• 更新日:2026/08/14

中小企業診断士は、経営コンサルタントに関する唯一の国家資格です。企業が抱える課題や問題を分析し、適切なアドバイスを行う専門家として経営者から重宝されています。本記事では、中小企業診断士の合格を目指す人に向けて、合格率や科目別の難易度、合格基準、効率的な勉強方法を解説します。中小企業診断士に関するよくある疑問についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 中小企業診断士は経営コンサルタントに関する唯一の国家資格であり、総合合格率は4~8%程度と低く、難関資格に分類される。
  • 合格に必要な勉強時間の目安は約1,000時間で、1次試験は7科目、2次試験は記述式の事例問題に対応する必要がある。
  • 効率的に合格を目指すには、学習戦略を立て、1次試験と2次試験の関連性を意識しながら、スキマ時間や学習ツールを活用することが重要である。
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中小企業診断士の難易度

中小企業診断士は1次試験と2次試験を通した合格率が低く、難関資格に分類されます。

合格までに必要な勉強時間の目安は約1,000時間とされており、1~2年をかけて取得を目指す人も少なくありません。

以下では、中小企業診断士試験の難易度や合格率の詳細を解説します。各データを参考に、自身に必要な準備期間を見極めましょう。

中小企業診断士の合格率

中小企業診断士の総合合格率は4~8%程度で推移しています。直近7年間では、1次試験は23.7~42.5%、2次試験は17.6~18.9%と、試験の受験年度によって合格率が異なります。直近7年間の合格率の詳細は、以下の通りです。

年度 1次受験者数 1次合格者数 1次合格率 2次受験者数 2次合格者数 2次合格率 総合合格率
令和7(2025) 18,360 4,344 23.7% 7,044 1,240 17.6% 4.17%
令和6(2024) 18,209 5,007 27.5% 8,119 1,516 18.7% 5.14%
令和5(2023) 18,755 5,560 29.6% 8,241 1,555 18.9% 5.59%
令和4(2022) 17,345 5,019 28.9% 8,712 1,625 18.7% 5.4%
令和3(2021) 16,057 5,839 36.4% 8,757 1,600 18.3% 6.66%
令和2(2020) 11,785 5,005 42.5% 6,388 1,174 18.4% 7.82%
令和元(2019) 14,691 4,444 30.2% 5,954 1,088 18.3% 5.53%



科目別の難易度と合格率

1次試験は7科目で構成されており、科目ごとの合格率には大きな差があります。令和7年度(2025年度)の科目別合格率は、以下の通りです。

科目名 合格率
中小企業経営・中小企業政策 30.7%
経営法務 18.3%
企業経営理論 17.3%
経済学・経済政策 14.5%
運営管理(オペレーション・マネジメント) 14.4%
経営情報システム 14.2%
財務・会計 8.4%

計算力と会計知識が求められる財務・会計は突出して科目合格率が低く、令和7年度は8.4%でした。一方、中小企業経営・中小企業政策は30.7%と、科目合格率が比較的高い点が特徴です。


ただし、科目別の難易度は年度ごとに異なるため、特定の科目に偏らず7科目をバランスよく対策することが大切です。

難易度は受験年度によって大幅には変わらない

中小企業診断士試験の合格率は受験年度によって多少変動しますが、試験全体の難易度は大きく変わりにくい傾向があります。1次試験と2次試験は例年おおむね同じ構成で実施されており、試験全体の難易度が大きく変わりにくいためです。

一方で、科目ごとの難易度は受験年度によって変わる可能性があります。難化した科目では前年よりも細かい論点が問われることがあり、易化した科目では基本的な知識を問う問題が多くなる傾向があります。

合格に必要な勉強時間の目安

中小企業診断士試験に合格するために必要な学習時間の目安は、約1,000時間とされています。毎日3時間の勉強時間を確保すれば、約1年で合格に必要な基礎知識を身に付けられる見込みです。

ただし、約1,000時間はあくまで目安のため、参考程度にとどめましょう。すでに中小企業診断士に関する知識や経験がある場合、必要な勉強時間は短くなります。一方、初めて試験を受ける方や関連する知識がない方は、さらに多くの時間が必要になる可能性があります。

なお、勉強時間の内訳や学習スケジュールの立て方について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

中小企業診断士の受験資格と合格基準

中小企業診断士試験を受験する際は、受験資格や合格基準を正しく把握しておきましょう。令和8年度(2026年度)からは試験制度の一部が変更されているため、最新の情報をもとに受験計画を立ててください。

受験資格

中小企業診断士の1次試験には、特別な受験資格はありません。年齢・性別・学歴・実務経験にかかわらず、誰でも受験が可能です。

2次試験を受験するには、原則として1次試験に合格する必要があります。なお、1次試験に合格した場合、その合格年度を含む2年間は、2次試験を受験できます。

1次試験の合格基準

1次試験の合格基準は、7科目全ての総得点が60%以上であり、かつ1科目でも満点の40%未満の得点がないことです。科目合格の基準は原則として満点の60%以上ですが、試験委員会が相当と認めた得点比率により調整される場合があります。

なお、科目合格となった場合、翌年度および翌々年度の1次試験の受験時に申請することで、その科目が免除されます。

2次試験の合格基準

2次試験の合格基準は、総得点が60%以上であり、かつ全ての科目で40%以上を獲得することです。

筆記試験では、企業の事例が「与件文」として提示され、その事例に基づく問題が出題されます。出題分野は、組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計の4分野で、それぞれの事例を基に記述式で解答します。

令和8年度(2026年度)からの試験制度の変更点

令和8年度(2026年度)より、2次試験の口述試験が廃止されます。従来の口述試験は例年きわめて高い合格率で、筆記試験合格後の最終確認に近い位置づけでした。そのため、廃止による試験全体の難易度への影響は小さいと考えられます。

また、試験制度の変更に伴って受験手数料も改定されます。1次試験は14,500円から17,200円に、2次試験は17,800円から15,100円に変更となります。詳細は、日本中小企業診断士協会連合会の公式サイトでご確認ください。

【他の資格と比較】中小企業診断士の難易度

中小企業診断士の難易度を客観的に把握するために、以下では、合格率と必要勉強時間の両面から他の国家資格と比較してみます。

合格率を他の資格と比較

中小企業診断士と他の国家資格の合格率の目安を比較すると、以下の通りです。

資格名 合格率
中小企業診断士 約4~8%
公認会計士 約7~10%
司法書士 約3~5%
税理士 約16〜22%
社会保険労務士 約6~7%
行政書士 約10~15%
目安として比較すると、中小企業診断士の合格率は税理士や行政書士などと比べても低く、試験合格は容易ではないことがわかります。

勉強時間を他の資格と比較

次に、合格までに必要とされる勉強時間の目安を比較します。

資格名 必要勉強時間の目安
中小企業診断士 約1,000時間
公認会計士 約3,000~5,000時間
司法書士 約3,000時間
税理士 約2,000~3,000時間
社会保険労務士 約700~1,000時間
行政書士 約500~1,000時間
公認会計士や司法書士と比べると必要な学習量は少ない傾向がありますが、社会保険労務士と同程度の時間が求められます。ただし、勉強時間は個人の前提知識や学習効率によって大きく異なるため、あくまで目安として捉えましょう。

中小企業診断士の勉強を効率的に進めるポイント

中小企業診断士試験は出題範囲が広いため、無計画に学習を進めるのではなく、計画的に取り組むことが重要です。効率よく合格を目指すためのポイントとして、以下の4つが挙げられます。

  •  学習戦略を立てる
  • 1次試験と2次試験の関連性を把握する
  • スキマ時間を活用する
  • 効率的に学べる学習ツールを選ぶ

自身に合った勉強方法を見つけ、合格に向けた学習を着実に進めましょう。

学習戦略を立てる

中小企業診断士試験の出題範囲は7科目と広いため、科目ごとの学習時間を計画的に配分することが大切です。苦手科目を重点的に補強しつつ、得意科目で確実に得点するなど、自身に合った戦略を立てましょう。

また、科目合格制度を活用すれば、2~3年計画で段階的に合格を目指すことも可能です。無理なく学習を進めるために、自身のライフスタイルに合った受験計画を検討してください。

1次試験と2次試験の関連性を把握する

2次試験は、1次試験で学んだ知識を実際の企業事例に応用する記述式の試験です。特に「企業経営理論」「運営管理」「財務・会計」の3科目は、2次試験との関連が深いとされています。

1次試験の学習段階から、ただ暗記するのではなく「なぜそうなるのか」を理解する姿勢で取り組むと、2次試験の対策にもつながります。1次試験と2次試験を切り離して考えず、一体的に学習を進めましょう。

スキマ時間を活用する

約1,000時間の学習時間を確保するために、通勤や休憩などのスキマ時間も活用しましょう。スマートフォンで学習できるツールを使えば、外出先でも手軽に勉強を進められます。毎日少しずつでも継続して取り組むことが、合格への近道です。

効率的に学べる学習ツールを選ぶ

中小企業診断士の学習手段には、独学・通学講座・通信講座などがあります。独学はコストを抑えられる一方で、学習の方向性を自身で判断する必要があり、効率が下がることも少なくありません。

通信講座は、テキスト・添削指導・スマートフォン学習を組み合わせて効率的に学べるため、働きながら合格を目指したい人に適しています。

まとめ

中小企業診断士は、経営コンサルタントに関する国家資格であり、取得することで専門性に対する信頼や社会的評価の向上が期待できます。試験の総合合格率は4~8%程度と低く、難易度は高いものの、科目合格制度の活用や効率的な学習手段を選ぶことで、働きながらでも合格を目指すことが可能です。

ユーキャンの中小企業診断士合格指導講座は、わかりやすいテキストや添削指導、スマートフォン学習など内容が充実しており、効率的に合格を目指したい人におすすめです。キャリアアップやスキルアップをお考えの方は、ぜひ受講をご検討ください。

この記事の監修者は五藤 大樹(ごとう たいき)

TOMAコンサルタンツグループ株式会社 コンサル部 副部長
経営コンサルタント・中小企業診断士

愛知県出身。大学卒業後、ホテル・飲食店を多店舗展開する企業の現場責任者として、現場の課題発見から改善策の実行まで一貫して経験し、現場主義の経営感覚を養う。その後、ベンチャー企業へ出資・支援する会社でIPO(株式上場)プロジェクトに参画し、上場準備の実務を幅広く担当。事業再生を専門とするコンサルティング会社を経て、2016年にTOMAコンサルタンツグループに入社。経営課題の本質を見極め、現場と経営双方の視点から実効性の高い経営計画を策定し、実践的なPDCAサイクルを回して成果につなげることを強みとする。幅広い業種の中堅・中小企業に対して、経営計画策定、財務改善、実行支援を行い、経営課題解決に取り組んでいる。

よくある質問

中小企業診断士を取得する意味はある?

中小企業診断士には独占業務がないことから、「取得する意味がない」といわれることがあります。しかし、中小企業診断士は経営コンサルタントに関する国家資格であり、取得することで企業や経営者からの信頼獲得につながります。

また、経営企画職やコンサル職への転職・就職で評価される場面もあり、キャリアの幅を広げたい方にとって価値のある資格です。

働きながら勉強できる?

中小企業診断士試験は難易度が高く、合格率が低い資格です。ただし、実際に中小企業診断士試験では30~50代の受験者が8割を占めており、働きながら取得を目指している人が多いことがうかがえます。

一方で、仕事と勉強の両立は容易ではありません。適切な学習手段を選び、計画的に勉強を進めることが大切です。

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