• 更新日:2023/07/21

寝ることはできたにも関わらず、なぜか夜中に起きてしまい困っている人は大勢いることでしょう。この記事では、夜中に目が覚める11の原因や個人でできる対処法、セルフチェックについて解説しています。夜中に目が覚めるケースが増加して、睡眠の質で悩んでいる人は参考にしてください。

夜中に目が覚める11の原因

眠りについたのに、朝までに何度も目が覚める症状が「中途覚醒」です。夜中に目が覚めると、その後の眠りが浅くなったり、昼間に眠気が生じたり、ぐっすり寝た感覚が得られなかったりします。中途覚醒の主な11の原因について解説します。

  • ストレスを感じている
  • 生活リズムが一定でない
  • 寝室内の環境が悪い
  • 悪夢障害である
  • うつ病である
  • 夜間頻尿である
  • 頭痛がある
  • 高齢である
  • 妊娠している
  • 睡眠時無呼吸症候群である
  • 周期性四肢運動障害である

ストレスを感じている

仕事量や職場の人間関係、家庭などに対しストレスを感じると夜中に目が覚めやすくなります。なかでも仕事のストレスが不眠の原因になりやすいとされ、帰宅後もリラックスできず睡眠に影響を与えがちです。一般的に、睡眠時はリラックスするために副交感神経が優位になりますが、ストレスがあると交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れ、目が覚める原因となります。

生活リズムが一定でない

人間は朝に日光を浴びることで、睡眠に関係する「メラトニン」をつくる材料となる「セロトニン」というホルモンが分泌されます。仕事の時間が不規則だと日光を浴びる機会が減ると、セロトニンの分泌量が減り、結果的にメラトニンの分泌も減ります。夜勤がある人は中途覚醒が発生しやすく、特に注意が必要です。

寝室内の環境が悪い

寝室の環境が悪く、夜中に目が覚める場合があります。特に夏場は寝室が高温・多湿になり、途中で目が覚めやすいでしょう。騒音や光も、寝室の環境悪化の原因になります。騒音や光を遮断した状態で、布団内の温度が32~34度、寝室の湿度が50%ほどだと快適に寝られるとされます。

悪夢障害である

目が覚めても悪夢の内容を覚えていて、再び寝られないのが「悪夢障害」という症状です。悪夢障害は子どもによくみられますが、大人になっても、頻繁に悪夢を見て目が覚める人がいます。日中の活動に支障が出る原因になったり、うつ病の前兆になったりするケースもあります。

うつ病である

几帳面だったり責任感が強く頑張り過ぎてしまったりする人ほど過重労働になりやすく、うつ病を発症することがあります。うつ病になると自律神経や精神面が不安定になり、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることに繋がります。該当すると感じた際は、早期に心療内科を受診しましょう。

夜間頻尿である

夜中に尿意を感じて目が覚め、何度もトイレに行くことを夜間頻尿と呼びます。夜間頻尿のおもな原因として、水分の過剰摂取、カフェインやアルコールの影響、服用する薬の副作用、糖尿病、慢性心不全などが挙げられます。また、高齢になると膀胱の容量が減り、認知症や前立腺肥大症も発症しやすいものです。そのため、高齢になるにつれて頻尿の人が多くなります。

頭痛がある

寝ている間に頭痛が起こり、目が覚めるケースがみられます。群発頭痛、睡眠時頭痛などの病気が原因となるケースが多いようです。50代以上の中高年に多く、覚醒後も痛みがあるため睡眠の質の低下に繋がります。

高齢である

高齢になると若い人と比べて浅い睡眠が増加して、眠りの質が低下します。夜中に目が覚めたり、一度起きると再び寝るのが難しかったりするケースは、老化が原因の場合があるでしょう。高齢になると、寝ていて足がつることも増加します。

妊娠している

妊娠中の女性はホルモンバランスや体調、免疫低下などにより、寝ている間に目が覚めやすくなります。個人差はありますが、妊娠初期ではつわり、中期以降では胎児が大きくなるにつれて頻尿や胎動、腰痛が原因になりやすいとされます。

睡眠時無呼吸症候群である

寝ているときに、一時的に呼吸が止まる病気が「睡眠時無呼吸症候群」です。いつも大きないびきをかき、ときどき10秒以上呼吸が止まるような場合は、「睡眠時無呼吸症候群」の疑いがあります。

肥満の人やいびきが大きい人に多くみられ、寝ているときに気道が狭くなり、呼吸が止まる状態です。無呼吸の状態が続くと、低酸素血症を防ごうと努力呼吸が生じて苦しくなります。そのため、眠りが浅く夜中に目が覚めやすくなります。

周期性四肢運動障害である

周期性四肢運動障害とは、睡眠中に腕や足に不快感を感じ繰り返し動かしてしまう病気です。また、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)という病気もあり、腕や足を動かしたい衝動に駆られます。この2つは併発しやすく、寝ている間に筋肉が動いて覚醒することもあります。

夜中に目が覚める場合の改善方法

夜中に目が覚めてしまう場合の改善方法を7つ紹介します。

  • 睡眠リズムを定める
  • 寝る前にはスマートフォンやテレビを見ない
  • 寝室の環境を整える
  • 昼寝は15~20分程度にする
  • 寝る前に食事しない
  • 入浴はぬるま湯にする
  • リラックス効果のある飲み物を飲む

睡眠リズムを定める

睡眠を改善するには、就寝時間と起床時間を定めることが重要です。人間は目が覚めてから14時間後くらいから眠気を感じるため、体内時計を安定させると夜中に目が覚めにくくなります。仕事が忙しく布団に入る時間を決められない人は、起きる時間だけでも一定にするといった、自分なりのサイクルを決めれば睡眠の質が向上しやすくなるでしょう。

寝る前にはスマートフォンやテレビを見ない

スマートフォンやテレビ、パソコンを見るのは布団に入る1時間前までにして、布団に入る前から室内の照明の照度を落としましょう。スマートフォンやテレビはブルーライトを発するため、脳が昼間と錯覚してしまいます。すると、睡眠を誘うメラトニンの分泌が抑えられ、睡眠が妨げられます。

寝る前に見る必要がある際は、ブルーライトをカットする機能を使ったり、明るさを変えたりするといいでしょう。

寝室の環境を整える

騒音対策をするとともに、遮光カーテンを導入すると睡眠を改善できます。音がしたり振動があったり、光を感じたりすると目が覚めやすくなります。暗闇が苦手で電気を付けて寝る場合は、豆電球程度にするといいでしょう。また、寝室の温度・湿度の調節も大切です。

昼寝は15~20分程度にする

昼寝には、作業効率を上げる効果があるとされます。ただし、15時より前に15~20分程度にしましょう。昼寝の時間が長すぎると、夜の眠気を低下させることになるため注意が必要です。

寝る前に食事しない

消化にかかる時間を考えて、寝る2時間前を目安までに食事を終えるといいでしょう。寝る直前にお菓子を食べたり、お酒を飲んでつまみを食べたりしていると、睡眠の質を低下させます。寝たあとも消化活動が行われ、脳が働き続けるためです。仕方なく寝る前に食べる場合は、消化に時間がかかるものは避け、うどんやおかゆなど胃への負担が少ないものにしましょう。

入浴はぬるま湯にする

入浴は就床の1~2時間前までに、38~41度のぬるま湯に浸かるといいでしょう。身体から熱を逃がすことで眠気が訪れ、深部の体温が低下すると眠りが深くなります。入浴には、一時的に体温を上昇させる「加温効果」があり、入浴で上昇した体温が徐々に低下することで眠気に繋がるため、身体を温めることが大切です。

ただし、布団に入る直前に42度以上の熱いお湯に浸かると、交感神経が働き眠気を遠ざけるため、入浴はぬるま湯で行いましょう。

リラックス効果のある飲み物を飲む

布団に入る前にリラックス効果のある飲み物を飲むと、快眠効果を得られます。たとえば、ハーブティーは副交感神経を優位に保ち、心と身体をリラックスさせてくれ、ホットミルクには身体を温めてくれる効果があります。

カフェインやアルコールは眠りが浅くなるため、寝る前には適しません。カフェインが入った飲み物やお酒を飲むのは、布団に入る3~4時間前までにしましょう。

不眠のセルフチェック

以下の簡単な不眠のセルフチェックで、自身の睡眠の状態を確認しましょう。あてはまる項目が多い場合、睡眠の質が低下している可能性が高いため、睡眠の見直しをご検討ください。

  • 1.布団に入って寝るまでに時間がかかる
  • 2.夜眠ってから朝起床するまでに何度か目が覚める
  • 3.朝起きてもだるさがある
  • 4.日中に眠気を感じやすい
  • 5.朝起きると口の中が乾燥している
  • 6.長時間の昼寝をしている
  • 7.肥満体質で、寝ている間にいびきをかく
  • 8.日常的にストレスや悩みを抱えている
  • 9.寝る前にお酒を飲む習慣がある
  • 10.就寝時間と起床時間が不規則

まとめ

寝られたものの、夜中に目が覚めてしまう人は少なくありません。ストレスや寝室の環境、病気などさまざまなものが原因として考えられます。まずは睡眠リズムや環境、食事など、自身でできる改善方法を試しましょう。

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生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
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