• 更新日:2023/06/20

転職やキャリアアップのため、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格取得を目指している人も多いのではないでしょうか。この記事では、ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどのような資格かを含め、試験の受験を検討している人に向けて仕事の内容を紹介します。試験対策や難易度、試験の詳細についても解説しますので、自身に合った試験対策の検討に役立ててください。

このページを簡潔にまとめると・・・

  • ケアマネジャー試験の合格率は10~20%前後で、合格基準点は70%程度。
  • ケアマネジャー試験の受験には、受験資格の要件を満たす必要がある。
  • 合格のポイントは「用語理解」「過去問演習」など。
  • ケアマネジャー試験の合格者の約半数は介護福祉士の方。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格率や難易度とは?

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格率は10~20%

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格率は10~20%前後で推移しています。最新の第24回(令和3年)試験の合格率は23.3%で直近8年間で最高となりました。

第21回以降の試験では、受験者数がぐっと下がっていますが、前述した受験資格の見直しが影響していると考えられます。前年の第20回に比べ、受験者数は82,228人も減少しており、合格率も約半分ほどに落ち込んでいます。第21回の10.1%は、過去最低の合格率です。受験者数の減少に加え、試験の難易度に対する合格基準も上がり、結果として合格率が下がったといえるでしょう。一方、第22回以降は合格率は過去の水準に戻りつつあります。

以下は過去8回のケアマネジャー試験の受験者数、合格者数、合格率をまとめた表です。

受験者数 合格者数 合格率
第24回(令和3年) 54,290人 12,662人 23.3%
第23回(令和2年) 46,415人 8,200人 17.7%
第22回(令和元年) 41,049人 8,018人 19.5%
第21回(平成30年) 49,332人 4,990人 10.1%
第20回(平成29年) 131,560 人 28,233 人 21.5 %
第19回(平成28年) 124,585 人 16,281 人 13.1 %
第18回(平成27年) 134,539 人 20,924 人 15.6 %
第17回(平成26年) 174,974 人  33,539 人  19.2 %  

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の難易度

ケアマネジャー試験は、合格率が10~20%であり、難易度が高いといわれています。同じ介護系の資格である介護福祉士試験の合格率が近年70%前後であることと比較すると、難易度の高さが分かります。難易度が高い理由としては受験資格に必要な実務経験や試験内容・解答方式が挙げられます。


受験資格の違いによる難しさ

ケアマネジャーの資格試験は、試験自体だけでなく、受験資格でもハードルが上がります。介護福祉士の受験資格の場合、実務経験が3年以上必要であるのに対し、ケアマネジャーは国家資格等に基づく業務または相談援助業務の経験が5年以上とさらに長くなります。


解答方式による難しさ

ケアマネジャーの資格試験では、5つの選択肢から複数の解答を選ばなければなりません。選択肢から1つだけ選ぶ介護福祉士試験よりも難易度が上がるため、ケアマネジャーの資格試験では、より正確な知識が必要とされます。選択したうち1つでも不正解であれば、点数は獲得できません。


問題数、試験時間の差による難しさ

ケアマネジャー資格試験よりも介護福祉士試験の方が、問題数も多く試験時間も長いです。しかし、1問にかけられる時間はケアマネジャー資格試験は2分、介護福祉士試験は1.76分と大きな差はありません。ケアマネジャーの資格試験では高い集中力と迅速な解答が求められます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格基準点(合格ライン)

ケアマネジャー資格試験の合格基準点(合格ライン)は70%です。ただし、合格基準は、試験内容の難易度により調整されます。「介護支援分野」が25問、「保健医療福祉サービス分野」が35問の全60問出題され、各分野で正答率70%以上が合格ラインです。どちらかに点数が偏れば合格にはならず、両方の分野でまんべんなく点数を取らなくてはなりません。また、難易度は毎年異なるため、合格の基準となる点数には補正がかかります。過去の合格基準点は以下の通りです。

介護支援分野(全25点中) 保健医療福祉サービス分野(全35点中)
第17回(平成26年) 14点 25点
第18回(平成27年) 13点 25点
第19回(平成28年) 13点 22点
第20回(平成29年) 15点 23点
第21回(平成30年) 13点 22点
第22回(令和元年) 15点 24点
第23回(令和2年) 13点 22点
第24回(令和3年) 14点 25点

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験とは?

ケアマネジャーの資格試験は、正式名称を「介護支援専門員実務研修受講試験」といい、年に1回、毎年10月ごろ実施されています。介護系の資格試験のなかでは最も難しいといわれており、受験資格のハードルが高く設定されています。問題は5肢複択で、「介護支援分野」、「保健医療福祉サービス分野」からなる全60問の出題です。問題の難易度により合格基準が調整されますが、点数がどちらかの分野に偏っていると合格はできません。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験資格

ケアマネジャーの資格試験を受けるためには、受験資格の要件を満たす必要があります。2017年までは実務経験が一定期間あれば受験できましたが、2018年にケアマネジャーの専門性を向上させるため、制度の見直しがされています。2018年以降の受験資格は以下の通りです。

  • 国家資格に基づく実務経験(介護福祉士、看護師、言語聴覚士などの経験が5年以上かつ900日以上)
  • 相談援助業務経験(施設などの生活相談員などの経験が5年以上かつ900日以上)

従来対象とされていた「介護系の資格(ホームヘルパー2級など)または無資格での実務経験」のほか、「相談援助業務経験」からも一部の職種が対象外となりました。

  • 参照:東京都福祉保健財団|実務研修受講試験(http://www.fukushizaidan.jp/101caremanager/shiken.html)

実務経験証明書

条件を満たすと、勤務先から実務経験証明書を発行してもらうことができます。試験を行う都道府県はこれをもって「受験要件をクリアしている」と判断するため、忘れずに発行してもらいましょう。実務経験証明書がなければ、試験に申し込むことはできません。


科目免除の廃止

2014年までのケアマネジャー資格試験では、国家資格等を保有している場合に限り、例えば介護福祉士であれば「福祉」、看護師であれば「医療」、のように免除される科目がありました。しかし、2015年以降は国家資格等保有者であっても、全ての問題に解答しなければならなくなりました。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格までの期間の目安

ケアマネジャーの資格取得へ向けた通信講座では、短期での取得を目指したコースが複数見られます。受験資格の実務経験を除けば、短期での取得も可能となるでしょう。例えば、ユーキャンのケアマネジャー講座では、標準学習期間6カ月で合格を目指せます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の効果的な試験対策

ケアマネジャーの資格試験へ向けた対策としては、独学、各スクールへの通学、通信講座など、さまざまな方法が選べます。実務経験を積みながら合格を目指すのであれば、費用面や効率面を考慮すると、通信講座の利用が便利です。独学の場合、わからない点があると放置しがちですが、ユーキャンのケアマネジャー講座では、不明点についていつでも質問できるなど、サポートも充実しています。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験に合格するためのポイントとは?

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格試験に合格するためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。この段落では、合格するためのポイントをそれぞれ詳しく解説します。

得点源となる問題は確実に正解する

ケアマネジャーの資格試験では、全60問を120分で解かなくてはなりません。1問2分程度の計算ですが、わからない問題につまずきながら解いていると、時間が足りなくなり正答率が下がってしまいます。わからない問題は後回しにする、得意分野から解答するなど正解できるものから解答していきましょう。

用語を確実に理解する

介護や医療の分野では、多くの専門用語が使われています。問題を正確に把握するためにも、それらの用語を確実に理解することが大切です。特に法律や制度に関する用語はわかりづらいため、事前に意味や内容も含めてきちんと理解しておきましょう。

過去問題を活用して学習する

重要事項については繰り返し出題されており、過去問題を活用した学習を重点的に進めましょう。ユーキャンのケアマネジャー講座では、過去の出題傾向に特化したオリジナル教材「でるケアBest200」を使用しています。見やすさやわかりやすさを追求し、要点となるポイントも豊富なため、知識がより身につきやすいのが特徴です。

分野ごとの正答率を目指して学習する

合格ラインに達するためには、それぞれの分野で70%程度の正答率を獲得しなければなりません。10問中7問以上の計算になるため、介護支援分野では15点前後、保健医療福祉サービス分野では25点前後が目安といえます。試験の難易度により異なりますが、模擬試験などで直前対策をする場合、各分野70%以上の正解を目安にして学習を進めましょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の職種別合格者比率

難易度が高いといわれているケアマネジャー(介護支援専門員)の資格試験ですが、いったいどういった職業の方が受験し合格しているのでしょうか。
以下は、職種別合格者数(第1回~第24回試験の合計)です。
割合でいうと、介護福祉士の方が約半数近くを占めていることが分かります。次に看護師・准看護師、相談援助業務等従事者、社会福祉士と続きます。
介護福祉士の割合がダントツで多くなっており、介護福祉士からのキャリアアップとしてケアマネジャー資格取得を目指されている方が多いことが分かります。


職種 人数 構成比率
医師 15,349人 2.1%
歯科医師 3,910人 0.5%
薬剤師 20,567人 2.8%
保健師 28,171人 3.9%
助産師 1,994人 0.3%
看護師、准看護師 173,081人 23.7%
理学療法士 17,480人 2.4%
作業療法士 10,314人 1.4%
視能訓練士 234人 0.0%
義肢装具士 144人 0.0%
歯科衛生士 11,876人 1.6%
言語聴覚士 1,463人 0.2%
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師 9,453人 1.3%
柔道整復師 4,685人 0.6%
栄養士(管理栄養士を含む) 13,715人 1.9%
社会福祉士 46,549人 6.4%
介護福祉士 324,129人 44.5%
精神保健福祉士 6,148人 0.8%
相談援助業務等従事者 79,017人 10.8%

まとめ

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格はメリットが多いものの、介護系の資格の中でも特に難易度が高いといわれています。独学での合格に不安を感じた場合は、効率のいい学習を進められるよう、通信講座を利用するという手段もあります。

ユーキャンのケアマネジャー講座では、初めてでも無理のない短期合格が狙えます。また、質問などのサポート体制も充実しています。効率よく学べるケアマネジャー講座で、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

よくある質問

ケアマネジャー試験は独学で合格できる?

ケアマネジャー試験は独学でも合格可能です。ただし、モチベーションの維持が難しいといったデメリットもあるため、独学で続けられるか不安な方には、通信講座や通学講座がおすすめです。

ケアマネジャーの合格に必要な勉強時間は?

ケアマネジャー試験合格に必要な勉強時間は100~200時間ほどと言われています。1日1時間勉強する場合は、6ヵ月ほどを見込んでおくといいでしょう。

ケアマネジャー試験の受験資格は?

ケアマネジャー試験を受験するためには、以下2つの受験資格を満たしている必要があります。

  • 「規定の国家資格」または「相談援助業務」で、一定期間の実務に従事していること
  • 5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)

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ケアマネジャー(ケアマネージャー)とは、介護保険制度の中核を担う資格です。介護を必要とする方と、福祉・医療・保健のサービスとを結ぶ「架け橋」となる重要な役割を担っています。超高齢社会の今、要介護者の増加によって、ケアマネジャー(ケアマネージャー)の需要は高まっています。現在、介護福祉士や社会福祉士など介護・福祉関連の仕事に就いていて、キャリアアップを目指したい方におすすめの資格です。ケアマネの資格の取得によって、ケアプランの立案、サービスの調整、モニタリングなど、扱える業務の幅が大きく広がります。有資格者は、介護業界における就職・転職はもちろん、結婚・出産後の再就職にも有利です。
ユーキャンのケアマネージャー講座は、効率よく学べる工夫が満載。試験の出題傾向に沿ってムダなく学べるテキストに加え、特に試験に出がちな重要なポイントをコンパクトにまとめた「でるケアBest200」などの便利な副教材も充実。ケアマネジャー試験は、5肢複択でほとんどの都道府県が論文試験や実技試験がないマークシート方式を採用。解答しやすい試験と言えます。本講座で、合格のポイントをきちんと押さえながら学習を進めれば、初めてでもムリなくケアマネ試験合格を目指すことができます。働きながらでも無理なく学べるカリキュラムなので、忙しい方も安心して受講できます。