• 更新日:2024/03/15

インテリアコーディネーターとは、公益社団法人インテリア産業協会が認定している民間資格です。資格を取得すれば、インテリアの計画や商品の選び方について、適切なアドバイスができるようになり、快適な住空間の提供を実現できます。

この記事では、インテリアコーディネーターの資格概要とともに、試験の内容、出題範囲、学習のポイントなどを解説します。資格取得のメリットについても解説するため、ぜひ参考にしてください。

インテリアコーディネーターの資格とは

インテリアコーディネーターの資格とは、公益社団法人インテリア産業協会によって認定されている、民間のインテリアに関する資格です。クライアントの希望を聞いてインテリアの計画や商品の選定について助言し、イメージに合う快適な空間を作る役割を果たせます。

資格取得は、インテリアコーディネーターとして必要な知識やスキルを身につけた証となります。有資格者であることで、クライアントからの信頼度も増すでしょう。

インテリアコーディネーターの試験日

インテリアコーディネーターの試験は、例年9月中旬~10月中旬頃に実施されています。2023年度以降からこの日程で試験が開催されています。2022年度までは10月の第2日曜に試験日が固定されていました。最新の試験日については、公益社団法人インテリア産業協会の公式サイトで確認しましょう。

インテリアコーディネーター資格試験の申込み方法

インテリアコーディネーターの資格試験の申込みは、インターネットまたは郵送です。インターネットの場合、公益社団法人インテリア産業協会の公式ホームページにアクセスのうえ、所定の情報を入力すると申し込めます。

郵送の場合、まずは受験申込書の請求が必要です。インテリアコーディネーター資格試験運営事務局に電話やメールで連絡しましょう。受験申込書に必要事項を記入したら、郵便局で受験料を支払ったうえで書類を郵送します。

インテリアコーディネーター資格試験の受験区分

インテリアコーディネーター資格試験の受験区分は、基本タイプ、一次試験(先取り)タイプ、二次試験(一次試験免除)タイプに分かれています。

基本タイプは、一次試験を受験したうえで二次試験を受験できます。受験料は14,850円(税込)です。一次試験(先取り)タイプは一次試験のみ受験でき、受験料は11,550円(税込)となっています。二次試験(一次試験免除)タイプは二次試験のみ受験でき、受験料は11,550円(税込)です。

インテリアコーディネーター資格試験の概要

インテリアコーディネーター資格試験の概要は以下のとおりです。

  • 2023年から試験内容が一新された
  • 2023年以降、試験はCBT方式によりテストセンターで実施
  • 試験の合格率は25%前後

2023年度の試験概要

2023年から、インテリアコーディネーター資格試験の内容が一新されています。新しい試験内容は、以下のとおりです。

項目 詳細
試験方式 CBT方式
試験日程 9月中旬~10月中旬の希望日
試験会場 全国のテストセンター
試験時間 120分
出題数 36問

2022年度からの主な変更点

従来、一次試験は筆記式(マークシート)でしたが、20223年以降はCBT(Computer Based Testing)方式に変更されています。CBT方式とは、テストセンターに設置されているパソコンで試験問題に解答する方式です。試験方式の変更に伴い、試験日程、会場、時間、出題数なども変更されました。

インテリアコーディネーター資格試験の受験資格

インテリアコーディネーター資格試験の一次試験については、受験条件が特に定められていません。そのため、学歴や経歴を問わず誰でも受験できます。一方、二次試験に関しては、過去3年以内の一次試験の合格が条件となっています。過去に一次試験に合格していても、3年以上経過していれば二次試験を受験できません。

インテリアコーディネーター試験の合格率

インテリアコーディネーター試験の合格率は、25%前後となっています。合格率が低い理由としては、特に受験資格が定められていない点があげられます。業界未経験で知識が少ない人や、勤め先で資格取得を打診され、強制的に受験した人なども少なからずいるためと考えられます。過去5年間の受検者数と合格率は、以下のとおりです。

年度 受検者数(名) 合格率(%)
2018 8,966 23.8
2019 7,561 25.1
2020 8,468 24.1
2021 9,935 23.5
2022 8,943 24.5

インテリアコーディネーター試験の出題範囲

インテリアコーディネーター試験は一次試験と二次試験に分かれています。それぞれの出題範囲は以下のとおりです。

  • 一次試験:インテリアコーディネーターやインテリアに関する9科目(CBT方式)
  • 二次試験:論文とプレゼンテーション

一次試験の出題範囲

インテリアコーディネーター試験の一次試験の出題科目は、以下の9つです。

  • インテリアコーディネーターの誕生・背景
  • インテリアコーディネーターの仕事
  • インテリアの歴史
  • インテリアコーディネーションの計画
  • インテリアエレメント・関連エレメント
  • インテリアの構造・構法・仕上げ
  • 環境と設備
  • インテリアコーディネーションの表現
  • インテリア関連の法規、規格、制度r


二次試験の出題範囲

インテリアコーディネーター試験の二次試験は、筆記方式です。内容は、論文とプレゼンテーションです。二次試験では、実務に直結する知識やスキルを問われます。合格するには、顧客の希望や予算をヒアリングしたうえで、希望に合うインテリアを提案できなければなりません。

インテリアコーディネーター試験の学習ポイント

インテリアコーディネーター試験は合格率が低いとはいえ、きちんと対策しておくことで合格の可能性が高まります。そこで、以下の学習ポイントを押さえておきましょう。

  • 一次試験: 9科目それぞれの特徴を把握し、演習問題を交えて理解を深める
  • 二次試験:作図やインテリアコーディネーターとしての意見の記述をできるようにしておく

一次試験

ここでは、一次試験の学習のポイントについて解説します。


1.インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること

一次試験では、インテリアコーディネーターの資格が作られた理由や背景について出題されます。当時の時代背景と住宅事情を理解し、インテリアコーディネーターの需要が高まった理由を押さえましょう。


2.インテリアコーディネーターの仕事に関すること

インテリアコーディネーターの業務内容、仕事の流れについて出題されます。インテリアコーディネーターの役割を理解したうえで、タイミングや立場ごとに業務を理解しておきましょう。インテリアコーディネーター側からだけでなく、クライアント側からの視点も意識すると、理解を深めやすくなります。


3.インテリアの歴史に関すること

日本と西洋のインテリアの歴史についてそれぞれ出題されます。日本の歴史については平安時代から現代まで、西洋ついては古代から現代までが主な出題範囲です。画像や用語を押さえながらインテリアの様式の流れを理解する必要があります。ただし、出題数は多くないため、ポイントを絞って学習しましょう。


4.インテリアコーディネーションの計画に関すること

人の体の寸法や動作範囲に合わせたインテリアの選び方について出題されます。人の身長に対する座高の割合や、イスに座って使いやすいテーブルの高さなど、具体的な数値を問われる問題が多いです。実際に身の回りのインテリアの高さを意識しながら学習すると、正確な数値を覚えやすくなります。


5.インテリアエレメント・関連エレメントに関すること

家具の寸法や素材の種類などについて出題されます。テーブル、イス、カーテン、カーペットなどのインテリアの寸法や素材の種類などが対象となっており、内容が幅広いです。そのため、出題されやすい用語や内容を事前に押さえると、より効率的に学習を進められます。


6.インテリアの構造・構法と仕上げに関すること

建物全体の構造や天井などの構造、素材、吸音材・防火材などについて出題されます。木材の種類や防水材料など細かい項目についても扱われているため、覚えるべき内容が豊富です。必要に応じて画像や動画を確認し、構造や工法を具体的なイメージで理解しましょう。


7.環境と設備に関すること

建物の内部における熱・光・音の伝わり方について、環境工学の視点から出題されます。具体的には、照明、換気、冷暖房、給水などの仕組みについて学習する必要があります。物理の科目に含まれる専門的な内容もあるため、人によっては苦手意識をもちやすいかもしれません。演習問題を積極的に解いて慣れましょう。


8.インテリアコーディネーションの表現に関すること

図面について出題されます。建物の平面図・断面図とともに、家具を構成する詳細な図面について問われます。図面の見方だけでなく、描き方や作図に用いるソフトなどについても理解しておくことが大切です。毎回異なる内容が出題されており、攻略が難しい分野です。


9.インテリア関連の法規、規格、制度に関すること

インテリア、建築、リフォームに関する法律や制度について出題されます。具体的には、建築基準法やバリアフリー法などが対象です。法規や規格などは暗記しにくいだけでなく、単に暗記しても問題の答えを導き出せない可能性があります。演習問題を解いて内容を理解しながら覚えると、効率的に学習できます。

二次試験

180分の制限時間が設けられており、時間内にプレゼンテーションや論文の執筆を行います。プレゼンテーションでは、鉛筆を用いて平面図を作図するだけでなく、パースやアイソメ図の作成が必要な場合もあります。論文は、提示された課題に対して、インテリアコーディネーターとしての考えを記述する内容です。

インテリアコーディネーター資格を取得するメリット

インテリアコーディネーターの資格を取得すると、知識を得られるだけでなく、仕事の面でも大きなメリットを得られます。

  • インテリアについて正しい知識を身につけられる
  • インテリアに関する知識やスキルを自分や家族のために活用できる
  • クライアントからの信頼度が高まる
  • 役職が上がったり給料がアップしたりする可能性がある

インテリアに関する知識を習得できる

インテリアコーディネーターの資格取得を目指して学習することで、インテリアに関する知識を体系的に身につけられます。寸法や素材の種類など直接インテリアに関わる内容だけではなく、法律や規則などより、専門的な知識や実務に役立つスキルも得られます。そのため、インテリアコーディネーターとしての活躍につながるでしょう。

インテリアの知識を私生活で活用できる

インテリアは生活に根差しているため、資格を取得すると私生活でも知識やスキルを活用できます。たとえインテリアに関わる仕事をしていない場合でも、自分や家族のために知識を活かすことが可能です。出題範囲には建築に関する内容も含まれているため、たとえば自分の家を建てる際にも知識を役立てられます。

顧客や取引先からの信用を得やすい

インテリアコーディネーターは、資格がなくても名乗れば業務をこなせます。しかし、資格を取得して提示すれば、インテリアコーディネーターとしての能力を客観的に証明できます。クライアントからの信頼もさらに増す可能性が高いです。正しい知識やスキルを身につけたうえでアドバイスできるため、発言にも説得力が出るでしょう。

キャリアアップや収入の増加につながる可能性がある

インテリアに関連する業界の企業に勤務している人は、インテリアコーディネーターの資格を取得すると有利になる可能性があります。たとえば、社内での役職が上がってキャリアアップにつながるケースもあります。また、資格取得に対して手当を設けている企業もあるため、給料アップも期待できるでしょう。

まとめ

インテリアコーディネーターの資格を取得すれば、インテリアに関する幅広い知識やスキルを身につけられます。インテリアについて正しい知識のもとで、説得力のある提案ができるようになるでしょう。

ユーキャンの「インテリアコーディネーター講座」では、学習スケジュールの管理により、初心者でもスムーズに資格取得を目指せます。添削指導やミニテストなどがあり、学習のサポートも充実しています。CBT方式の試験の無料体験プログラムもあるため、本番の練習も可能です。インテリアコーディネーターの資格を取得するために、ぜひ受講をご検討ください。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

インテリアコーディネーターはどんな人が向いていますか?

顧客とのコミュニケーション力とセンスが必要な仕事です。お客様の要望をイメージを形にしていくために、顧客の要望を聞き出すヒアリング力と発想力が求められます。物事に対し、柔軟に対応できる方も向いています。

インテリアコーディネーターは難しいですか?

インテリアコーディネーターの試験には、一次試験と二次試験があり、一次試験の合格率は、例年30%前後です。二次試験までの合格率は22~23%で推移しています。比較的、難易度は高いですが、持っていると重宝される資格です。

独学でのインテリアコーディネーター試験の勉強法とは?

インテリアコーディネーター試験の独学の進め方は、まず勉強計画を立て、参考書・問題集を選びます。一次試験の対策はひたすら暗記です。二次試験対策は図面を速く描く練習と、過去問題を徹底的に解き、限られた時間内で図面・論文を完成させられるようにしておくことで、合格に近づくことができます。

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仕事にプライベートに活かせる人気の資格

インテリアコーディネーターとは、暮らしやすい住空間を創造する「住まいのスペシャリスト」です。不動産、家具やインテリア関係の仕事で働きたい方はもちろん、設計事務所、デザイン業界など、幅広い分野で知識やスキルを活かすことができます。また、有資格者は専門知識のある即戦力と見なされるため、就職・転職の際には大きな武器になる資格です。アイディアや生活感覚を生かせる仕事なので、女性も活躍しやすく、結婚・出産・子育て後の再就職にも役立つ資格です。さらに、学ぶ知識は実用的なものが多いため、お部屋の模様替えや自宅の新築・リフォームなど、実生活にも活かせます。

ユーキャンの「インテリアコーディネーター」講座では、過去の試験問題を徹底的に分析し、ポイントを絞って構成されたテキストを使用。二次試験の論文についても合否のポイントをやさしく指導します。さらに、講義映像を併用することで、文字だけではわかりづらい知識も習得でき、試験突破力により磨きをかけられます。