• 公開日:2021/03/11

1級土木施工管理技士は、土木工事の現場でエキスパートを目指すのであれば必要不可欠ともいえる資格です。この記事では1級土木施工管理技士を目指す人に向けて、試験の難易度や合格率の推移、2級との難易度の比較、取得するメリット、試験の概要や勉強方法までくわしく解説します。この資格を取ろうと考えている人はぜひ参考にしてください。

1級土木施工管理技士とはどのような資格?

ここでは、1級土木施工管理技士とはどのような資格なのか、また、将来性や2級との違いについてもくわしく解説します。

土木施工管理技士の需要と将来性

土木工事を行う営業所や現場では、工事の規模が大きい場所では監理技術者、小さめの規模であれば主任技術者を配置しなければなりません。監理技術者や主任技術者になるためには、資格や一定の学歴、経歴などが必要です。1級土木施工管理技士は監理技術者に、2級土木施工管理技士は主任技術者になれます。

災害現場や海外の工事現場でも土木施工管理技士の配置が求められ、通常の工事以外でも需要があります。土木施工管理技士は実務経験も必要となる国家資格で、誰でもすぐに取得できる資格ではありません。人手不足により、若い世代の土木施工管理技士の育成が急務とされています。

土木施工管理技士には1級と2級がある

土木施工管理技士には1級と2級があります。どちらも学科試験と実地試験の両方に合格しなければなりません。1級では学科試験に合格することで実地試験を受けられますが、2級では同日に学科と実地の両方の受験が可能です。ただし、学科試験に合格しないと、実地試験は採点されません。

1級は、外注総額が4,000万円以上(建築一式の場合6,000万円以上)の下請け契約を行った場合に配置が必須となる監理技術者として認定されます。2級は4,000万円未満の工事や下請け工事に配置しなければならない主任技術者として認定されます。1級も2級も実務経験が求められますが、学歴や出身学科によって必要年数が変わります。

また、1級は2級よりも必要な実務経験年数が多くなります。

1級土木施工管理技士の難易度は?

1級土木施工管理技士を取得するためには実務経験や専門知識が必要です。ここでは、1級土木施工管理技士の難易度について解説します。

1級土木施工管理技士の難易度は比較的高い

1級土木施工管理技士は学科試験が比較的容易でも、実地試験が難しいといわれます。学科試験は全問マークシート形式で、60%以上の正答率で合格です。実地試験では、記述式がメインになるため、学科試験よりも難易度は上がります。ただし、試験の実施状況などによって合格基準は変更される可能性もあります

試験を受けるために必要な実務経験も長く、大学の土木科や建築学科などの指定学科を卒業した人でも3年以上の実務経験が必要です。実地試験の難易度や必要な実務経験などを考慮すると、1級土木施工管理技士の難易度は比較的高めです。ただ、過去問と同じような問題も多いことから、対策は立てやすく、合格のチャンスはあります。

1級土木施工管理技士の合格基準は正解率60%以上

資格試験には、合格する人数の割合が決まっている相対基準と、基準点以上の点数がとれれば何人でも合格できる絶対基準があります。1級土木施工管理技士の合格基準は絶対基準であり、学科試験と実地試験でともに60%以上正答すれば合格できます。

出題範囲が広く難易度が比較的高い試験ではありますが、しっかりと知識を身につけていけば合格可能です。受験者の中で上位になることを目標に、すべての問題を確実に解こうとするのではなく、出題範囲をまんべんなく勉強しましょう。

1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の難易度を比較

令和元年度の1級土木施工管理技士と2級土木施工管理技士の合格率は、以下のとおりです。

  • 1級土木施工管理技士の合格率:学科試験54.7%・実地試験45.3%
  • 2級土木施工管理技士の合格率:学科試験67.1%・実地試験39.7%

数字だけをみると、1級も2級も合格率はほぼ同じです。しかし、1級のほうがより専門知識が必要となり、難易度は高くなります。2級を取得していなくても1級の試験は受験できるため、実務経験を積んでいて、自信がある人はいきなり1級を受験してみてもいいでしょう。

ただ、1級には2級の出題範囲も含まれているため、先に2級を取得してから受験したほうが合格しやすい可能性があります。

  • 参考:近年の一級土木施工管理技士試験結果(全国合計)|総合資格学院(https://www.shikaku.co.jp/doboku/info/exam/contents/goukaku.html)
  • 参考:過去の2級土木施工管理技士試験結果(全国合計)|総合資格学院(https://www.shikaku.co.jp/doboku/info/exam/contents/2k_goukaku.html)

1級土木施工管理技士の合格率は?

1級土木施工管理技士試験は絶対基準であるため、試験の実施回によって合格率は変わります。ここでは、1級土木施工管理技士の合格率について解説します。

1級土木施工管理技士学科試験の合格率の推移

平成29年度から令和元年度までの1級土木施工管理技士学科試験の合格率は以下のとおりです。

年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
平成29年度 34,629 22,930 66.2%
平成30年度 28,512 16,117 56.5%
令和元年度 33,036 18,076 54.7%
  • 参考:近年の一級土木施工管理技士試験結果(全国合計)|総合資格学院(https://www.shikaku.co.jp/doboku/info/exam/contents/goukaku.html)

学科試験の合格率はほとんど横ばいで、安定して50~60%の受験者が合格しています。学科試験は全問マークシート形式で、考えて解答する問題よりも暗記問題がほとんどであるため、知識を身につけて挑めば合格ラインに達する可能性は高いでしょう。ただ、半数は合格するといっても、1級は2級に比べて出題範囲が広く難易度が上がるため、きちんと勉強する必要があります。

1級土木施工管理技士実地試験の合格率の推移

平成29年度から令和元年度までの1級土木施工管理技士実地試験の合格率は以下のとおりです。

年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
平成29年度 31,414 9,424 30.0%
平成30年度 27,581 9,521 34.5%
令和元年度 24,688 11,190 45.3%
  • 参考:近年の一級土木施工管理技士試験結果(全国合計)|総合資格学院(https://www.shikaku.co.jp/doboku/info/exam/contents/goukaku.html)

3年間の合格率の推移をみると、徐々に上がっています。とくに令和元年度の45.3%は過去10年をみても一番高い合格率です。ただ、1級土木施工管理技士の実地試験は学科試験合格者しか受験できないにもかかわらず、半数以上が不合格となっています。これは、実地試験は記述式での解答となるため、難易度が一気に上昇することが一因でしょう。

1級土木施工管理技士を取得するメリット

1級土木施工管理技士は難易度が比較的高い資格ですが、そのぶん取得するメリットも多いです。どのようなメリットがあるのかを解説します。

1級土木施工管理技士を取得するメリット①:監理技術者として認められる

監理技術者になるためには、資格の取得、実務経験のいずれかが必要です。1級土木施工管理技士は監理技術者になるために必要な資格のなかのひとつであり、取得すれば監理技術者として働けます。

監理技術者は規模が大きい建築工事では必ず配置しなければならないものの、有資格者の数はあまり多くはなく、1級土木施工管理技士の需要は高い傾向にあります。このため、資格を取得すれば昇進や昇給が見込めるでしょう。

1級土木施工管理技士を取得するメリット②:資格を取得することで企業の価値が高まる

1級土木施工管理技士が所属する建設業者は、経営事項審査の点数が高くなります。経営事項審査とは、公共工事を請け負う業者は必ず受ける審査であり、業者の経営状況や企業規模を客観的に数値としてあらわすものです。

そのなかの項目のひとつである技術力評価では、資格を持つ社員がいると1人につき5点分、点数が加算されます。監理技術者資格を持つ社員が監理技術者講習を受講していれば点数はさらに1点加算されます。経営事項審査の点数が高ければ高いほど信頼度が上がり、土木工事の受注につながりやすくなるため、1級土木施工管理技士は建築会社に重宝されるでしょう。

1級土木施工管理技士試験の概要

1級土木施工管理技士試験ではどのような内容の試験が行われるのでしょうか。ここでは、1級土木施工管理技士試験の概要について解説します。

1級土木施工管理技士試験の受験資格

学科・実地試験の受験資格は学歴や資格の有無、実務経験年数によって変わります。具体的には、以下のいずれかに該当すれば受験可能です。

  • 最終学歴別、卒業学科別に分かれた必要実務経験年数を満たす人
  • 2級土木施工管理技士としての実務経験が指定年数以上に達した人
  • 専任の主任技術者として経験が1年(365日)以上あるなかで必要実務経験年数に達した人
  • 指導監督的実務経験の経験年数が1年以上あり、主任技術者として働ける状態になったあとに、監理技術者の配置が必要な工事で監理技術者の指導を2年以上受けた人

実地試験は、以下のいずれかに該当している人が受験できます。

  • 同じ年度の1級土木施工管理技士学科試験の合格者
  • 前年度の学科試験に合格している人
  • 技術士法による第二次試験のうち指定の部門に合格し、1級土木施工管理技士学科試験の受験資格がある人

1級土木施工管理技士の受験資格は学歴や実務経験により細かく分かれているため、以下の参考サイトで自分の状況と照らし合わせてみてください。

  • 参考:1級土木施工管理技術検定試験(http://www.jctc.jp/exam/doboku-1)

1級土木施工管理技士試験のスケジュール・試験地・受験手数料

1級土木施工管理技士の試験は年に1度だけ行われます。試験のスケジュールなどは以下のとおりです。

  • 願書申込受付期間:学科試験、実地試験ともに3月中旬から下旬頃・試験日:学科試験は7月上旬頃、実地試験は10月上旬頃
  • 合格発表:学科試験は8月中旬から下旬頃、実地試験は翌年1月中旬頃
  • 試験地:札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、福岡、那覇(近郊都市も含む)
  • 受験手数料:学科・実地試験それぞれ8,200円

学科試験と実地試験は別々の申込みとなるため、学科試験に落ちて実地試験を受けられない人は実地試験の受験手数料を支払う必要はありません。

1級土木施工管理技士試験の出題範囲

学科試験の試験科目は以下のようになっています。

  • 土木工学等
  • 施工管理法
  • 法規

土木工学等では土木工事の施工に必要な工学や建築学や設計図書に関する一般知識、施工管理法では土木工事の計画の作成方法や管理方法に関する一般知識、法規では建設工事の施工に関わる法令に関する一般知識が、試験の内容となっています。

実地試験の試験科目は施工管理法です。学科試験は一般知識のみですが、実地試験では高度な応用能力が求められます。土質試験や土木材料の強度試験などを正確に行える能力、工事現場の施工計画を実施する能力などが必要です。

1級土木施工管理技士試験の勉強方法

1級土木施工管理技士は比較的難易度が高い資格であるため、勉強しなくては合格できません。具体的な勉強方法について解説します。

1級土木施工管理技士の勉強方法①:独学

1級土木施工管理技士は独学でも合格できないことはありません。学科試験の勉強方法としては、まずは過去問を数年分解いてみましょう。すべての問題を確実に解けるようになれば、学科試験に合格できる可能性は高くなります。実地試験は記述式であるため、自己採点だけでは見落としがあるかもしれません。

学科試験と同じく過去問を5年分解いてみて、すでに資格を持っている先輩などに添削してもらうといいでしょう。さらに問題集を購入して取り組めば、合格はより確実になります。

1級土木施工管理技士の勉強方法②:通信講座

1級土木施工管理技士は受験資格に実務経験が必要なため、働きながら勉強する人が多いでしょう。勉強時間の確保が難しい人は通信講座の活用がおすすめです。ユーキャンの「1級土木施工管理技士講座」は、効率的に勉強できるように工夫されています。総合コースと実地試験対策コースのどちらかを選べるため、実地試験だけが不安だという人にも対応可能です。

独学と違い、1級土木施工管理技士試験についての知識が豊富なプロが組んだスケジュールで勉強を進められること、経験豊富な講師が課題を添削してくれることもメリットといえます。実地試験は記述式であるため、専門知識を持つ人に添削をしてもらったほうが確実です。

まとめ

1級土木施工管理技士は建築業界で活躍できる資格です。年に1度だけの開催で、比較的難易度も高いため、しっかりと勉強してから挑みましょう。

確実に合格したい人にはユーキャンの1級土木施工管理技士講座がおすすめです。学科試験と実地試験の両方の対策ができる総合コースでは、お手頃価格で合格に必要なすべての教材が揃います。総合コースは充実したカリキュラムに加えてプロによる個別添削指導があり、6カ月で合格力がつくでしょう。

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1級を取得していると工事の受注もしやすくなるため、資格取得者が就職・転職で優遇されるほか、好条件の待遇、昇進や昇給も見込めます。現場の最高責任者として第一線で活躍したい方にとっては、最終目標ともいえる資格。ユーキャンの講座では、丁寧にわかりやすく解説しているので、着実に合格力を身につけることができます。

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