社団法人 全国調理師養成施設協会(R01-3-3chourishishiken.pdf)

都道府県別の合格率は?

平成30年に実施された調理師試験の、都道府県別の合格率をまとめました。神奈川県では試験が2回行われており、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県は「関西広域連合」としてまとめられています。

北海道地方
北海道 73.0%

東北地方
青森県 51.2%
岩手県 48.9%
宮城県 44.1%
秋田県 51.3%
山形県 53.0%
福島県 67.8%

関東地方
茨城県 56.5%
栃木県 83.7%
群馬県 74.6%
埼玉県 60.7%
千葉県 58.1%
東京都 57.4%
神奈川県(1回目) 75.0%
神奈川県(2回目) 45.1%

中部地方
新潟県 59.6%
富山県 59.3%
石川県 56.0%
福井県 45.8%
山梨県 75.5%
長野県 70.3%
岐阜県 54.0%
静岡県 49.6%
愛知県 58.5%

近畿地方
三重県 67.5%
奈良県 65.5%

関西広域連合
(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県) 75.1%

中国地方
鳥取県 55.3%
島根県 59.4%
岡山県 50.1%
広島県 50.1%
山口県 73.0%

四国地方
香川県 55.2%
愛媛県 65.7%
高知県 41.8%

九州・沖縄地方
福岡県 50.4%
佐賀県 58.7%
長崎県 44.4%
熊本県 49.0%
大分県 53.4%
宮崎県 43.9%
鹿児島県 60.3%
沖縄県 57.4%

  • 参考:第3-1表 都道府県別調理師試験実施状況|公益社団法人 全国調理師養成施設協会(R01-3-3chourishishiken.pdf)


調理師試験に確実に合格するなら

調理師試験の合格ポイントは、6科目をまんべんなく学習することです。そのためには、わかりやすいテキストで効率的に学ぶことがカギとなります。とくに、細菌に関する知識を含む食品衛生学などは苦手に感じる人が多く、質問できる専門家がいると心強いです。養成施設に通う時間や費用を節約し、効率的に試験対策をするなら、通信講座を利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

調理師免許の取得方法や免許取得のメリット、調理師試験の受験資格や難易度について解説しました。調理師は人気の高い資格ですが、独学では心細い人もいるかもしれません。

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