• 更新日:2023/07/03

この記事では、これから社会福祉士国家試験に向けて受験対策を始めようとしている人向けに、試験の合格率や難易度、合格ポイントなどを紹介していきます。過去10年間の合格率の推移や、他の資格と比較しどの程度の難易度なのか解説しますので、ぜひ、受験対策の参考にしてください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • 社会福祉士試験の合格基準点は、総得点の約60%、150点中90点。
  • 社会福祉士国家試験の合格率は、福祉系国家資格の中で最も低い30%ほどであり、試験の難易度は高い。
  • 社会福祉士試験に合格するためは、法改正にそなえること、時間配分を考慮して問題を解く、効果的な受験対策講座を選ぶこと、の3つポイントが大事。

社会福祉士国家試験とは?

社会福祉士国家試験に合格するためには、試験の全貌を把握しておく必要があります。ここからは、試験についての詳細を見ていきましょう。

試験概要
試験時期 年1回 2月
合格発表は3月中旬です
願書受付 例年9月上旬~10月上旬まで
(願書「受験の手引」配布は8月上旬から)
受験資格 次のうちいずれかに該当すれば受験できます。

1)大学等で「指定科目」を履修した方
2)社会福祉士「一般養成施設・短期養成施設」を卒業した方
(※当講座は「養成施設」ではありません)
  • 学歴・実務経験に細かい規定がありますので、受験資格などについては必ずご自分で公益財団法人社会福祉振興・試験センター にご確認の上、お申込みください。
  • 精神保健福祉士の資格をお持ちの方は、受験申込時の申請により精神保健福祉士国家試験との共通科目が免除されます。
試験形式 ■令和5年度【第36回】試験まで:マークシート形式(5択)、出題数150問、総試験時間240分
■令和6年度【第37回】試験から:マークシート形式(5択を中心とした多肢選択)、出題数129問、総試験時間240分
合格基準 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上を得点し、なおかつ各科目すべてにおいて得点のあること。
受験者数・合格率 令和4年度
受験者数:36,974人
合格者数:16,338人
合格率:44.2%
受験料 19,370円
  • 精神保健福祉士と同時受験者の受験料は16,840円(別途精神保健福祉士の受験料が必要)、科目免除者の受験料は16,230円です。

試験概要

試験は年に1回、全国各地で行われます。2023年実施の第35回試験は、24会場で実施されました。試験科目は18科目群あり、幅広い知識を身につける必要があります。

受験資格

受験資格の取得方法は、全部で12通りあります※第35回(2023年度)時点。福祉系大卒などが代表的な方法ですが、福祉系大卒でない場合でも、受験資格は取得できます。指定施設で相談援助実務を4年以上経験し、一般養成施設等に1年以上通った場合などです。ここでは、社会人を対象とした主な受験資格の取得方法を、2つ紹介します。


福祉系大学コース

まずは、福祉系大学に入学、または編入して受験資格を得る方法です。この方法であれば、実務経験を積む必要も、特定の養成施設で学ぶ必要もありません。高等学校卒業または福祉系以外の大学を卒業したあと、福祉系の大学に入学、または編入して卒業すれば受験資格を得られます。


実務経験コース

相談援助業務の実務経験が4年以上ある場合に、一般養成施設等で1年以上修学すると、社会福祉士国家試験の受験資格を得られます。福祉系の大学で基礎科目を履修している場合には、短期養成施設にて6カ月以上修学すると、同様に受験資格を得られます。

合格基準点

社会福祉士試験の合格基準点は総得点の約60%、150点中90点です。毎年難易度によって調整されることもありますが、第35回試験は「150点中90点」、第34回試験は「150点中105点」でした。また、全科目で最低1問は正解することも合格の条件です。

受験者数

社会福祉士国家試験の受験者数は、毎年40,000人程度で推移しています。第35回試験(2023年2月実施)では、36,974人が受験しています。

試験対策の勉強方法

難易度が比較的高めなので、勉強方法の検討が必要です。ここでは、主な勉強方法を3つ紹介します。


過去問題を解く

出題内容の傾向を把握するためにも、過去問を繰り返し解くことをおすすめします。また、過去問を解くことによって、苦手科目の把握にもつながります。重点的に勉強するべき科目を把握するためにも、過去問を解くことは有効です。


計画的に勉強する

社会福祉士の試験は年に1度しかありません。そのため長いスパンでの計画的なスケジュールの組み立てが必要です。毎日1~2時間程度の勉強時間を確保し、継続して勉強しましょう。


時間を有効活用する

働きながら試験勉強をするなら、スキマ時間を利用するなど、時間を有効活用しなければなりません。大半の方が仕事をしながら受講しているユーキャンの社会福祉士合格指導講座であれば、無駄のないカリキュラムで時間を有効活用しながら合格を目指せます。

2025(令和7)年2月実施の試験より新カリキュラム対応に

社会福祉士試験は、2025(令和7)年2月実施の試験より新カリキュラムに対応した試験が開始され、試験科目が大幅に変わります。また、事例問題の出題が増えることも予想されています。社会福祉士試験の合格を目指す方は、新カリキュラムに対応した対策が必要です。 なお、受験資格、試験の実施時期、合格基準点などは従来通りで変更はありません。

  • 試験内容は変更される場合があるため、必ず最新情報をご確認ください。


社会福祉士国家試験の難易度

社会福祉士国家試験の合格率は福祉系国家資格の中で最も低い30%ほどであり、試験の難易度は高いと言えます。難易度が高い理由としては、出題範囲が広いことや、受験資格を得るために実務経験や福祉関連の学校を卒業する必要があることが挙げられます。

他の資格との難易度の比較

三大福祉国家資格と呼ばれる資格には社会福祉士のほかに精神保健福祉士と介護福祉士がありますが、それらと比較しても社会福祉士の難易度は高いといえます。精神保健福祉士の場合、合格率は60%前後で、社会福祉士の約2倍となっています。

介護福祉士の合格率に関しても、60~70%で推移しているため、社会福祉士との差は歴然です。三大福祉国家資格の中では、社会福祉士資格の取得が最も難しいといえます。

一方で、国家資格ではありませんが同じく福祉系の資格であるケアマネジャーにおいては、合格率20%前後と、社会福祉士よりも低い数値となっています。

社会福祉士国家試験の合格基準点・合格ライン

社会福祉士国家試験の問題数は計150問で、配点は1問1点の150点満点です。社会福祉士国家試験の合格基準点は総得点150点の60%程度の90点を基準とし、毎年難易度によって調整されます。第34回試験では「150点中105点」が合格基準点となりました。また、全科目で最低1問は正解することも合格の条件です。

社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者にあっては、総得点67点の60%程度を基準として、実施される年の問題の難易度を考慮し、決められます。

社会福祉士国家試験の合格率は30%前後

直近5年の社会福祉士国家試験の合格率は30%前後で推移しています。
最新の第35回(2023年2月)試験では合格率44.2%(受験者数36,974人、合格者数16,338人)と直近の10回では最高となりました。

直近の10回(25~34回)の合格率、受験者数および合格者数は以下の通りです。
受験者数もそれほど変化はなく、一定の人気を得ている国家資格のひとつであることも見えてきます。

回(年度) 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第35回(令和4年度) 36,974 16,338 44.2
第34回(令和3年度) 34,563 10,742 31.1
第33回(令和2年度) 35,287 10,333 29.3
第32回(令和元年度) 39,629 11,612 29.3
第31回(平成30年度) 41,639 12,456 29.9
第30回(平成29年度) 43,937 13,288 30.2
第29回(平成28年度) 45,849 11,828 25.8
第28回(平成27年度) 44,764 11,735 26.2
第27回(平成26年度) 45,187 12,181 27
第26回(平成25年度) 45,578 12,540 27.5

さらにここでは、第31回社会福祉士国家試験の合格率に関して、より詳細に解説していきます。受験資格別、男女別、年代別の3つの区分から合格率を分析して、試験の実態を見ていきましょう。


受験資格別合格率

第31回社会福祉士国家試験の受験資格別合格率は以下の通りです。

区分 福祉系大学などの卒業者 養成施設卒業者
合格者数(人) 7,232 5,224
合格率(%) 58.1 41.9

合格者数全体に占める割合としては福祉系大学卒業者のほうが多いですが、養成施設卒業者もそれほど低くはありません。しっかりと知識を身につければ、どちらの受験資格でも合格を目指せることが分かります。


男女別合格率

第31回社会福祉士国家試験の男女別合格率は以下の通りです。

区分 男性 女性
合格者数(人) 4,275 8,181
合格率(%) 34.3 65.7

女性が男性の約2倍で、8,000人以上が合格しています。もちろん母数の違いもありますが、社会福祉士においては、女性がより多く有資格者として活躍しているといえるでしょう。


年代別合格率

第31回社会福祉士国家試験の年代別合格率は以下の通りです。

年齢区分(歳) ~30 31~40 41~50 51~60 61~
合格者数(人) 6,050 2,439 2,368 1,269 330
合格率(%) 48.6 19.6 19.0 10.2 2.6

30歳までに資格を取得しようとする人が、圧倒的に多い傾向にあります。受験資格に年齢制限はないので、幅広い年代が受験しています。


社会福祉士試験に合格するためのポイントとは?

社会福祉士国家試験に合格するには、いくつかのポイントに気を付ける必要があります。押さえておくべき3つのポイントを見ていきましょう。

法改正にそなえる

介護や福祉業界に関する法改正がなされる可能性は大いにあります。そのため、試験においても、法改正に対応できるよう、テキストや問題集は最新のものを使いましょう。

時間配分を考慮して問題を解く

前述の通り、全科目で最低1問は正解しなければならないため、試験では時間配分を考慮しましょう。回によって科目数や問題数が変わる可能性もありますが、基本的には1問あたり1分30秒以内で解答する必要があります。

効果的な受験対策講座を選ぶ

1年に1回の試験なので、効率良く勉強を進めていかなければなりません。そのためにも、適切なカリキュラムが組まれた受験対策講座を選ぶといいでしょう。

ユーキャンの社会福祉士合格指導講座なら、充実したカリキュラム内容で、働きながらでも着実に知識を身につけられます。

まとめ

社会福祉士の試験は、介護福祉系の試験の中でも比較的難易度が高めなので、しっかりとしたスケジュールを組んで効果的に勉強をしていきましょう。

これまでに多くの合格者を送り出しているユーキャンの社会福祉士合格指導講座であれば、ムダのないカリキュラムで忙しい人でも7ヵ月で合格圏内に入れます。社会福祉士国家試験を熟知した講師陣によるテキスト構成で、きめ細かい添削など、充実の指導サポートを受けることも可能です。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

社会福祉士試験合格に必要な勉強時間は?

社会福祉士の試験に合格するための勉強時間は300時間程度が目安だといわれています。実際に300時間勉強するためには、1日2時間勉強すれば約5ヵ月、 1日1時間勉強すれば10ヵ月ほどかかります。

社会福祉士の年収は?

公益財団法人社会福祉振興・試験センターが令和2年に実施した調査によると、社会福祉士の平均年収は403万円(男性473万円、女性365万円)です。平均月収に換算すると30~35万円程度、手取りは24万~28万円程度となります。

社会福祉士に向いている人って?

社会福祉士の仕事は、相談対応から始まるため、コミュニケーション能力がある人に向いているといえるでしょう。また、困っている人のサポートを行うので、誰かの役に立ちたいという使命感を持った人や、人の話を聞くことが好きな人にも向いています。

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