• 更新日:2023/06/14

色彩検定の受検を検討している場合、難易度や合格までに必要な勉強量を知りたいと思う方も多いでしょう。この記事では、色彩検定合格を目指している方向けに、色彩検定の詳細について掘り下げ、色彩検定の難易度や級別の合格率、試験内容、必要な勉強時間、おすすめの勉強方法などをわかりやすく解説しています。参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 色彩検定の3級は初めて色について学ぶ人向け、2級は資格を実務に活かしたい人向けの受検ランク、1級はプロ向け、UC級は色のユニバーサルデザインに関連する資格。
  • 色彩検定の合格率はおおよそ、1級50%、2級75%、3級75%、UC級90%程度。
  • 勉強時間は、3級は1か月程度、2級は2か月程度、1級は1日2時間の勉強を2~3か月程度、UC級は、3週間から1か月程度が目安。

色彩検定の難易度は級によって異なる

色彩検定は、級によって難易度が異なりますが、近年は合格率が向上し、難易度は軟化傾向にあると考えられます。色彩検定では1級がもっとも難易度が高く、2級、3級、UC級に関しては、1級ほどは難しくありません。なかでも3級は色彩学習の初心者向けです。

2級は3級の知識に加えて、実務部分が試験範囲となります。一方、UC級は近年新設された「色のユニバーサルデザイン」についての知識を問われる級で、難易度は比較的低いです。ただし試験の難易度は実施年によっても異なるため、一概には言えません。

【各級別】色彩検定の難易度と試験概要

それでは、色彩検定の難易度、試験時間や試験方法、試験内容などについて各級別に解説します。

各級とも学習範囲は比較的広めで、勉強量が多いのでは?と不安に思う方もいるでしょう。しかし色彩検定の公式サイトには、出題される科目や勉強が必要な内容が記載されているため、記載の内容に沿って勉強することでカバーできます。また色彩検定各級の試験問題は、公式テキストの内容に沿って出題されます。

色彩検定3級

色彩検定3級は、初めて色について学ぶ人向けの資格です。色彩の基本理論を身につけることを目的としており、2級の基礎になる部分でもあります。3級は受検者の7割以上が合格する、難易度の高くない試験です。

3級では色のはたらき、光と色、色の表示、色彩心理、色彩調和、配色イメージ、インテリア、ファッション、慣用色名などに関する問題が出題されます。これらの項目は、2級以上で出てくることもありますが、あくまでも基礎的な部分は3級の内容に含まれています。また全ての項目からの出題が予想されるため、まんべんなく勉強することが必要です。

3級の内容は実務レベルではありませんが、色彩に関する基本的な知識を生活に活かすことができます。試験時間は60分、試験方法はマークシート方式です。色彩検定3級は、高校生や小中学生も受検している資格試験ですから、ぜひ受検を検討してみましょう。

色彩検定2級

色彩検定2級は、3級の基本的知識からレベルアップした、応用編といえる内容です。したがって、はじめから2級を受ける場合、3級の勉強も必要となることに注意しましょう。色彩検定2級は、資格を実務に活かしたい人向けの受検ランクです。

色のユニバーサルデザイン、光と色、色の表示、色彩心理、色彩調和、配色イメージ、インテリア、ファッション、ビジュアル、慣用色名、景観色彩などに関する問題が出題されます。このなかの多くは3級の内容と重複していますが、2級ではこれらの知識を実務でも使えるよう、内容がさらに深められます。

またメディア・景観・照明に関する色彩知識にまで範囲が及ぶため、幅広い知識を身につけられるでしょう。2級の合格率は3級と同程度で、決して難易度は高くありません。試験時間は70分、試験方法はマークシート方式(一部記述式)です。

色彩検定1級

色彩検定1級は、プロ向けの資格です。2級・3級の内容に加え、色彩に関する幅広い知識を十分に備えていなければならないところに難しさがあります。色彩検定1級の合格率は、2級・3級と比べるとぐんと下がるため、やや難易度が高くなっています。

その分、より高度な色彩に関する知識を仕事にも活かせるようになるでしょう。また難易度は高くなりますが、1級に合格すると、同じく公益社団法人色彩検定協会(A・F・T)が主催している「色彩講師養成講座」へ進むことが可能になり、色彩関連の講師の道も開けるのがメリットです。

1級では、2級および3級の内容、さらに色彩と文化、色彩調和論、色彩心理、光と色、色の表示、測色、景観色彩、色彩とビジネス、ファッションなどに関する問題が出題されます。試験時間は1次試験が80分、2次試験は90分となります。また試験方法は、1次試験がマークシート方式、2次試験は記述式で、一部に実技試験を含みます。

色彩検定UC級

色彩検定UC級は、UC、すなわち色のユニバーサルデザインに関連する資格です。色覚の多様性に即し、配色における注意点や改善方法など、誰にでも見やすい色彩に関する知識を学びます。UC級は、一般の社会人や、公共・福祉・設計の仕事に携わる人向けに設定されました。

特定の色の組み合わせを「判別しにくい」と感じる人は、日本にも300万人以上いるといわれており、こうした症状は加齢によっても起こり得ます。色覚に関する特性への理解と配慮を目的とし、UC級では色のユニバーサルデザイン、色のUDの進め方、色の表し方、色が見えるしくみ、色覚のタイプによる色の見え方、高齢者の見え方などに関する問題が出題されます。

福祉を仕事にしている人だけではなく、身近に高齢者がいる、顧客が見やすい売り場をデザインする、といった人にも役立ちます。UC級の合格率は高く、難易度は低いといえます。試験時間は60分、試験方法はマークシート方式(一部記述式)となっています。

【各級別】色彩検定の合格ライン・合格率

公益社団法人色彩検定協会によると、色彩検定の合格ラインは全ての級において、基本的に満点の70%前後となります。問題の難易度によって多少の変動が起こる可能性があるため、あくまでも目安と考えておくといいでしょう。

なお、公式サイトで発表されている2021年度の合格率と志願者数は、1級52.7%(志願者2,302人)、2級77.9%(志願者18,886人)、3級76.8%(志願者33,278人)、UC級89.7%(志願者4,901人)となっています。

色彩検定のおすすめの勉強方法

多くの検定試験と同じように、色彩検定を受検する際も最初に勉強の計画を立てる必要があります。また、色彩検定の試験範囲や出題内容も、前提として把握しておきましょう。公益社団法人色彩検定協会のホームページによれば、試験問題は公式テキストの内容に沿って出題され、一つの分野から多く出題されるということはない、とされています。

したがって、受検の際には公式テキストでまんべんなく勉強することが大切です。また、試験では慣用色の問題が出題されるため、色や名称を暗記しておく必要もあります。微妙な色の違いの把握には時間がかかるかもしれませんが、重要度の高い勉強となるでしょう。

以下で、主な勉強方法について解説します。自分にあった勉強方法を見つけてください。

独学

各級の公式テキストや過去問題集などの教材を入手し、独学で勉強する方法です。なお、これらは書店などで手に入ります。

とりわけ、色彩検定は公式テキストの内容に沿って出題されるため、公式テキストの内容を重点的に勉強し、しっかりと理解することが重要になるでしょう。公式テキストだけでわかりにくい場合は、市販のテキストや問題集も活用する必要があります。

スクール

色彩検定の出題範囲について、スクールに通って勉強する方法もあります。この場合、スクールによってカリキュラム、費用が異なります。いくつかのスクールについてスケジュールや料金を調べ、自分にあったところを選ばなくてはなりません。

通信教育

通信講座に申込み、勉強する方法もあります。講座によってカリキュラム、費用が異なるため、これも自分にあった講座を見つける必要があるでしょう。ただ、通信講座はスクールと違い、自宅で自分のペースでカリキュラムをこなせるため、勉強のスケジュール管理やモチベーション維持に役立つといった観点からおすすめです。

色彩検定合格に必要な勉強時間

色彩検定合格に必要な勉強時間には個人差があります。とりわけ、どのくらいの期間、勉強すれば合格するかといったことについては、人によって勉強に割ける時間も異なるため差が大きいといえるでしょう。一例として、いくつかのケースを紹介します。

  • 3級の場合、公式テキストを活用し集中して取り組むことで、1か月程度で合格できるケースも多々あります。
  • 2級では、3級の基礎知識が身についているという前提で、2か月程度の勉強期間を設定しておくといいでしょう。この場合は公式テキスト2級・3級編を重点的に使うのがおすすめです。
  • 1級の場合、1日2時間の勉強を2~3か月程度、合計150時間以上の勉強時間が目安です。過去問なども解きつつ、公式テキストも活用しましょう。
  • UC級の場合は、公式テキストに沿って3週間から1か月程度が目安となります。

色彩検定の取得を独学で目指す際の注意点

色彩検定を独学で取得する場合は、試験の内容をきちんと研究したうえで、スケジュールを立て、それに沿って勉強を実行することが重要です。到達したいレベルや取得の目的をはっきりとさせ、さらに知識レベルを考慮して、受検する級を設定しましょう。

具体的な勉強は、公式テキストや過去問題集に沿っておこなうのがベターです。試験に備えて、マークシート形式に慣れておくこともおすすめします。また2級以上では、一部記述式が含まれるため、過去問などを使った記述問題の練習も必要です。いずれの級を受検する場合も、基礎的な部分をしっかりと学習することを念頭に置いて対策しましょう。

色彩に関するその他の資格試験

色彩に関連する資格試験は、色彩検定のほかにも「カラーコーディネーター検定試験(R)」(アドバンスクラス、スタンダードクラス)や、「パーソナルカラリスト検定」「ファッション色彩能力検定」「色彩士検定(カラーマスター)」などがあります。混同しがちですが、全て主催団体が異なり、それぞれ別の検定試験です。

そもそも色彩検定とは

色彩検定は、文部科学省後援の公的資格で、色に関する知識・技能を問う検定試験です。正式名称は「文部科学省後援 色彩検定」といいます。色彩検定を主催しているのは、公益社団法人色彩検定協会(A・F・T)という団体です。

色彩に関連する知識のレベルや内容によって、3級、2級、1級、UC(色のユニバーサルデザイン)級に分かれています。人の行動は色の影響を少なからず受けているものです。色について勉強することで生活や仕事のさまざまな場面で役立つことも多く、中学生から大人まで、幅広い年齢層の人が色彩検定を受検しています。

色彩検定の人気が高い理由

さまざまな仕事に活かせる

色彩検定はさまざまな仕事に活かせる資格で、特に1級を取得することで、色彩の知識を実務に活かせる実力をアピールできます。2級取得では仕事の現場で役立つ知識が得られますし、3級取得では日常や普段の仕事に色彩の知識を活かせるでしょう。

上級の色彩検定では、ファッション、インテリア、グラフィックデザイナー、出版・広告、建築業界などさまざまな業界で役立つ知識が身につきます。転職や就職活動、独立時にも役立つことから人気を博している資格です。

一方UC級は、デザインその他の仕事に活用できるほか、視覚機能の低下した高齢者や障がい者に対して配色への配慮が必要な際にも役立ちます。こうしたメリットがあるため、色彩検定はこれから就職する学生だけでなく、一般の社会人にも人気の資格です。

独学でも合格できる

色彩検定は独学でも合格できる資格です。資格は取得に時間やお金がかかるものが多いですが、そのなかでも比較的、時間やお金をかけずにスキルアップできることが人気の理由の一つになっています。

まとめ

色彩検定はいくつかある色彩関係の検定試験のなかでも、独学でも取得できる可能性のある、人気の高い資格です。色を活かして仕事をしたいと考えているなら、ぜひ取得を目指してみましょう。色彩関係の資格を取り、仕事に活かしたり、自分で色彩に関係する仕事を始めたりするなら、ユーキャンのカラーコーディネート講座をあわせて受講すると効果的です。

カラーコーディネート講座では色彩に関する知識を、標準6ヵ月で学習することができ、日本カラリスト協会が主催するパーソナルカラリスト検定2・3級を同時に目指すことも可能です。講座で得た知識は仕事にもプライベートにも、色彩検定の受検知識にも活かせます。

色彩検定の取得を目指すなら、ユーキャンのカラーコーディネート講座でさらにワンランク上の実力を磨いてみましょう。詳しくは下のリンクから、講座の詳細をご確認ください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

色彩検定に、受験資格はある?

色彩検定には、受検資格はありません。そのため、誰でも受検することができます!

色彩検定の検定料は?

検定料は、級によって異なり、6,000円~15,000円。

色に関わる資格は何がある?

色に関する検定は、色彩検定、カラーコーディネーター検定試験、パーソナルカラリスト検定、色彩士検定と様々あり、それぞれで強みや特色、身につく知識が異なります。

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色彩に関する基本的なノウハウをしっかりと習得できるので、ファッションや化粧品、ヘアメイクやブライダル業界はもちろん、広告・宣伝、出版、デザイン関係と、活躍の場はたくさん! また、インテリアや服装のコーディネートスキルも学べるので、日常生活でも効果を発揮できます。
ユーキャンの「カラーコーディネート」講座のメインテキストは、オールカラー! 他にも、カラーカードを切り貼りしながら配色のイメージが覚えられる「ワークブック」など、副教材も充実しています。受講生に人気の「パーソナルカラー診断」を受ければ、自分にぴったり似合う色がわかるので、普段の服装のコーディネートやメイクに活かせるのも魅力! 楽しみながらセンスが磨けます。
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