• 更新日:2024/04/05

日常生活や社会生活で、ろう者とのコミュニケーションの機会が増えています。手話検定は、手話を学んでいる人にとって、自分がどの程度の力を身につけたかを把握するうえで有効な手段です。日本では「全国手話検定試験」と「手話技能検定」の2つが設けられています。手話検定に興味がある人はぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 手話検定には、「全国手話検定試験」と「手話技能検定」の2つがある。
  • 「全国手話検定試験」は聴覚障害のある人と手話を通じてどの程度のコミュニケーションができるかを測るのが目的の試験。
  • 「手話技能検定」は手話の言語としての技能力を検定することが目的の試験。
  • 手話の効果的な勉強方法は、動きを見て覚えるために講習会・サークルに参加する、読み取り練習にDVDを利用するなど。

手話検定とは

手話は、生まれつきなどさまざまな理由で聴覚に障がいがあるろう者同士が、あるいは聴覚障害のない人とろう者が意思疎通を図るのに便利な手段です。日常会話から専門的な会話まで、幅広いレベルのコミュニケーションに活用できます。

手話を勉強している人にとっては、自分の手話がどの程度のレベルまで上達しているかは気になるところです。手話検定は、手話学習者が手話の基本技術の習得レベルやコミュニケーション能力を測るための共通の基準として活用されています。

手話検定は2種類ある

手話検定には、「全国手話検定試験」と「手話技能検定」の2つがあります。それぞれの概要と特徴について解説します。

全国手話検定試験

全国手話検定試験は、社会福祉法人全国手話研修センターにより、2006年から実施されている検定試験です。手話の知識に加え、面接委員との手話による会話を通じて、聴覚障害のある人と手話を通じてどの程度のコミュニケーションができるかを測るのが目的です。

全国手話検定試験には、5級・4級・3級・2級・準1級・1級の6つのレベルが設定されています。

手話技能検定

手話技能検定は、NPO手話技能検定協会により2001年から実施されている検定試験です。手話の学習者が手話通訳者となるための能力を証明するものではなく、あくまで手話の言語としての技能力を検定することが目的です。

手話技能検定には7級・6級・5級・4級・3級・2級・1級の7つのレベルが設定されており、それぞれで手話能力が認定されます。

全国手話検定試験の概要

全国手話検定試験の内容をより詳しく把握するために、級ごとの受検の目安や受検形態について解説します。

各級と受検の目安

全国手話検定試験の5・4・3級、および2・準1・1級の2つの区分に分けて、どの程度の学習レベルであれば受検可能かについて解説します。


5級・4級・3級は初級~中級

5級から3級までは、いわゆる初級から中級レベルに該当します。

5級では、あいさつに加え、たとえば自分の名前や家族、仕事などの自己紹介を話題に、手話で会話ができる程度の力が問われます。4級は、日常生活の身近な話題を手話で会話できる程度の学習者が対象です。3級は、日常生活や社会生活の話題で会話ができるレベルが想定されています。

5級から3級までの試験は、マークシート形式の読み取り試験と、手話での表現・会話試験で構成されています。


2級・準1級・1級は上級

2級から1級までは、上級レベルに該当します。 2級は、社会生活全般に関わる話題を軸に、手話で平易な会話ができるレベルです。準1級は、社会生活活動のさまざまな場面や、一部専門的な場面に関わるトピックで会話ができるレベルに該当します。そして最上位レベルの1級は、あらゆる場面に関わるトピックでよどみなく会話ができる能力を想定した試験内容です。

2級から1級までの試験は、筆記試験に加え、マークシート形式の読み取り試験、手話での表現・会話試験で構成されています。

受検形態

全国手話検定試験を受検する場合、会場試験かインターネット試験のどちらかを選択できます。会場試験は、全国の都道府県に設けられた試験会場で実施され、年1回、秋に実施されます。インターネット試験は2021年から始まった新たな仕組みで、こちらも年1回の頻度で実施されます。

手話技能検定の概要

手話技能検定のより詳しい試験内容を知るために、各級を受検する際のレベルの目安や受検形態について解説します。

各級のレベルと受検の目安

手話技能検定の各級のレベルおよび受検の目安を、初級、中級、上級レベルの3つの区分に分けて解説します。


7級・6級・5級は初級

7級から5級までは、簡単なあいさつや自己紹介、趣味の会話などができる初級レベルに相当します。検定は筆記試験で行われます。

7級は、五十音の指文字の基本形を覚え、濁音や半濁音以外をゆっくり表現して読み取りができるレベルに相当します。6級は、簡単なあいさつができるレベルで、濁音・半濁音などを含む指文字や千の位までの数字、日常的な単語の表現・読み取りができるレベルに該当します。5級は、あいさつや自己紹介、趣味に関する質疑応答ができるレベルの手話能力が問われる試験です。


4級・3級は中級

4級と3級は、ろう者を相手に簡単な接客をこなせる中級レベルに相当します。検定方法は筆記試験です。

4級は、店舗や窓口でろう者相手に簡単な接客の会話ができる、日付や時刻、金額など数字を使った表現ができるレベルに該当します。3級は、接客現場でのより具体的な会話、手話での道案内、会社や学校、手話サークルでの会話程度の力が問われるレベルです。


2級・1級は上級

上級レベルに相当するのが2級・1級です。この2つの試験では、3級までの筆記試験ではなく、実技試験を通じて手話能力を測定します。

2級は、病院や学校などの日常生活や仕事場で必要とされる具体的な会話を、ろう者との間で自由にこなせるレベルが該当します。最上位の1級では、日常生活や仕事場など、あらゆる場面で高度かつ具体的な会話を自由にこなせるレベルの力が問われます。

受検形態

手話技能検定では、会場試験、在宅試験、オンライン試験、任意日程試験の4種類の試験を実施しています(任意日程試験は5人以上での集団受検)。級によって受検形態が異なります。

7級は(個人受検の場合)在宅試験のみで、いつでも好きなときに自宅で受検でき、解答用紙を郵送して採点を受けます。6級から3級までは年2回の実施で、全国各地の会場で実施される会場試験か、オンライン試験のいずれかを選択可能です。2級と1級は年2回、オンライン試験のみで実施されています。

手話検定の合格率・難易度

全国手話検定試験の場合、合格率は5級が90%程度、4級・3級が85%程度、2級・準1級が55%程度、1級が70%程度といわれています。難易度については、5級から3級にかけては容易に合格できるレベルで、2級から1級にかけても合格を目指しやすいレベルと考えられます。

手話技能検定の場合、公表されている2019年の第51回の合格率は、6級が92.4%、5級は95.7%、4級は86.8%、3級は63.3%、準2級は24.6%、準1級は0.0%となっています(2022年から、準2級・準1級は廃止された)。7級から3級までは容易に合格できるレベルですが、2級以上は合格難易度がぐっと上がるのが特徴です。

手話が求められるシーン

現在、手話ができる人材が活躍できる場は多種多様です。病院や福祉施設などの医療・福祉の現場はもちろんのこと、自治体、図書館などの公共施設、金融機関をはじめとする幅広い業種の企業など、ろう者向けにサービスを提供する現場で、手話ができる人材が求められています。

手話検定は、手話通訳の専門家の育成を目的とはしていないものの、手話能力の証明にはなるため、就職や転職の際のアピール、職場でのキャリアアップに活用可能です。

何より、手話を通じてろう者のコミュニケーションをサポートできるので、社会貢献にもつながります。

手話のおすすめの勉強方法

手話を独学するうえで効果的な勉強方法を2つご紹介します。

動きを見て覚えるために講習会・サークルに参加する

まずは、地域で行われている講習会やサークルに参加しましょう。参考書や問題集を使った独学の場合、正確な手や指などの動きを覚えづらいのが欠点です。講習会やサークルなら、実際に講師や他の参加者の手や指などの動きを観察しながら覚えられます。

たいていの場合、在住する自治体の福祉課に問い合わせれば、地域で開催されている講習会やサークルの情報を入手することが可能です。

読み取り練習にDVDを利用する

独学で手話の指文字の読み取り力を上げたい場合、指文字読み取り練習用のDVDを活用するのがおすすめです。

全国手話検定試験や手話技能検定の過去問題集や、一般的な手話学習テキストに付録として付いてくるDVD、あるいは通信講座で提供されているDVDなど、さまざまなソースのDVDを入手して活用し、読み取り力を上げましょう。

まとめ

手話検定は、手話学習者が自分の上達レベルを把握する基準として有効です。手話検定には、全国手話検定試験と手話技能検定の2種類があります。それぞれ級の設定や受検方式など特徴が異なります。

日常生活や公共サービス、ビジネスの現場など、手話が活用されるシーンは増えています。手話検定は、就職や転職、キャリアアップに向けたアピールポイントとしても役立つでしょう。

手話の独学は、指の動きを覚えづらいのが欠点です。通信講座なら、自宅にいながらDVDと教本の二段構えで体型的に手話をマスターできるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

手話通訳士になるには?

手話通訳士になるには、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが主催している手話通訳技能検定試験に合格する必要があります。手話通訳自体は資格がなくてもスキルがあれば行えますが、裁判や政見放送などで活躍するためには資格が必須です。

手話通訳士と手話通訳者との違いって?

手話通訳士と似たような役割として、手話通訳者があります。両者の大きな違いは、試験の主催団体と難易度です。手話通訳士は、厚生労働大臣認定の社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施する、「手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)」に合格する必要があり、試験の難易度は高めです。

手話通訳士の仕事って?

手話通訳士とは、聴覚障がい者のコミュニケーションを助けるための専門家です。耳の不自由な人とそうでない人の間を取り持つ役割を果たし、話している言葉を手話に訳したり、手話を言葉に訳したりします。

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手話を身につけることで、ろう者の方とのコミュニケーションが取りやすくなります。駅・病院・飲食店など、暮らしの中でろう者の方が困っている場面でのお手伝いがスムーズにできるようになり、旅行先や日常生活の中でも幅広く役立ちます。接客業の方なら、仕事でも手話のスキルを活かすことができます。また、福祉施設や病院、官公庁などの就職を目指す方なら、アピール材料として好評価につながることも。
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