• 公開日:2021/03/11
  • 更新日:2021/12/10

管理業務主任者試験の合格基準点とは、マンション管理に関わる国家資格を取得するための点数を意味します。管理業務主任者は、マンション管理会社へ就職や転職をしたい人にとってぜひとも取得しておきたい資格ではないでしょうか。

この記事では、管理業務主任者の試験に合格したい人に向けて合格基準点や合格率、難易度などを説明します。合格率などから難易度を判断して試験対策の参考にしてください。

管理業務主任者とは?

管理業務主任者とは、マンション管理業者が必要とする資格です。例えば、マンション管理会社の従業員として、管理委託契約時に重要事項を説明したり、組合に対して管理状況の報告などを行います。

業務を行うためには、管理業務主任者試験を受験して合格し、管理業務主任者として国土交通省に登録する必要があります。登録すると管理業務主任者証が交付され、業務にあたることができます。また、管理会社には「成年である専任の管理業務主任者をおく」ことが義務付けられています。

管理業務主任者試験とは?

管理業務主任者試験は、平成13年から年に1回行われている国家試験です。マンション管理士試験と出題範囲が重なっており、管理業務主任者試験に合格すると、マンション管理士試験の一部科目が免除されます。したがって、マンション管理士試験とダブル受験をする人も多いです。

すでにマンション管理士試験に合格している場合は、管理業務主任者試験の一部科目が免除されます。そのため、マンション管理士の資格保持者がステップアップのために管理業務主任者試験を受けることもあります。


試験概要

管理業務主任者試験の受験資格に制限はありません。したがって、誰でも受験可能です。試験は年に1回行われ、例年12月の第1日曜日に実施されています。試験に要する時間は2時間です。試験会場は北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡、沖縄の8都道府県で、昨年度は1万5,000人以上の受験者が試験を受けています。


試験内容

管理業務主任者試験の試験問題は、全部で50問となっています。また、科目は、大きく分けて次の6科目です。

共有部分に関する「区分所有法」、居住者の日常に関する幅広いルールである「民法」、快適な居住環境を維持するための「マンション管理適正化法」と「標準管理規約」、そして「建築基準法」です。

その他、水道法や消防法などに関する知識を問われますが、基本問題で構成されているため難題はあおれほど多くありません。さらに、4肢択一のマークシート形式で記述式がないため解答しやすいでしょう。


試験科目の免除

マンション管理士の試験に合格している場合、管理業務主任者試験で出題される「マンション管理適正化法に関する5問」が免除されます。免除制度を利用することができるため、セットでの資格取得を目指しやすいでしょう。


合格者の傾向

年齢や性別

管理業務主任者試験の合格者に関する年齢や性別の傾向として令和2年度の情報を紹介します。合格者の最高年齢は78歳(男性)で、最低年齢は18歳(男性と女性)です。幅広い年代の人が受験していることがわかります。

また、合格者の平均年齢は、男性が44.8歳、女性が37.1歳です。男女別では、男性が2,945人で女性が794人となっており、比較すると男性の合格者が多いことがわかります。

  • 参考:試験|一般社団法人 マンション管理業協会(http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/siken.html)

管理業務主任者の仕事内容とは

管理業務主任者はマンション管理業者が管理組合等に対して管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う際に必要な国家資格のことです。そのため、資格保有者は主にマンション管理業者の従業員として働き、管理組合のサポートなど、幅広くマンション管理に携わります。
管理業務主任者には「管理組合30組合につき、1名の管理業務主任者を設置すること」という設置義務があり、マンション管理業者は、一定数以上の管理業務主任者を確保する必要があります。

通常、マンションの管理運営は管理組合が行います。
しかし、管理組合のメンバーは住人から選出されるため、マンション管理の知識がなく、管理運営がうまくいかないこともあるでしょう。そのため、管理組合はマンション管理をマンション管理業者に委託します。専門的な知識を持った管理業務主任者が窓口になり、
管理組合ではカバーしきれない部分を、幅広い知識でサポートしながら業務を行います。
具体的には下記のような業務です。

  • 管理受託契約に際して重要事項の説明
  • 管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印
  • 管理受託契約書への記名・押印
  • 管理事務に関する報告
  • 管理組合が開催する理事会や総会のサポート
  • メンテナンスの計画と実施
  • マンションの住人や業者への対応

上記の業務のうち上4つは「独占業務」と呼ばれる管理業務主任者にしかできない業務です。
マンション管理への深い知識を持つ管理業務主任者が特定の業務を独占して行うことで、顧客であるマンション管理組合に正確な情報を与え、適切な管理を行うことができます。

以下では管理業務主任者の4つの独占業務ついて詳しく解説します。

1, 管理受託契約に際して重要事項の説明

管理業務主任者は所属する管理会社と、顧客のマンション管理組合がマンションの管理に関する管理受託契約を締結する前に、管理事務の内容や契約期間等の重要事項を口頭で説明しなければなりません。
管理組合の中には、マンションの管理運営に詳しくない方もいるため、説明なしに契約をすると、「契約の際に聞いていない!」といったトラブルに発展してしまうこともあります。
マンション管理のプロである管理業務主任者が重要事項を説明することで、管理組合が契約内容を十分に理解して契約を締結することができ、トラブルの防止にもつながります。

2, 管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印

マンション管理会社は、重要事項の説明時に「重要事項説明書」をマンション管理組合に交付しなければなりません。
重要事項説明書を交付することで、マンション管理組合は管理業務主任者が説明したことをより明確に理解できるようになります。
また、交付の際には管理業務主任者が独占業務として、重要事項説明書に記名押印を行います。
管理業務主任者が記名・押印することで、重要事項の説明を正しく行い、重要事項説明書の内容が説明通りのものであることを明らかにします。

3, 管理受託契約書への記名・押印

管理業務主任者は重要事項説明書のみならず契約書にも記名・押印を行います。
マンション管理のプロである管理業務主任者が契約書に記名・押印することで、契約書の内容に間違いがないことを確認でき、適正な契約が結ばれたことの証明にもなります。

4, 管理事務に関する報告

契約締結後、適切に管理していることを示すために管理会社は管理組合に対して定期的に管理事務の状況を報告する必要があります。
マンション管理のプロである管理業務主任者が契約の前後を通して管理・運営に携わることで、管理組合は安心してマンション管理を委託できるでしょう。

管理業務主任者試験の合格基準点や合格率

管理業務主任者試験に合格するために必要な点数や、試験の合格率について解説します。

管理業務主任者試験の合格基準点

管理業務主任者試験の合格基準点は、50点満点のおおよそ34点であるといえます。また、過去5年間の合格基準点の平均は35点です。相対評価であるため、その年によって合格基準点は変動しますが、70%程度の正解率で合格できるといえます。

  • 参考:試験|一般社団法人 マンション管理業協会(http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/siken.html)

管理業務主任者試験の合格率

令和2年度の合格率は、23.9%でした。男女別でみると、男性の合格率は24.3%、女性の合格率は22.4%です。平成29年度と平成30年度の合格率はともに21.7%となっており、令和2年度は若干合格率が上昇したことがわかります。

  • 参考:試験|一般社団法人 マンション管理業協会(http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/siken.html)

管理業務主任者試験の合格者数

次に、令和2年度試験の合格者の数と、男女の内訳について解説します。

合格者の男女内訳

令和2年度の合格者数は、全体で3,617人でした。そのうち、男性が2,945人、女性が794人となっています。

  • 参考:試験|一般社団法人 マンション管理業協会(http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/siken.html)

受験者数と合格者数

過去10年間の受験者数と合格者数、さらに合格率、合格基準点の推移については下記のようになっています。

実施年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%) 合格基準点(点)
平成23年度 20,625 4,278 20.70 35
平成24年度 19,460 4,254 21.90 37
平成25年度 18,852 4,241 22.50 32
平成26年度 17,444 3,671 21.00 35
平成27年度 17,021 4,053 23.80 34
平成28年度 16,952 3,816 22.50 35
平成29年度 16,950 3,679 21.70 36
平成30年度 16,249 3,531 21.70 33
令和元年度 15,591 3,617 23.20 34
令和2年度 15,667 3,739 23.90 37
平均 17,481 3,888 22.29 34.8

一覧表によると、管理業務主任者試験の合格率は、20~23%台を推移している状況です。ちなみに、同じく国家資格であるマンション管理士の合格率は8%程度です。類似の国家資格と比較し、管理業務主任者の合格率は高めであるといえるでしょう。

  • 参考:試験|一般社団法人 マンション管理業協会(http://www.kanrikyo.or.jp/kanri/siken.html)

管理業務主任者試験の難易度

例年の合格基準点や合格率の傾向から、管理業務主任者試験の難易度を読み解き解説します。

合格基準点から読み解く難易度

50点満点中37点という合格基準点から判断すると、全問題のおおよそ7割に正解することが求められます。したがって、合格基準点からみると、難易度はやや高めの試験といえるでしょう。一問でも点数につなげるため、計画的にスケジュールを組み、幅広い出題範囲をカバーする勉強が大切です。

合格率から読み解く難易度

令和2年度の合格率23.9%から判断すると、おおよそ4人に1人が合格していることになり、国家資格の中でも管理業務主任者の合格率は高めであるといえるでしょう。

ただし、管理業務主任者の試験には、宅地建物取引士の試験と重複する科目があります。そのため、管理業務主任者の試験を受ける人の中には、宅地建物取引士試験の合格者も多く含まれていると考えられます。その結果、合格率が高くなっているのです。このことから、初学者にとっては、やはり難易度が高い試験といえるでしょう。

不動産関連資格と比較した場合の難易度

ここでは、ほかの不動産関連の資格と比較した管理業務主任者試験の難易度について詳しく解説していきます。


マンション管理士

マンション管理士は、国土交通大臣が試験実施の主体となる国家資格で、管理組合の指導やサポートのほか、マンション所有者の生活相談などにも応じる専門家です。

マンション管理士試験の過去5年(平成28年度~令和2年度)の平均合格率は、約8.33%となっています。

合格率で比較すると、管理業務主任者試験は難易度が低く、挑戦しやすい資格といえます。また、マンション管理士試験に合格すると、管理業務主任者試験の一部科目が免除されるため、両方の試験を受験することもおすすめです。

  • 参考:公益財団法人マンション管理センター|合格者概要(https://www.mankan.org/goukakusyagaiyo.html)

宅地建物取引士

宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際に、その土地や建物に関する説明をすることや、契約書類への記名・押印が許可される国家資格です。宅地建物取引士の平成28年度~令和2年度の平均合格率は、約16.1%です。管理業務主任者と合格率を比較した場合、管理業務主任者の難易度の方が低いといえます。

また、宅地建物取引士試験に合格し、知識を得たうえで管理業務主任者に挑戦することで、さらに合格を目指しやすくなるでしょう。

  • 参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | 宅建試験(https://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html)

管理業務主任者試験|合格に必要な勉強時間の目安

管理業務主任者試験に合格するために必要な勉強時間の目安は、300~400時間程度といわれています。仮に300時間として、1日3時間勉強すると仮定した場合、合格までに100日間(3カ月強)ほどの期間が必要です。

管理業務主任者試験合格への対策は?

管理業務主任者試験に合格するためにはどのような対策をすればいいのでしょうか。詳しく説明していきます。

難易度の傾向

管理業務主任者試験の難易度は、宅地建物取引士やマンション管理士の試験と比較すると低くなっています。ただし、出題範囲が広いため初学者にとっては、必ずしも難易度が低いとはいえないでしょう。

独学で合格を目指すのは困難

出題範囲の一部が重複している宅地建物取引士やマンション管理士の合格者であれば、ある程度知識があるため独学でも合格を目指せるでしょう。

しかし、初学者にとって独学で合格を目指すのは難しいといえます。スクールや通信講座などでは、受講生が管理業務主任者に合格した数を発表しています。一般社団法人マンション管理業協会が公表している合格者の数と比率を考慮した場合、合格者の多くは予備校や通信講座で勉強していたということがわかります。

初学者には通信講座がおすすめ

初学者が管理業務主任者試験の合格を目指す場合、通信講座がおすすめです。通信講座を利用すれば、スキマ時間を活用して勉強することができます。また、通信講座は、合格を目指せるように勉強の計画があらかじめ組まれているため、スケジュール管理も簡単です。過去の試験の傾向などをふまえた教材も充実しており、初学者でも理解しやすい内容となっています。

管理業務主任者とマンション管理士の違いは?

管理業務主任者のお仕事は、マンション管理業者に所属し管理業者の立場から管理組合に対して受託契約上の説明や管理状況のチェック、報告を行うことです。
具体的には、契約時の説明以外に、規約作成や管理組合費の管理や修繕の際の会計報告、管理組合の理事会や総会の運営サポートなどがあります。

管理業務主任者は、マンション管理業者・不動産業者に所属し、仕事を行っているケースがほとんどです。
マンションオーナーと住民だけでなく、修繕に関わる業者との連絡役になることもあります。マンションの住人が安心して生活するための裏方としてやりがいを感じることができるでしょう。

この管理業務主任者ですが、「マンション管理の適正化の推進に関する法律」第56条において、「マンション管理事業者は委託を受けた管理組合30組合に対し1人以上の割合で管理業務主任者を置かなければならない」と規定されており設置義務があります。また、
管理業務主任者にしかできない独占業務もあります。「設置義務」と「独占業務」がある点はマンション管理士とは異なる点と言えます。

また、マンション管理士は管理組合側の立場から建物の保全や管理運営に関する総合的なアドバイスを行います。
管理業務主任者が管理会社に所属しているのに対し、マンション管理士は管理会社に所属していません。管理組合の立場から修繕に関する問題や共有の生活の場として住民間のペットやゴミの問題といったトラブルを解決までサポートします。

独占業務の有無だけではなく、どんな立場からマンション管理を行うのかも2つの資格の違いと言えます。

セットで扱われることが多いのはなぜ?

不動産系の資格講座を調べていると、マンション管理士と管理業務主任者の講座がセットで扱われているのを見て、「なぜだろう?」と思ったことがあるかもしれません。

これらふたつの資格は同じマンション管理の専門資格でも、試験制度や主催者が異なる試験です。
管理業務主任者試験が『一般社団法人 マンション管理業協会』によって実施されるのに対し、マンション管理士試験は『公益財団法人 マンション管理センター』によって実施されます。

主催者も試験制度も違う2つの試験が同一で扱われるのには、試験範囲で重複する部分が多い点にあります。
2つの資格試験ではともに、マンション関連の法令や実務、運営、建物構造や設備に関する知識が問われることが多いです。知識の活かし方や働く場は異なるものの、管理業務主任者試験とマンション管理士試験は学ぶ内容に重複する部分が多いです。
そのため、並行して学ぶほうが合理的と言えるでしょう。
そのような事情から、ふたつの資格はセットで扱われるケースが多いのです。

「管理会社に就職して管理業務のエキスパートになりたい」というのであれば管理業務主任者、「管理組合の側に立ってマンション生活をサポートしたい」というのであればマンション管理士を目指すのが妥当でしょう。
しかし、分野としては同じで学習内容も重複するため、ダブルライセンスの取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

管理業務主任者試験の合格率は、他の国家資格と比べて高くありません。しかし、初学者が独学で勉強するには、出題範囲が広く難しいでしょう。

効率的に合格を目指すなら、通信講座がおすすめです。ユーキャンのマンション管理士・管理業務主任者講座なら、およそ7カ月で、ダブル合格が狙えます。

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マンション管理士は、マンション管理組合や住民からの相談に応じ、マンションで発生する様々なトラブルを法的見地から解決したり、アドバイスを行うコンサルタントです。管理業務主任者は、主にマンション管理会社の従業員として管理委託契約時に重要事項を説明したり、組合に対して管理状況の報告をするなど、幅広くマンション管理のお仕事に携わることが可能です。宅地建物取引士や建築士など不動産関連の職種や、行政書士・司法書士などの法律関連の資格とも連動させることで、活用の幅が広がります。また「マンション管理士」「管理業務主任者」の試験の特徴として、受験資格に制限がなく、試験の出題分野に重なる部分が多いため、効率よく学習すれば、一度に両試験に合格することが可能です。
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