日本化粧品検定とは?取得するメリットや活用できる業種を解説

日本化粧品検定とは、化粧品や美容に関する正しい知識の普及と向上を目的とした公的資格です。日本化粧品検定を取得できれば化粧品や美容に関する知識が身につき、化粧品業界や美容業界で働くうえで役立ちます。就職や転職の際のアピールポイントにすることも可能です。
この記事では、日本化粧品検定の概要とともに、各等級の試験範囲、取得するメリット、活用する際のポイントなどを解説します。
日本化粧品検定とは?
日本化粧品検定とは、化粧品や美容についての知識を証明できる、文部科学省後援の公的資格です。試験では、化粧品や美容皮膚科学の基礎知識、化粧品に含まれる成分・効能、法律など幅広い内容が出題されます。各分野の多数の専門家が監修しており、資格取得のために勉強するとエビデンスに基づく知識を身につけられます。
日本化粧品検定の等級と試験範囲
日本化粧品検定の等級と試験範囲は、以下のとおりです。
- 1級:化粧品の中身や成分、ボディケアやヘアケア、ネイル、フレグランス、オーラルケア、化粧品のルール
- 2級:肌悩みに合わせたスキンケア、メイクアップ、生活習慣美容、マッサージなど、トータルビューティー
- 準2級:スキンケア、メイクアップ、ボディケア、ネイルケアなどの化粧品の基本的な使い方とお手入れ方法
- 3級:基本的な化粧品の知識のなかで特に間違えやすい内容
1級
化粧品の中身や成分、ボディケア、ヘアケア、ネイルケア、フレグランス、オーラル、化粧品にまつわるルールについて出題されます。具体的な試験範囲は以下のとおりです。
試験範囲
化粧品の歴史 | ・化粧品の歴史 |
---|---|
化粧品の原料 | ・化粧品の原料 |
スキンケア化粧品 | ・スキンケア化粧品 ・男性の肌と男性化粧品 |
UVケア化粧品 | ・UVケア化粧品 |
メイクアップ化粧品 | ・メイクアップ化粧品 ・ベースメイクアップ化粧品 ・ポイントメイクアップ化粧品 |
ヘアケア化粧品 | ・毛髪の構造と機能 ・ヘアケア化粧品 |
ネイル化粧品 | ・爪の構造と機能 ・ネイル化粧品とお手入れ方法 |
フレグランス化粧品 | ・嗅覚のしくみと香料の種類 ・フレグランス化粧品 |
オーラルケア製品 | ・歯の構造と機能 ・オーラルケア製品 |
サプリメント | ・サプリメント |
化粧品にまつわるルール | ・化粧品と医薬品医療機器等法 ・化粧品の定義 ・化粧品の広告やPRのためのルール ・化粧品の表示 ・化粧品の品質と安全性を保つために ・不良品とトラブル / 化粧品と肌トラブル ・化粧品と肌トラブル |
化粧品の官能評価 | ・化粧品の官能評価 |
1級合格でコスメコンシェルジュを目指すチャンス
日本化粧品検定1級に合格した場合、コスメコンシェルジュを目指せます。コスメコンシェルジュになるには日本化粧品検定協会に入会し、「日本化粧品検定特級 コスメコンシェルジュ認定プログラム」の受講が必要です。その後に課題を提出すると、コスメコンシュルジュの資格を得られます(入会金や年会費などの費用がかかります)。コスメコンシェルジュの資格があれば、美容や化粧品の専門家としての信頼度や説得力を向上させられます。
2級
日本化粧品検定2級では、肌悩みに合わせたスキンケア、メイクアップ、生活習慣美容、マッサージなど、トータルビューティーについて出題されます。具体的な試験範囲は以下のとおりです。
試験範囲
皮膚の構造としくみ | ・皮膚の構造 皮膚表面の構造 ・表皮の構造としくみ ・表皮のターンオーバー ・肌がもつバリア機能 ・真皮の構造としくみ ・皮膚の付属器官 ・皮膚の作用 |
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肌悩みに合わせたスキンケア | ・肌タイプと見分け方 |
肌悩みの原因とお手入れ | ・乾燥 ・ニキビ(尋常性ざ瘡) ・肌荒れ ・毛穴 ・シミ ・くすみ ・くま ・シワ / たるみ |
骨格に合わせたメイクアップ | ・ベースメイクアップテクニック ・ポイントメイクアップテクニック ・パーソナルカラー |
肌を劣化させる要因 | ・外的要因(空気の乾燥・紫外線・空気の汚れ) ・内的要因(加齢・食生活の乱れ・代謝不良・ホルモンバランスの乱れ・ストレス) ・外的要因+内的要(酸化) |
生活習慣美容 | ・睡眠 ・食事&飲み物 ・運動 ・入浴 |
筋肉・ツボ・リンパ | ・筋肉 ・ツボ ・リンパ |
準2級
日本化粧品検定準2級では、スキンケア、メイクアップ、ボディケア、ネイルケアなどの化粧品の基本的な使い方とお手入れ方法について出題されます。受験はWEB上でいつでも受験ができます。
試験範囲
スキンケアの基本 | ・クレンジング・洗顔の基本 ・化粧水、乳液・クリームの基本 ・スペシャルケアの基本 |
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UVケアの基本 | ・UVケアの基本 |
メイクアップの基本 | ・ベースメイクアップの基本 ・ポイントメイクアップの基本 |
ボディケア、ハンドケアの基本 | ・ボディケア、ハンドケアの基本 |
ヘアケアの基本 | ・ヘアケアの基本 |
ネイルケアの基本 | ・ネイルケアの基本 |
3級
日本化粧品検定3級では、基本的な化粧品の知識のなかで特に間違えやすい内容について出題されます。1級や2級とは違い、いつでも無料で受験可能です。具体的な試験範囲は以下のとおりです。
試験範囲
美容知識 | ・間違いがちなクレンジング ・間違いがちな洗顔 ・間違いがちな化粧水・乳液・クリーム ・間違いがちなスペシャルケア ・間違いがちなスキンケアの素朴な疑問 ・間違いがちなUVケア ・間違いがちなベースメイクアップ ・間違いがちなポイントメイクアップ ・間違いがちなボディケア ・間違いがちなヘアケア ・間違いがちなネイルケア ・間違いがちなデンタルケア |
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日本化粧品検定を取得するメリット
日本化粧品検定を取得するメリットとしては以下が挙げられます。
- 化粧品や美容について正しい知識を得られる
- 評価が上がり、キャリアップを目指せる
- 就職や転職でアピールできる
化粧品や美容の知識が身につく
日本化粧品検定は複数の専門家が監修しており、化粧品や美容についてエビデンスに基づく知識を得られます。資格があると、化粧品や美容について正しく理解していると示せます。また、学んだ知識は日常のスキンケアやメイクに取り入れたり、肌を綺麗に保つために役立てたりすることが可能です。
キャリアップにつながる
日本化粧品検定を取得している人は、化粧品や美容に対する造詣が深いと認識されます。化粧品や美容に関連する業種で働いている場合、資格取得によってキャリアアップにつなげることが可能です。資格そのものが評価されるだけでなく、知識の習得によって業務やサービスの品質が上がり、間接的に評価の向上につながる可能性もあります。
就職や転職で有利になる
日本化粧品検定は公的資格であり、就職や転職の際にも役立ちます。履歴書に記載したり、面接でアピールしたりできます。特に、化粧品業界や美容業界への就職や転職を希望するなら、資格取得により有利になる可能性が高いでしょう。転職の場合、資格が評価されてキャリアアップできるパターンもあります。
日本化粧品検定の資格を活用できる業種
日本化粧品検定の資格を活用できる業種としては以下が挙げられます。
- 顧客にメイクする美容部員
- ヘアカット、カラー、スタイリングなどを行う美容師やヘアメイクアーティスト
- 美容について総合的なプロデュースを行うトータルビューティーアドバイザー
- モデルや俳優などのヘアメイクを担当するメイクアップアーティスト
- 雑誌、YouTube、SNSやブログなどで美容に関する情報を発信するメディア業界
美容部員
美容部員とは、百貨店やドラッグストアなどの店頭でお客様にメイクをしたり、要望や悩みなどを聞いて適切な化粧品を提案したりする仕事です。そのような活動を通し、化粧品の販促を行います。日本化粧品検定なら化粧品に関する幅広い知識を身につけられるため、仕事に直接活かせます。エビデンスに基づいた正しい知識をもとに業務に対応できるようになり、お客様からの信頼度を高めることも可能です。
美容師やヘアメイクアーティスト
美容師やヘアメイクアーティストも、日本化粧品検定の資格を活かせる仕事です。美容師やヘアメイクアーティストはヘアカット、カラー、スタイリングなど髪に関する専門家ですが、化粧品やメイクについても知識があればより幅広いサービスを提供できます。
また、日本化粧品検定1級には毛髪・頭皮やヘアケア化粧品に関する知識も含まれているため、本業に役立つ知識にも触れられます。
トータルビューティーアドバイザー
トータルビューティーアドバイザーとは、顧客に合わせて美容に関するサービスを総合的にプロデュースする仕事です。メイク、ヘアケア、エステ、マッサージ、痩身、脱毛など美容に関する幅広い分野を扱うため、さまざまな知識が求められます。化粧品やメイクについて正しい知識を得るために、日本化粧品検定を活用するといいでしょう。
メイクアップアーティスト
メイクアップアーティストとは、さまざまな媒体に出演するモデルや俳優などのメイクアップやヘアセットをする仕事です。それぞれの人の特徴や魅力を理解し、適切な化粧品を選んでメイクアップやヘアセットを行う必要があります。日本化粧品検定の試験では化粧品やメイクに関する幅広い知識を問われるため、資格取得を目指せば仕事に直接役立つ内容を身につけられます。
美容に関わるメディア業界
化粧品や美容に関する情報を発信しているメディアにおいても、日本化粧品検定の資格で身につけられる知識を活かせます。美容について間違った情報を扱っているメディアもありますが、資格を活かせば正しい知識をもとにした適切な情報発信が可能です。
雑誌、YouTube、SNSやブログなど美容に関する情報を伝える媒体は幅広いため、自分に合うスタイルを選択して活躍できます。
資格を活かすためのポイント
資格を活かすためのポイントとしては以下が挙げられます。
- 資格を取得するだけでなく、実務で活かす
- 履歴書に記載して知識をアピールする
- 業務やキャリアアップといった目的を定めてから取得する
- コスメコンシェルジュを目指して活躍の機会を増やす
実践に知識を取り入れて活用する
日本化粧品検定の勉強で知識を身につけたり、実際に資格を取得したりしても、上手く活用できなければ思うような効果は得られません。資格を活かすには、実践の場で知識を取り入れましょう。たとえば、業務やサービスの提供時に知識を活かし、効率や品質の向上を目指す方法もあります。
履歴書に記入してアピールする
資格取得後に履歴書を書くときは、日本化粧品検定についても忘れずに記載しましょう。日本化粧品検定の資格があるとアピールすると、化粧品や美容に関する正しい知識があると伝えられます。資格取得により得た知識そのものだけでなく、知識の活用によりどのような経験やノウハウを得られたかについても記載するとより効果的です。
目的を決めてから取得する
日本化粧品検定の試験を受験する前に、資格を取得する目的、意味、活用方法などをあらかじめよく考えましょう。資格は単に取得するだけでは意味がないため、取得によって何を実現したいか具体的にイメージしておくことが大切です。具体的には、業務やキャリアアップのためにどう活用するか決める必要があります。
コスメコンシェルジュになるとさらに活躍の場が広がる
日本化粧品検定を受験する場合、1級に合格してコスメコンシェルジュを目指す道もあります。コスメコンシュルジュになると化粧品の特徴や成分などを自分で理解できるようになり、それぞれの人に最適な化粧品を自ら選べるようになります。化粧品選びのプロとして説得力のある提案が可能です。また、信頼度も高くなります。
コスメコンシュルジュの肩書があれば、化粧品選びの専門家としてメディアで情報発信や監修ができます。さらに、SNSにおけるプロモーション協力も受けやすくなるでしょう。
まとめ
日本化粧品検定は1~3級に分かれており、1級に合格すればコスメコンシェルジュも目指せます。資格を取得できた場合、正しい知識が身につくだけでなく、キャリアアップや転職などで有利になる可能性もあります。
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- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
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