• 公開日:2022/06/02

社会福祉士とは、専門知識を活用して身体や精神、経済面などにハンディキャップがある人への支援をする職業です。社会福祉士の資格を持っている人は、学校や高齢者施設など、様々な場所で活躍しています。

この記事では社会福祉士について、やりがいや主な就職先、試験概要などをわかりやすく解説します。職業選びや転職先選びの際に、ぜひ役立ててください。

社会福祉士とは

社会福祉士は国家資格のひとつで、子どもや高齢者、障がい者など何らかのハンディキャップがある人への支援をする職業のことで、「ソーシャルワーカー」とも呼ばれます。

生活困窮者からの相談や支援に関しては、資格を持っていない人でもできますが、社会福祉士は名称独占資格であるため、国家資格に合格した人しか名乗ることはできません

関連する資格・職種との違い

社会福祉士と関連する職業に、ケアマネジャー、介護福祉士、スクールカウンセラーがあります。それぞれ社会福祉士との違いを解説します。


介護福祉士との違い

社会福祉士は、支援が必要な人の相談や支援サービスの提案などを行うことが主な仕事ですが、介護福祉士は介護施設など、現場で直接介護サービスを行うのがメインとなります。


ケアマネジャーとの違い

ケアマネジャーは、介護福祉士の上位資格であり、介護についてのプロです。社会福祉士は、社会全体の中で支援が必要な人に対応しますが、ケアマネジャーは、介護サービスに特化している職業です。


スクールカウンセラーとの違い

スクールカウンセラーは、学校施設で働く心理的なケアを行う職業です。学校環境や当事者の家庭環境など、環境面からアプローチする社会福祉士と違い、精神的なアプローチをすることが特徴です。

社会福祉士の主な就職先

社会福祉士は、社会全体の中で支援を必要とする人を対象に相談や支援を行うため、就職先もさまざまです。ここでは、主な就職先について紹介します。

高齢者施設

特別養護老人ホームや介護老人福祉施設などで、「生活相談員」として勤務できます。主に、入所前面談や手続き、家族とのやりとりなどを担当します。入居中にできる支援だけでなく、退所後の生活相談も仕事のうちです。また、利用者本人だけではなく家族からの相談や、場合によっては身体的な介護をすることもあります。

児童相談所・児童福祉施設

虐待や不登校などの問題をかかえる18歳未満の子どもの支援を行う児童相談所や児童福祉施設で「児童福祉司」として勤務できます。関係機関や病院と連携して子どもの支援を行うほか、その家族への対応などを行います。 社会福祉士は児童福祉司の任用資格ですが、任用資格は公務員にならないと適用されません。そのため、児童福祉司になるには、公務員試験にも合格する必要があります。

学校

学校では、「スクールソーシャルワーカー(SSW)」として勤務できます。児童が抱える問題の相談や、その問題解決のために学校や家族と連携をとりながら支援します。場合によっては、児童相談所や教育委員会との連絡も必要になります。 公立学校の正職員として勤務したい場合は、公務員試験の合格が必須です。

障がい者支援施設

身体的、精神的など、さまざまな障がいがある人のための障がい者支援施設では、「生活相談員」「支援相談員」などとして勤務できます。仕事内容・範囲は、施設により異なりますが、基本的に、障がいを持つ利用者の入退所手続きや相談、退所後の生活支援や自立支援などを行います。

社会福祉協議会・地域包括支援センター

各市区町村には、問題を抱える地域住民を対象として支援する社会福祉協議会・地域包括支援センターが設置されており、多くの社会福祉士が活躍しています。ここでは、高齢者・障がい者・外国人・貧困家庭などへの相談支援、安否確認、環境整備などが主な仕事です。必要に応じて各機関との連携も行います。

役所の福祉課

公務員試験に合格すれば、都道府県や市区町村の役所の職員として地域福祉への貢献もできます。健康福祉課や保健福祉課などで、困りごとを抱える住民の問題解決に向けた支援や、生活保護受給者への訪問などが主な仕事です。

保健所・保健センター

公務員としての社会福祉士は、保健所や保健センターでの勤務も可能です。主に窓口での相談業務を担当します。保健所や保健センターには、医師や看護師、薬剤師など、様々な職種が勤務しているため、多種職と連携しながら問題を解決していく必要があります。

医療機関

病院などの医療機関では、「医療ソーシャルワーカー」として勤務できます。患者やその家族からの相談に対応するのが主な仕事です。医療費に関する支援・援助制度などの情報提供や、入院・治療への不安の解消などをサポートします。場合によっては、関係機関に連絡したり、調整したりすることも必要になります。 公立病院の医療ソーシャルワーカーとして働く場合は、公務員試験に合格する必要があります。

社会福祉士が注目される背景

社会福祉士は国家資格であるため、信頼性が高い職業です。さらに、貧困問題や児童虐待などの社会福祉問題への注目度が高まっていることから、社会福祉士のニーズがより高まっています。就職・転職にも有利なだけでなく、施設長や管理職も目指せるなど、将来性があるというのも注目を集めている理由のひとつです。

社会福祉士の仕事内容

社会福祉士は働く場所もさまざまであることから、その仕事の内容や範囲も多岐にわたりますが、基本的には日常生活に困難を抱えている人の相談に乗り、問題を解決することが仕事です。

支援を行う対象者は、就職先によって異なるため、勤務する場所に応じた対応が必要になります。また、福祉・医療サービスを行う各関連施設への連絡・調整も仕事の一環です。

社会福祉士のやりがい

社会福祉士は相談者にとってよりよいサポートを提供し、生活支援を行うことが仕事です。社会に貢献していることを実感しやすく、やりがいを感じられる職業です。

相談者それぞれの家庭環境などを考慮しながら、適切な支援や援助を行う必要があるので、簡単にできる仕事ではありませんが、その分うまくサポートできた時の達成感は大きく、やりがいに繋がっています。

社会福祉士の受験資格とは

社会福祉士の受験資格を得るためには、細かくわければ12通りの方法があります。ここでは、大きく4つにわけて解説します。

福祉系大学・短大を卒業している人

4年制の福祉系大学を卒業しており、指定科目を履修している人は、それだけで受験資格を満たしています。履修しているのが基礎科目のみだった場合は、別途、短期養成施設などで6ヵ月以上、必要なカリキュラムの履修が必要です。

また、福祉系短大を卒業している人は、指定科目の履修、基礎科目のみの履修どちらの場合でも、3年の短大なら1年、2年の短大なら2年の相談援助実務経験が必要です。基礎科目のみ履修の人は、相談援助実務経験のあと、短期養成施設などで6ヵ月以上、必要なカリキュラムの履修も必要となります。

一般の大学や短大を卒業している人

4年制一般大学卒業の場合は、短期養成施設などで1年以上必要なカリキュラムを履修すれば受験可能です。

短大の場合は、2年制短大なら2年、3年制短大なら1年の相談援助実務経験ののち、一般養成施設等で1年以上必要なカリキュラムを履修すれば受験できます。

社会福祉主事養成機関を修了している人

社会福祉主事養成機関を終了している人は、2年の相談実務経験と短期養成施設などで6ヵ月以上の必要なカリキュラム履修が必要となります。

社会福祉主事養成機関とは、社会福祉主事任用資格を取得するための養成施設ですが、施設によっては社会福祉士の資格取得には不十分な場合があります。この方法で受験資格を得ようと思っている人は、事前に社会福祉士の受験資格を得られる養成施設か確認しておく必要があります。

4年以上の実務経験がある人

「児童福祉司」や「身体障害者福祉司」などで4年以上の実務経験があれば、短期養成施設などで6ヵ月以上の必要カリキュラム履修をすれば受験可能となります。

指定された職種以外の場合は、4年以上の実務経験と短期養成施設などで、1年以上の必要なカリキュラムを履修すれば受験可能です。

社会福祉士国家試験の概要

社会福祉士になるためには、国家試験の合格が必要です。ここからは、国家試験の概要について紹介します。

社会福祉士国家試験は年1回

社会福祉士の国家試験は年に1回、全国各地で実施されます。受験日は毎年2月上旬頃となっており、合格発表は試験翌月の3月以降です。

受験申込期間は、毎年9月上旬〜10月上旬ごろとなっています。

社会福祉士国家試験の形式

社会福祉士の国家試験は、筆記のみです。問題は、5つの選択肢から正しいものを選ぶという選択式がほとんどです。

過去の試験で出題された問題は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページで確認できます。

社会福祉士国家試験の範囲

社会福祉士国家試験の範囲は、19科目(18科目群)あります。1〜11までの科目は、精神保健福祉士との共通科目、12〜19の科目は、社会福祉士として必要な専門科目となっています。

合格基準の判断時には、18、19の科目は1科目群とされます。試験範囲が広くなっているので、試験に向けて計画的に勉強を進めることが大切です。

社会福祉士国家試験の合格基準

合格基準は、問題全体の6割(90点)程度となっています。なおかつ、試験範囲「18科目群」すべてで、少なくとも1問以上は正解しなければなりません。

合格ラインは、毎年の試験内容によって変動があり、合格基準点が100点以上だった年もあります。合格を目指すなら少なくとも6〜7割以上の成績を出すように努めることが重要です。

社会福祉士国家試験の合格率

社会福祉士の合格率は、25%〜30%程度で推移しています。2022年実施の第34回試験では、合格率31.1%と発表されています。

福祉介護関係の他の資格と比べても合格率が低く、比較的難易度は高いといえます。試験範囲も広いので、しっかりと計画をたてて無駄のない対策をとることが重要です。

まとめ

社会福祉士は、社会の中で困っている人たちの相談・支援をするやりがいのある仕事です。しかし、社会福祉士になるために必要な国家試験は比較的難易度が高いため、計画的に勉強することが重要になります。

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生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

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