• 更新日:2024/07/26

調剤薬局事務の資格は求人数が多く人気があります。しかし、資格を取っても未経験から仕事を始められるのか、心配になる人もいるでしょう。

この記事では、調剤薬局事務が未経験でもつとまるのか、仕事内容や魅力、そして大変さなどを解説します。これから調剤薬局事務関連の資格の取得を考えている人は、就職などを検討する際の参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 調剤薬局とは、病院で出された処方箋をもとに、薬剤師が調剤したお薬を患者さんに渡すことができる薬局のこと。
  • 調剤薬局で事務として働きたい場合、未経験からでも就業可能。ただし、資格があると就職に有利。
  • 調剤薬局事務の仕事内容は、受付・会計やデータ入力、調剤報酬明細書の作成など多岐にわたる。
  • 調剤薬局事務の魅力は、「薬に詳しくなれる」「全国どこでも働ける」「自分の都合の良い時間に働ける」など。

調剤薬局事務とは

調剤薬局事務とは、調剤薬局の窓口で患者様から処方箋をお預かりする受付や会計、保険の確認、レセプト(調剤報酬明細書)作成や薬剤師のサポートなどをする仕事です。医療事務と比べて、学習範囲が「薬剤」のことに限られるため、“手に職”系の仕事でありながら、専門知識がないはじめての方でも目指せるところが人気です。

また職場となる調剤薬局は日本全国にあります。自宅の近所に就職先を見つければ、通勤時間を短くできるため、家事や育児に忙しく、時間の制約がある方でも安心。正社員やパートなど、都合に合わせて柔軟に、働き方を選びやすいのも魅力です。

調剤薬局とは

調剤薬局とは、病院で出された処方箋をもとに、薬剤師が調剤したお薬を患者さんに渡すことができる薬局のことです。街中で「処方箋受付」「保険薬局」というのぼりや看板が出て着る薬局を目にしたことがあるのではないでしょうか。これら保険調剤を取り扱うことのできる薬局(保険薬局)が、一般的に「調剤薬局」と呼ばれます。一方で、保険調剤に対応しているかどうかを問わず、薬剤師が薬の調剤・情報提供・指導をおこなう場所を広く薬局と呼んでいます。

調剤薬局は分業形態によって「点分業」と「面分業」に分けられ、特定の医療機関からの処方箋を中心に応需する分業形態を点分業、医療機関を限定せずに広く処方箋を応需する分業形態が面分業と呼ばれます。いわゆるかかりつけ薬局は、面分業に分類されます。

保険調剤とは

保険調剤とは、保険医が保健医療を行うにあたって患者様に処方箋を交付し、その処方箋に基づき保険薬局において保険薬剤師が行う調剤のことです。患者さんは、保険薬局の窓口で一部負担金(原則3割)を支払い、残りの費用については、保険者から審査支払機関を通じ、保険薬局に支払われます。

調剤薬局と薬局の違い

薬局は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」の第2条で、薬剤師が次の業務お行う場所と定義されており、保険調剤に対応しているかどうかを問わず、薬剤師が薬の調剤・情報提供・指導をおこなう場所を広く薬局と呼んでいます。

・販売や授与を目的とした調剤業務
・医薬品の適性な使用に必要な情報の提供
・薬学的知見に基づく指導業務

一方で、調剤薬局は保険調剤を取り扱うことができる薬局を指します。

調剤薬局の分業形態について

調剤薬局は、分業形態によって「点分業」か「面分業」に分類できます。

「点分業」は特定の医療機関からの処方箋を中心に応需する分業形態のことで、処方箋を持ち込む患者さんにとっては医療機関を受診したあとすぐに薬を受け取れるため利便性が高く、薬局にとっては処方箋を応需する診療科が決まっていたほうが薬の在庫管理がしやすいというメリットがあります。

一方で、「面分業」は医療機関を限定せずに広く処方箋を応需する分業形態のことで、駅前や住宅街などにあり、周辺に暮らす患者さんが持参するさまざまな医療機関が交付した処方箋に応需しています。いわゆるかかりつけ薬局は、面分業に分類されます。

割合としては、点分業が全体の4分の3を占め、それ以外の面分業は残りの4分の1となっています。

調剤薬局事務の仕事内容とその流れ

調剤薬局事務では、幅広い業務を行います。ここでは、主な仕事内容を流れに沿って紹介します。

受付

薬局にいらした方の窓口となる調剤薬局事務。受付で患者さんと対面して処方箋を受け取り、保険証やお薬手帳を確認。薬剤師さんに処方箋をお渡しします。

データ入力

レセコン(レセプトコンピューター)に、処方箋に記された情報を入力します。最近は手入力が不要なシステムが使われることが多くなりましたが、誤入力を防ぐための注意は必要です。

会計

会計では薬代を請求します。金額はパソコンで算出されるので、誤入力さえなければ計算ミスの心配はありませんが、患者とのお金のやりとりでは注意が必要です。

調剤報酬請求

処方箋の内容から調剤報酬点数を算出・集計し、調剤報酬明細書(レセプト)を作成します。このレセプトをもとに、保険者(市区町村や健康保険組合等)に調剤報酬を請求します。レセプトの作成をする際には専門知識が必要です。

医薬品の発注・検品

稀に発生する業務として、医薬品の発注・検品があります。薬剤師の指示を受け、その日に消費した医薬品を発注する業務で、パソコンを使います。医薬品が届いたら、注文どおりの内容であるか検品を行い、棚や倉庫に収納します。1日に何度も配送されてくる場合は、その都度、対応が必要です。

調剤薬局事務の仕事は未経験でも大丈夫

調剤薬局事務の仕事を行うにあたって必要な国家資格はありません。求人に応募して採用されれば、未経験からでも就業が可能です。ただし、調剤薬局事務には民間の資格があり、取得しておくと就職活動の際、採用されやすいなどのメリットがあります。

医療事務との違い

医療事務も調剤薬局事務と同様に、受付や診療報酬明細書(レセプト)の作成などを行いますが、医療事務では広範な医療処置と診療報酬に関する知識が必要です。調剤薬局事務の場合は、医療保険に関する知識、調剤報酬に関する知識が必要となります。医療事務の主な勤務先は病院やクリニックで、調剤薬局事務は調剤薬局です。

調剤薬局事務として働くためには資格取得がおすすめ

未経験者が調剤薬局事務として働くためのポイントは、関係する資格を取得することです。ここでは、資格の種類と取得方法を紹介します。

調剤薬局事務関連の資格の種類

調剤薬局事務は、未経験でも採用されますが、資格や知識があると働きやすいです。調剤薬局事務の資格はいずれも民間の資格で、よく似た名前の資格であるため、どの資格を取るかを検討する際は注意しましょう。特定の講座と試験がセットになっているものもあります。

ここでは、調剤薬局事務関連の主な資格を5つ紹介します。


調剤薬局事務検定試験

受験資格に制限はなく、年12回試験が実施されます。検定試験は毎月実施され、自宅にいながら受けることが可能で、合格率は非公開です。

ユーキャンでは、調剤薬局事務検定試験の試験対策ができる「調剤薬局事務講座」を開講しています。イラストや図を使ったわかりやすいテキストを使い、1日30分の勉強時間で合格を目指せます。


医療保険調剤報酬事務士

医療保険調剤報酬事務士の資格を取得するには、医療保険学院が開設している講座を受講し、中間テストに3回合格する必要があります。試験は毎月実施されています。合格率は非公開です。


調剤報酬請求事務技能認定

調剤報酬請求事務技能認定の資格を取得するためには、日本医療教育財団のカリキュラムを受講して技能を習得した上で、修了試験に合格する必要があります。合格率は非公開です。


調剤報酬請求事務専門士

調剤報酬請求事務専門士は、調剤事務の資格の中では最も難しいといわれています。受験資格に制限はなく、年に2回試験が実施されます。更新制度が設けられており、有資格者は2年に1度の更新が必要です。合格率は1級20%、2級40%程度、通信2級30%~40%、通信3級50%~60%です。


調剤事務実務士(R)

調剤事務実務士(R)の資格試験は、年2回実施されており、受験資格に制限はありません。合格率は約61%で、教育指定校での受験もしくは団体受験が必要になります。

調剤薬局事務関連の資格を取得する方法

調剤薬局事務の資格試験には、特定の講座の受講がセットになっているものがあります。講座受講が不要な資格としては、「調剤事務管理士(R)」「調剤事務実務士(R)」「調剤報酬請求事務専門士」などがあります。独学でも取得できますが、短期で合格を目指すなら、通信講座を受講することをおすすめします。以下では、独学と通信講座、それぞれの勉強方法を紹介します。


独学の場合の勉強方法

独学の場合、まず適切な参考書を選び、読み込むことから始めましょう。初学者の場合は、最初に専門用語などを理解しておくことが必要だからです。ある程度理解できたら、過去問題集を活用し、多くの問題を解き、出題傾向を把握しましょう。

ある程度勉強が進んだら、直前模試などを受け、実際の試験における解答の時間配分などを身につけるといいでしょう。


通信講座を利用した場合の勉強方法

通信講座のテキストは図解やイラストが豊富で、初学者にも理解しやすい作りになっています。薬の価格を示す調剤薬局報酬の改定など、業界の制度の変更点にもきちんと対応し、最新の情報が掲載されています。通学の必要がなく、自宅などで自分のペースに合わせて勉強ができます。参考書やテキストを自分で選ぶ必要がなく、添削指導などによるアドバイスもあるので安心です。

調剤薬局事務の魅力

他の仕事にはあまり見られない調剤薬局事務の魅力を紹介します。

薬に詳しくなれる

調剤薬局で仕事をしていると、患者に対する薬の説明を聞く機会が多いです。自分や家族などが使用していたものを含め、薬の知識が身につきます。それぞれの薬における調剤報酬点数も自然と認識でき、薬の価格も分かるようになります。

患者との会話を楽しめる

調剤薬局には、長期通院している患者も来ます。顔なじみになれば、病気に関すること以外の会話も弾みます。仕事を通じて患者の笑顔が見られることは、何物にも代えがたい魅力と言えます。

全国どこでも働ける

病院や調剤薬局は生活に欠かせない医療機関であり、どの街にも存在しているため、全国どこでも働けるという魅力があります。仕事の進め方に大きな違いはないため、仕事内容を覚えてしまえば、勤務先が変わっても同じように働けます。

自分の都合の良い時間に働ける

調剤薬局事務は正社員だけではなく、派遣社員やパートなど、さまざまな雇用形態で働けます。フルタイムで働くのが難しければ、午前中のみ、週3日などのシフト勤務も選べます。自分のライフスタイルに合わせて働けるのが魅力です。

調剤薬局事務の大変な点

調剤薬局事務の大変な点を紹介します。

求人が医療事務より少ない

病院やクリニックと比較すると、調剤薬局の数は多くなく、求人数は医療事務より少ないです。しかし、調剤薬局事務はライフスタイルに合わせて働く人が多く、人の入れ替わりも少なくないので、うまくタイミングが合えば雇用の機会はあります。

患者へのデリケートな対応が必要

調剤薬局にやってくる患者は、体調が悪く、不機嫌なことも多いです。長時間待たせないように素早い対応を行うことが重要です。病気によっては患者へのデリケートな対応が求められることもあります。

調剤薬局事務に向いている人

調剤薬局事務の仕事を目指す場合、調剤報酬や保険などの専門知識を身につけることばかり重視しがちですが、知識があるだけではこの仕事に向いているとはいえません。調剤薬局事務として活躍するには、ほかにも必要な能力があります。
まずはパソコンを使用する機会が多いため、「コンピュータースキル」が求められます。ただし入力作業が基本となるため、WordやExcelが使えるレベルであれば問題ありません。それだけではなく、患者さんや薬局内のスタッフなど人と接する機会が多いため、「コミュニケーション能力」や「清潔感」も大切です。
また患者さんへの会計業務やレセプト業務など、間違えてはいけない細かい作業が中心になるため、責任をもって丁寧に仕事に取り組むことができる人が好まれます。

まとめ

調剤薬局事務の仕事は未経験でも充分に対応できます。受付から会計など、直接患者と対応することもあり、コミュニケーションが得意な方には非常に向いています。データ入力やレセプトの作成を行う必要もあるため、パソコンのスキルがあるといいです。

様々な雇用形態で働けるため、家事との両立がしやすく、自分のライフプランに合った働き方ができるなど、多くのメリットや魅力があります。

資格不要で勤められる調剤薬局事務ですが、調剤薬局事務の資格を持っていれば雇用されやすいのでおすすめです。ユーキャンの調剤薬局事務講座は、イラスト付きの解説で理解しやすくなっています。1日の勉強時間は30分程度で、充実したサポートも受けられます。調剤薬局事務の仕事を検討している場合は、講座の受講もぜひ検討してみましょう。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

調剤薬局事務の給料はどのくらい?

調剤薬局事務の平均年収は大体270~320万円です。ただし、資格の有無や雇用形態、勤務先の薬局によっても給料の水準が異なります。

調剤薬局事務として働くのに資格は必要?

調剤薬局事務の仕事は特別な資格がなくてもできますが、高い倍率を突破して採用してもらうには、関連する資格を取得しておくことが重要です。たとえ未経験でも、資格を取得することで熱意を伝えられ、ほかの応募者との差別化を図ることができます。

調剤薬局事務の仕事に向いているはどんな人?

パソコンを使用する機会が多いため「コンピュータースキルやレセプト作成の実務能力」は重要です。それだけでなく、お客様と接する機会も多いため「明るい人柄とコミュニケーション能力」も大切です。

調剤薬局事務は独学で合格できる? 

調剤薬局事務の資格には、独学での取得を目指しやすいものもあれば、独学では取得できないものもあります。いくつかの資格では難易度以前に、特定の講座を受けることが条件となっている点で、独学での合格が不可能といえます。

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調剤薬局で保険証の確認や調剤報酬明細書(レセプト)の作成を行う調剤薬局事務。窓口での接客、会計など事務仕事全般も行います。
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