ページ
TOP

スマート攻略ガイド 平成30年度 行政書士試験

平成30年11月11日(日)、行政書士試験が行われました。ユーキャンでは自動採点サービスを回答いただいた方限定で、講師陣による速報解説動画を公開中!

(講師陣による)速報解説動画こちら!

本年度試験のポイント
  • 1

    記述式は、択一式の延長にある!

  • 2

    民法は、現場思考力が鍵を握る!

  • 3

    行政法は、8割以上の正答率を狙いたい!

  • 4

    一般知識等は、情報通信・個人情報保護で勝負する!

重要項目についてPICKUP解説!

記述式問題

~記述式は択一式の延長にある!~

ユーキャン行政書士講座 
海野 高弘 先生

択一式の勉強をするときでも、記述式は常に意識しておきましょう!

択一式が難しかった平成30年度試験。択一式が厳しい年は、記述式の採点で救われることも多く、自信がなくても、なにかを書いてくれば高く評価されることもあります!特に、今回記述式で問われている内容は、択一式でもお馴染みの内容です。択一式の学習、つまり普段の学習において、いかに記述式を意識して学習しておくかが重要な鍵を握っていたと思います。

【問題44】

(1)「どのような訴訟を提起すべきか」→不作為の違法確認の訴えと義務付けの訴えを併合提起する「農地転用許可を得るため」、どのような訴訟を提起すべきかが問われているので、Xは、A県知事が農地転用許可をすべき旨を命ずることを求める義務付けの訴えを提起すべきであることを記述する必要がある。
本件は、Xの農地転用許可の申請に対して、A県知事が何らの処分もしなかった場合であることから、提起するのは、申請型(不作為型)の義務付けの訴えである。
なお、農地転用許可の申請は、農業委員会を経由して都道府県知事にすべきものとされているので(農地法4条2項)、本問でも、B市農業委員会が、手続に関与し、Xに申請書を受理できない旨通知しているが、B市農業委員会は許可権者ではないので、この通知は拒否処分ではない。許可権者であるA県知事は、Xの申請に対して何らの対応もしていないので、本問の義務付けの訴えは、前述のように不作為型であり、拒否処分型ではない。したがって、併合提起するのは、取消訴訟ではなく、不作為の違法確認の訴えとなる。

(2)「いかなる被告に対し」→A県
抗告訴訟は、行政庁(処分庁・不作為庁)の所属する国または公共団体を被告として提起するのが原則である(行政事件訴訟法38条1項・11条1項)。

【問題45】

本件契約は、一応有効であるが、買主Bが成年被後見人であるため、制限行為能力を理由に取り消される可能性がある。本件契約の効力を確定させるためにAがとりうる手段として、BまたはCに対する催告がある。
(1)「誰に対し」→C
売買契約の相手方Bは成年被後見人であり、追認することができないので、成年後見人Cに対して催告をする。
(2)「どのような催告をし」→本件契約を追認するかどうかを確答すべき旨
Aは、Cに対し、本件契約を「追認するかどうか確答すべき旨」を催告することができる(民法20条1項・2項)。
(3)「どのような結果」→追認しない旨の確答を得ること
Aは、本件絵画をDに売却する前提として催告をしているので、催告に対する確答は、Aを、Bとの契約から解放するものでなければならない。Cが、本件契約を追認する旨を確答した場合、または確答しなかったために追認をしたものとみなされる場合は、AはBとの契約に拘束され、Dに絵画を売却することができなくなる。AがBとの契約から解放されるためには、Cから追認しない旨の確答を得る必要がある。

【問題46】

(1) 「どのような法的主張」→贈与契約の撤回
AB間の贈与契約には、無効および取消しの原因は存在しないので(問題文末尾なお書)、AがBとの贈与契約を「なかったこと」にするには、贈与契約を撤回しなければならない。
(2) 「どのような理由」→①書面によらない贈与であること、②履行が終わっていないこと
贈与契約を撤回することができるためには、当該贈与契約が書面によらないものでなければならない(民法550条本文)。
また、履行が終わった部分は撤回することができないので(民法550条ただし書)、撤回することができるためには、履行が終わっていないことが必要である。

民法

~現場思考力が鍵を握る!~

ユーキャン行政書士講座 
海野 高弘 先生

民法は解ける問題を確実に正解しておくことが合格の決め手です!

上位層の平均正解問題数(民法9問中)
※上位層=択一全体の得点が144点(6割)以上で、かつ一般知識の
得点が24点(4割)以上の受験生(合格する可能性が高い受験生)

今年の民法は、上位層でも9問中5.2問しか正解できないという結果になっていることから、昨年に比べると難化していることがわかります。
択一民法は、正解しなければならない問題と、時間をかけても正解できる確率が低い問題が出題されています。データを見てみますと、たとえば、問題32(賃貸借および使用貸借)、問題33(使用者責任および共同不法行為)、問題34(離婚)、は正解しなければなりませんが、逆に、問題27(公序良俗および強行法規等の違反)や問題28(条件・期限)は時間をかけても正解できる確率が低い問題といえるでしょう。ただ、正解しなければならない問題も、民法の総合力が問われていたり、過去に問われたことのない知識(=受験生が考えたことのない問題)であったりと、現場で思考を巡らせて答えを導かなければならない、いわゆる「手ごわい問題」です。

行政法

~8割以上の正答率を狙いたい!~

ユーキャン行政書士講座 
海野 高弘 先生

行政法は一番の稼ぎどころ!一問でも多く正解しましょう。

上位層の平均正解問題数(行政法19問中)
※行政法は地方自治法も含む

データを見ますと、上位層は例年以上に行政法で正解を積み重ねています。最近の民法の難化傾向を踏まえると、行政法でいかに稼ぐかが合否に大きく影響します。特に、民法が難化した平成30年度試験では、その傾向が強かったでしょう。
法理論は、「法概念や判例」、行政手続法と行政不服審査法は「条文」、行政事件訴訟法は「条文と判例」、国家賠償法は「判例」と、いずれも、「超」がつくほど正確な知識を入れておくことが大切です。たとえば、問題15(審査請求)は正答率42%の問題で、合否の分かれ目にある問題です。さあ、みなさんは正解できたでしょうか?

一般知識等

~情報通信・個人情報保護で勝負!~

ユーキャン行政書士講座 
海野 高弘 先生

まずは基準点突破を狙って、6問の正解を確保しましょう!

上位層の平均正解問題数(一般知識等14問中)

上位層の正解問題数も下がっていることからしても、今年度の一般知識等は難しかったことがわかります。この原因としては、政治・経済・社会の傾向ががらりと変わり、実務中心のネタが多数出題されたことが挙げられます。(問題47外国人技能実習制度、問題51日本の墓地および死体の取扱い、問題53風適法による許可または届出の対象)。これらの問題は、実務を経験していない受験生にとっては、かなり厳しい内容になったと思われます。一方、情報通信・個人情報保護法の分野については、予想通り、改正された個人情報保護法の知識がストレートに問われた問題(問題57個人識別符号)もあり、しっかり準備ができていれば、十分正解を導くことは可能であったと思われます。
今年度の一般知識等では、情報通信・個人情報保護の分野と文章理解でいかに稼げたかが基準点突破の大きな鍵を握っていました。

ユーキャン行政書士講座 
海野 高弘 先生

今回の試験データを分析して見えてきたのは、あやふやな知識は、本試験では役に立たないということです。まずは、正確な知識を身につけていくことを心掛けてください。それから、問題によっては、知識に頼らず、本試験の現場で、法の趣旨や原理原則から考えて正解を導かなければなりません。こういった本試験の現場における対応力を上げるためには、知識を詰め込むような学習をするのではなく、多くの問題を解き、なぜ正しいのか?なぜ誤りなのか?といった「考え方の筋道」を追うことが大切になります。いずれも、普段の学習方法が大きな鍵を握っています。