• 更新日:2025/02/03

社会人になると誰もが遭遇する、言いにくいことを言わなくてはいけないシーン。言葉の使い方ひとつで、相手の気分を害したり、逆にきちんとした対応が信用につながったり......ピンチにもチャンスにもなり得るため、慎重に対応したいところです。こういう場合、コミュニケーションのプロはどのような点に気をつけているのでしょう。コミュニケーション研究家の藤田尚弓さんが、具体的な文例とともに、言いにくいシーンを逆にチャンスに変える方法を提案します。

社会人は「言いにくいことを言う」のも仕事のうち

無理を承知でお願いをする、ミスを指摘する、仕事をやり直してもらう、提案を断る……などなど。社会に出ると、言いにくいことを言わなければいけないシーンに遭遇します。そんなとき、皆さんはどのように対応していますか?なかなか言えずに先延ばしにしてしまう人、ハッキリ言い過ぎて反感を持たれてしまう人もいると思います。伝えるべきことは伝えなくてはいけませんが、配慮のない物言いは避けたいところ。

今回は言いにくいことの中から「メールでの依頼」と「メールでのお詫び」にフォーカスし、基本テクニックと具体的なお勧めフレーズをご紹介します。

その1:無理な依頼をしなければならない場合の基本テクニック

大切なのは相手への配慮の気持ち。無理な依頼であると自覚していること、それをしなければならない苦しさといったニュアンスが伝わる文面を考えましょう。ただし「断っていいのかな」と思われてしまうほど丁寧過ぎるのも注意です。


これでいい気分で引き受けてもらえる!?具体的なお勧めフレーズ

では具体例を見ながら勘所を掴んでいきましょう。


CASE1

依頼すると残業になってしまうことが分かっているのに、納期の関係でどうしても仕事をお願いしなければいけない場合。


推奨フレーズの具体例

「急なご対応をお願いすることになり、大変心苦しいのですが、今月末までにパンフレットのご納品をお願いできますでしょうか。こちらの都合で恐縮ですが、キャンペーン連動企画のため納期を延ばすことができない状況で、なんとかお力をお借りしたいと思っています。宜しくお取り計らいください」


ここがポイント!

強引だなと思われないよう配慮の言葉からはじめます。依頼内容と納期は明確に伝えつつ、短納期でお願いしなければならない事情のようなものを入れ込むだけでも、承諾率が上がるので覚えておくと便利。「お力をお借りしたい」という表現は、相手の自尊心をくすぐるお勧めのフレーズです。

その2:お詫びをしなければならない場合の基本テクニック

自分に非がある場合、そのことをハッキリ認めるのが肝。その後、対処、再発防止と続けます。どうしてそうなったのかという説明は、「言い訳」と解釈されることがあるので注意しましょう。自分に非がない場合、そのことを説明したくなりますが、それだと相手の感情がおさまりにくいかも知れません。まずは「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」というフレーズを使ってから説明しましょう。


ミスが今後の信頼感につながるかも!?具体的なお勧めフレーズ

では具体例を見ながら勘所を掴んでいきましょう。


CASE2

自分のうっかりが原因で、上司がクライアントに謝らなくてはいけなくなった。


推奨フレーズの具体例

「私のミスで○○課長にお詫びに行っていただくことになってしまいました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。 今回問題になった商品は、新しいものを○日に到着するよう手配し、先方からもご了承をいただきました。今後再発がないよう、発注をダブルチェックにする体制を作りました。この教訓を活かし、挽回できるよう頑張ります」


ここがポイント!

自分の非を認めるコメントからスタート。「ミスへの対応」「迷惑をかけてしまった相手からの了承」「再発防止」の他、失敗を教訓に成長したいというニュアンスを加えました。
メールは誤解をされやすい部分がある反面、伝え方を事前に何度も検討できるというメリットがあります。相手の立場にたち、気持ちのよい関係を維持できる文章を考えてみましょう。無理な依頼をしなければならない、非を認めて謝らなければならないという場面も、きっとチャンスに変えられるはずです。

まとめ


執筆者プロフィール 

藤田尚弓(ふじたなおみ)さん

All About「話し方・伝え方」ガイド。コミュニケーション研究家。株式会社アップウェブ代表取締役を務める。コミュニケーションデザインの研究を行い、テレビ番組でのコメント、企業や大学などでの研修、執筆活動などを行っている。著書は「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」他多数。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

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