• 公開日:2020/06/01
  • 更新日:2020/09/08

行政書士は弁護士や税理士と同じく、法律に関わる「士業」のひとつとして知られています。これから行政書士を目指す人にとっては、試験の合格率は気になるところでしょう。

この記事では、行政書士の資格を取るメリットや合格率、難易度などを詳しく解説します。試験対策では独学と通信講座のどちらがいいのかも説明しているので、ぜひ役立ててください。

行政書士とは

行政書士は、官公署へ提出する書類の作成や申請を代行したり、公的手続きに関するクライアントからの相談を受けたり、コンサルティングなどを行う職業です。行政に関わる業務は幅広く、法律や条例に関する高度な知識が求められることもあります。公的手続きのスペシャリストである行政書士は、個人・法人を問わず、多くの需要があります。

行政書士の資格を持つメリット

行政書士の資格取得により、独立開業や就職・転職が有利になるなどメリットが少なくありません。

行政書士の資格を持つことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、資格を持つことで得られる3つのメリットを見ていきましょう。

独立して開業することも可能

行政書士は行政書士事務所などに勤めるほか、独立・開業することも可能です。パソコン・FAX・電話を用意すれば自宅でも開業でき、初期費用に多額の資金がかかることもありません。

しかし、安定して顧客を獲得し続けるためには実務経験を積むことが重要になります。そのため、資格取得後に企業や行政書士事務所などで実務経験を積む人が多くなっています。

就職・転職で有利になる

行政書士は就職や転職で有利になる国家資格です。試験に合格するのは簡単ではありませんが、「専門試験を突破するだけの学力と意思がある」「法律の知識がある」という評価が得られます。会社法や商法の知識もあるため、入職後は法務部や総務部などで活躍できます。

行政書士の資格を持つ人材を得ることは採用する企業にとってもメリットになります。

法律の知識が身につくので他資格の取得でも有利

行政書士の資格試験のために得た法律の知識は、日常生活やほかの資格を取得する際に役立ちます。行政書士の資格はほかの法律系の資格とも相性がよく、ダブルライセンスでキャリアアップを図ることもできます。

たとえば司法書士試験には、行政書士試験でも出題される商法や民法の知識が必要です。行政書士の資格があれば、効率よく学習を進められるでしょう。

行政書士試験の概要

行政書士試験は、受験資格は特になく、年齢や学歴、国籍を問わず、誰でも受験が可能です。

行政書士の資格試験の対策をするにあたっては、事前に試験内容や合格基準を把握しておくことが大切です。ここでは、試験の概要を説明します。

試験内容


受験資格

学歴や年齢、国籍などは不問で、誰でも受験可能です。


受験日

毎年1回、11月の第2日曜日に開催されます。試験時間は午後1時~4時です。


試験科目

出題範囲は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」にわけられます。問題数は全部で60問となります。

「行政書士の業務に関し必要な法令等」では、「憲法」「行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法が中心)」「民法」「商法・会社法」「基礎法学」から出題されます。問題数は46問です。

「行政書士の業務に関連する一般知識等」では、「政治」「経済」「社会」「情報通信」「個人情報保護」「文章理解」から出題されます。問題数は14問です。


試験方法

試験は筆記試験で行われます。「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式および記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式です。


試験場所

試験場所は、全国に設けられた試験場となります。現住所や住民票の住所に関係なく、どの試験場でも受験できます。なお、試験場は毎年7月の第2週に公示されます。


受験手数料

受験手数料は7,000円です。郵送で申し込みの場合は、専用の振替払込用紙で郵便局・ゆうちょ銀行の窓口にて支払います。インターネットで申し込みの場合は、本人名義のクレジットカードまたはコンビニエンスストアで支払います。


受験の申込方法

受験の申し込みは試験日の約2カ月前までなので、余裕を持って申し込みましょう。申し込みの期間は、例年7月下旬~8月下旬となっており、郵送またはインターネットから出願が申し込みできます。

合格基準

行政書士試験の合格基準は、それぞれの科目ごとに決められています。「行政書士の業務に関し必要な法令等」の基準は、計244点のうち122点以上です。「行政書士の業務に関連する一般知識等」では、計56点のうち24点以上になります。試験全体においては得点の合計300点のうち180点以上が合格基準です。

このように行政書士の試験の合格基準は明確なので、過去問題集などを利用して学習することで、現在の自分のレベルがどのくらいなのかを確認できます。過去問題集で学習するなかで基準点に達していない場合、足りない部分を集中して学習するといいでしょう。

行政書士試験の合格率

行政書士試験の合格率は10%前後で推移していますが、確実に実力をつけていけば誰でも合格が目指せます。

行政書士試験の合格率について、平成21年度~平成30年度の10年間の推移を紹介します。

  • 平成21年度 9.1%
  • 平成22年度 6.6%
  • 平成23年度 8.1%
  • 平成24年度 9.2%
  • 平成25年度 10.1%
  • 平成26年度 8.3%
  • 平成27年度 13.1%
  • 平成28年度 10.0%
  • 平成29年度 15.7%
  • 平成30年度 12.7%
  • 参考:最近10年間における行政書士試験結果の推移|一般財団法人 行政書士試験研究センター(https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf)

このように、行政書士試験の合格率は毎年10%前後で推移しています。難易度が低いとはいえないため、行政書士試験の合格は難しそうと思う人もいるかもしれません。しかし、行政書士試験は誰でも受験できるうえ、合格基準も明確です。

そのため、しっかり学習している人には、実際の合格率ほど難しいとは感じないでしょう。合格率はあくまで参考程度として、確実に実力をつけていけば誰でも合格を目指せます。それでも、まったく法律の知識のない人にとっては、難易度は高いといえます。

行政書士試験の難易度

行政書士試験の難易度は10%前後で推移。難易度は低いとはいえませんが、確実に実力をつけていけば誰でも合格が目指せます。


行政書士試験の難易度は、宅建士や司法書士、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士などの他の資格と比較した場合、どの程度なのでしょうか。ここでは各資格と比較した場合の行政書士試験の難易度を解説します。

宅建士(宅地建物取引士)試験との比較

宅建士試験と比較した場合、宅建士試験の合格率は約15%、行政書士試験は約10%であることから、行政書士試験のほうが難易度は高いといえます。また、宅建士試験は、行政書士試験より問題数が少なく、マークシート方式で記述問題がありません。そのため、わからない問題があっても全問解答することが可能です。

司法書士試験との比較

司法書士試験と比較した場合、司法書士試験の合格率は約3%、行政書士試験は約10%であることから、行政書士試験のほうが難易度は低いといえます。司法書士は、法律系の資格のなかでも最も難易度が高い試験です。司法書士とのダブルライセンスを目指す場合は、まずは合格しやすい行政書士を取得しましょう。

社労士試験試験との比較

社労士試験と比較した場合、社労士試験の合格率は約7%、行政書士試験は約10%であることから、行政書士の試験の難易度のほうが、社労士試験よりやや低いといえます。ただし、試験内容はまったく異なるため、人によって感じ方は違うかもしれません。ダブル資格取得をめざすなら、まずは法律の知識を深めるため行政書士から始めると良いでしょう。

ファイナンシャルプランナー試験との比較

ファイナンシャルプランナー試験と比較した場合、FP2級試験の合格率は約50%、行政書士試験は約10%であることから、行政書士試験のほうが難易度は高いといえます。行政書士としてキャリアアップするには、得意分野に特化するのがおすすめです。相続関連の仕事をする上では金融全般の知識があると、非常に役立つため、行政書士資格取得後、目指すといいでしょう。

中小企業診断士試験との比較

中小企業診断士試験と比較した場合、中小企業診断士試験の合格率は2次試験まで含めると約4%、行政書士試験は約10%であることから、行政書士試験のほうが難易度は低いといえます。中小企業診断士試験は試験が第1次と第2次に分かれており、さらに筆記試験に加え口述試験もあります。そのため、ダブルライセンスを目指す場合は比較的難易度の低い行政書士試験を先に受験する方がおすすめです。

税理士試験との比較

税理士試験と比較した場合、税理士試験の合格率は約15%、行政書士試験は約10%ですので、合格率だけで比較すると行政書士の方が難易度が低く感じますが、実際には税理士の方がかなり難易度は高いといえます。税理士試験に合格した人は、新たに資格試験を受験しなくても資格手続きをするだけで行政書士になれることからも、税理士は行政書士のステップアップ資格といえるでしょう。

行政書士試験の合格に必要な学習時間

行政書士に合格するために必要な勉強時間の目安は500~1000時間。通学や通信教育などを活用すればより効率よく目指せます。

行政書士試験に合格するために必要な時間は、どの程度法律の知識があるのかによっても変わってきます。まったくはじめて法律に触れる人が独学で学習する場合、1年間で800~1,000時間程度が目安です。1年間で約1,000時間を達成するためには、1日2~3時間の学習時間を確保する必要があります。

独学ではなく、通学や通信講座を利用する場合は、効率よく学習ができるため、500時間程度が目安です。通学・通信講座どちらの場合も、毎日継続的に学習を続けることが合格へのカギになります。

独学・通学・通信講座、おすすめはどれ?

行政書士の試験を目指すには、独学と通信講座それぞれにメリット・デメリットがあります。

行政書士の試験は、出題問題数の半分を占める民法と行政法を効率よく学習することがポイントです。独学と通学、通信講座、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

独学のメリットは、自分のペースで学習を進められることです。学習にかかるコストもテキスト代のみになるため、まとまったお金も必要ありません。しかし、自分で学習方法を模索していく必要があるため、不明点の解消に時間がかかったり、モチベーションの維持に苦労したりします。

通学講座のメリットは、専門の講師から直接指導を受けながら学びを進められることです。また、行政書士を目指す仲間からの刺激を受けつつ学べるというのも大きなメリットです。しかし、参考書を買うだけの独学に比べると学費が高額になる、学校や自宅、会社から遠い場合は、通学に時間を割く必要があるという点がデメリットとなるでしょう。

一方、通信講座の場合は、十分に試験対策がされたテキストで学習できることがメリットです。また、わからないところは、経験豊富な講師陣に気軽に質問できます。独学と通学講座のメリットをあわせもつのが通信講座です。費用も独学に比べるとかかりますが、通学と比べると低く抑えることができます。

まとめ

行政書士の資格を取得することで、就職や転職に有利になったり、独立開業を目指せたりとさまざまなメリットがあります。試験の合格率は10%前後ですが、試験内容や出題傾向をしっかりと把握し、対策を練れば誰でも目指せる資格です。

ユーキャンの行政書士講座では、民法や行政法といった試験における重要度の高い科目から学習を進めていきます。過去問題集は解説が通常の2〜3倍の量になっているため、理解しやすいことが特徴です。約50名の行政書士試験のプロが、質問や添削を通じて最適のアドバイスを行います。行政書士試験の合格を目指す人は、ぜひユーキャンの通信講座をご活用ください。

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