• 更新日:2023/07/14

気象予報士は、難易度の高い資格として知られています。では、難関を突破し、気象予報士になった場合、どのくらいの年収が見込めるのでしょうか。本記事では気象予報士の年収がどれくらいか解説します。気象予報士の概要や仕事内容、気象予報士になる方法、資格の取得方法なども、あわせてぜひ参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 天気予報解説者(気象予報士)の平均年収は、583万3,500円。勤務先や雇用形態によっても異なる。
  • 勤務先は気象会社、放送局、新聞社、一般企業、地方自治体、気象庁など、さまざまな場所で活躍できる。
  • フリーの人気気象予報士であれば、年収2,000万円程度に達するケースも。気象庁に勤めれば公務員として安定的な収入を得られる。

気象予報士の平均年収

天気予報解説者(気象予報士)の平均年収は、583万3,500円です。この583万3,500円という気象予報士の平均年収は、企業規模計10人以上、年齢43.3歳、勤続年齢11.8年のデータが元になっています。また、決まって支給する現金給料額38万1,900円、年間賞与その他特別給料額126万700円も加味した数値です。

この平均年収は、厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」内の、「他に分類されていない専門的職業」に記載されています。

気象予報士の年収は勤務先や雇用形態によって異なる

気象予報士の年収は勤務先や雇用形態によって異なるため、自身の働き方次第で年収が決まります。気象予報士の勤務先や雇用形態は、以下の表のとおりさまざまです。

勤務先の例
  • 公務員
  • 民間企業勤務
  • 事務所に所属(タレントのような契約)
雇用形態の例
  • 正社員
  • 契約社員
  • 派遣社員
  • アルバイト
  • フリー

勤務先の詳細としては、例えば気象庁や民間の気象庁、マスメディアなどがあげられます。「気象予報士になったら、最低でも〇〇万円は稼げる」といった表現は難しく、あくまで会社や雇用形態によって、どのくらい稼げるか決まってきます。

【業種別】気象予報士の平均年収

気象予報士の平均年収は、一般的に公務員と民間企業勤務は、同程度です。初任給が約18万〜22万円だった場合、実務経験のない新卒者や未経験者の平均年収は、250万円以下のケースもあるようです。

ただし、勤務年数や経験にともない、給料の上昇が期待できます。以下では、業種別に気象予報士の平均年収を解説します。

気象庁職員の場合

気象庁職員の年収は、「国家公務員・行政職俸給表(一)」に従って決まります。気象庁職員としての就職は狭き門です。しかし長い期間勤務するほど年収の上昇が期待できるため、高収入を目指すのであれば、魅力的な職場の1つと考えられます。

人事院給与局の「令和3年国家公務員給与等実態調査」によると、行政職俸給表(一)の平均年齢は43.0歳で、平均経験年数は21.0年、平均給料月額は40万7,153円です。単純に12か月分とすると488万5,836円と算出できます。

令和4年4月13日現在の一般職員のボーナスは、年間4.3月分が支給されるため、夏・冬のボーナスを加算すると、平均年収は約664万円とわかります。そのほか該当者には、地域手当や扶養手当、住居手当といった手当も別途支給されます。


フリーの気象予報士の場合

フリーの気象予報士のうち、一定のキャリアを重ねてから独立した場合や、人気があってテレビのレギュラー番組をもてた場合、年収1,000万円超えや、2,000万円程度に達するケースもあります。

ただし、フリーは会社勤務とは違い、給料が固定で支給されるわけではありません。自分の能力や人気次第で収入は変わります。企業に雇用されていた立場のときとは違い、収入が安定する保証はない点に注意が必要です。


お天気キャスターの場合

お天気キャスターは契約社員や派遣社員などでの募集が多く、人気やキャリアによって年収は変動します。例えば過去に、月給30万円という条件で、お天気キャスターのオーディションが実施されたこともあったようです。


民間の気象会社(予報業務許可事業者)の場合

予報業務を許可されている民間の気象会社に勤務する場合、年収は一般的な中小企業と同程度と考えられます。

一般企業の場合

一般企業で気象予報士として勤務する場合、勤務先の給料体系によって年収は変わります。資格手当や深夜手当が支給される会社もあります。

公務員の場合

気象庁以外の管轄で気象予報士として勤務する場合、年収は一般的な公務員の給料体系に準じます。

気象予報士とは

気象予報士とは気象観測データを分析し、予測する人です。別名「天気予報解説者」と呼ばれることもあります。気象予報士制度そのものは、平成6年に導入されました。気象予報士になるには、国家資格の取得が必要です。以下で、気象予報士とは何か、詳細を解説します。

気象予報士の仕事内容や働き方

気象予報士とは、気象庁から提出される気象データをもとに、高度で専門的な知識を使って天気や降水確率、気温、湿度などを分析し、予報する仕事です。天気に関連する予報は、気象庁以外では気象予報士だけに認められている業務です。

気象予報士は、長期的な予報や、地域・時間を絞っての予報など、ニーズに応じて独自の観点にもとづいた分析をし、予報を提供します。気象庁に勤務するだけでなく、資格を取得すれば、気象予報士としての能力を活かし、地域に貢献する働き方もできます。

気象予報士の活躍の場

気象予報士には、さまざまな場所で活躍できる需要があります。例えば以下のような場所で、気象予報士として活躍できるでしょう。

気象予報士の活躍の場
  • テレビやラジオなどに出演するお天気キャスター
  • 裏方として天気予報の原稿作成している気象予報士
  • 地方自治体で災害対策のために働く気象予報士
  • ビジネス活用のための気象予報を提供する気象予報士
  • 海上自衛隊や航空自衛隊で気象観測に携わる気象予報士 など

また、代表的な勤務先として以下があげられます。
気象予報士の主な勤務先
  • 気象会社(予報業務許可事業者)
  • 放送局
  • 新聞社
  • 一般企業
  • 地方自治体
  • 気象庁 など
ただし、お天気キャスターや気象庁の職員が、必ずしも気象予報士資格を取得しているわけではありません。お天気キャスターのうち、気象予報士の資格をもつ人は、自分で天気を予測して、天気を番組内で説明しています。


気象予報士になる方法

気象予報士になるには、一般財団法人気象業務支援センターが実施する、気象予報士試験(国家資格)に合格し、気象庁長官に登録申請することが必要です。令和4年8月25日現在、1万1,273名が気象予報士として、気象庁長官に登録されています。試験の受験層としては、大学や専門学校で気象学を学ぶ人や、気象予報士になるための講座を受講し、試験を受ける人が多い傾向にあります。

気象予報士の資格を職業として活かすには、気象予報士の資格を活かせる仕事に就く必要があります。

気象予報士の資格取得方法

気象予報士の試験を受験する際には、一般財団法人気象業務支援センターが配布する受験資料が必要です。ダウンロードや郵送など、受験資料は色々な方法で入手できます。公式ホームページ内で詳細を確認し、必ず試験ごとの最新資料を入手しましょう。

なお、2022年11月時点の試験概要は、以下の表のとおりです。

試験日程 年2回開催(例年は8月と翌年1月)
試験 学科試験と実技試験
受験資格 制限なし(何歳からでも受験可能)
出題形式
  • 学科試験はマークシート形式、実技試験は記述式
  • 学科試験・実技試験いずれも筆記試験
科目免除制度 条件によって科目免除制度あり
合格基準
  • 学科試験(予報業務に関する一般知識)→15問中11問以上正解
  • 学科試験(予報業務に関する専門知識)→15問中11問以上正解
  • 実技試験→総得点が満点の70%以上
試験手数料
  • 免除科目なしの方1万1,400円
  • 学科一科目が免除の方1万400円
  • 学科二科目が免除の方9,400円


合格基準は、難易度によって調整される場合があります。また合格率については、平成6年から令和元年8月試験までの統計資料によると、総受験者数21万5,274人のうち、総合格者数は1万1,877人となっており、合格率は5.5%でした。つまりこれは、約20人に1人が合格者ということです。


気象予報士は難易度の高い資格だが、目指しがいのある職業

前述した気象予報士試験の合格率からもわかるとおり、気象予報士は難易度の高い資格です。しかし、気象に関する興味や関心があれば、さまざまな場で資格を活用できる可能性を秘めています。

例えば、気象予報士の資格は、マーケティングの専門性を磨く技能としても、活用できます。気象と消費者行動には関係があるといわれており、マーケティングに従事している人が、気象の知見もプラスして消費者行動を分析できると、仕事の可能性がさらに広がるでしょう。

気象予報士の初任給は低めであっても、経験に応じて年収を上げることは可能です。また、気象に関する知識は仕事だけでなく、日常生活にも活かせます。

まとめ

気象予報士の年収は583万3,500円です。この金額はあくまで平均であり、勤務先や雇用形態などによって、年収は大きく変わります。気象予報士としての経験を積むことで、年収アップが期待できるでしょう。

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さらに、講義動画やWebテストを使えば、スキマ時間にスマートフォンやタブレットから、気軽に学習内容を復習できます。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

気象予報士試験の難易度は?

気象予報士試験は幅広く専門的な知識が必要なことから、難易度が高い試験です。合格率は5%前後で、合格には平均800~1,000時間程度の勉強時間が必要です。

気象予報士は独学で目指せる?

気象予報士試験は非常に難易度が高く、独学で試験に合格するのは困難ですが、理系の知識がすでに備わっている人や他の難関試験に独学で合格した経験がある人は独学で目指せる可能性もあります。

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気象予報士は天気の観測データに関する分析のスペシャリスト。様々な業界で知識が活かせる、生涯役立つ国家資格です。 テレビなどのメディアや民間の気象情報会社をはじめ、農漁業、観光・レジャー産業、通信産業、交通業など、活躍の場はたくさん! また、気象の知識は自分の旅行やレジャーなど、身の周りで活用できるのも大きなメリットです。 ユーキャンの「気象予報士」講座は、天気に関する基礎的な知識から応用問題までを、一からわかりやすく解説! 気象予報士の試験に必要となる、大気力学・熱力学・数値予報といった大学一般教養レベルの知識を、ムリなく学べます。 おすすめは雲や雨、風や気圧、台風など気象学の基礎を映像でわかりやすく解説したDVD。CG(コンピュータグラフィックス)で、身近な気象現象を立体的にとらえられるので、初心者でもスムーズに合格力を養成します。