日本書道協会 生涯学習のユーキャン

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書を学ぶ

基本姿勢

 芸術やスポーツに限らず、人が身体を使って何かを作ったり表現する場合に、身体の機能を合理的に働かせることが大切です。
 書道に関しては、毛筆では一本の筆、また硬筆では例えばボールペン、それらをいかに上手に動かすかが、上達の秘訣に繋がっていきます。筆にしろボールペンにしろ、指の関節を自由にして指先に神経を集中し充実させます。中国の書論に「虚掌実指(きょしょうじっし)」ということばがあります。手のひらで空(くう)をつかむようにしてしっかりと指先を働かせるという意味です。毛筆の動かし方(運筆)では肩に力を入れないで手首から肩まで軟らかく自由に動かすことが大切。そのために背筋を伸ばして肩に負担をかけないようにすれば、筆を軽やかに自由に動かすことができます。

筆の持ち方

懸腕法(けんわんほう)

提腕法(ていわんほう)

枕腕法(ちんわんほう)

 筆の持ち方には大きく分けると、腕を机から離して筆を持つ懸腕法(けんわんほう)と、手首を机につけて筆を持つ提腕法(ていわんほう)とがあります。
 先ずは懸腕法から見ていきましょう。先ほども述べたように、肩になるべく余分な力が入らないようにします。野球のピッチャーに対して解説者がよく、「今日は少し肩に力が入りすぎてコントロールが乱れていますね」などと言ったりしますが、書道も同じです。そのために、おへその少し下、丹田(たんでん)を引き締めて気を集中させ、背筋をすっくと伸ばしましょう。肩は何しろ力を抜いて腕をぶらぶらさせるぐらいでよいです。肩から手首にかけても力を入れないで自由に動くようにします。

 筆を持つときには、脇は付け過ぎず離し過ぎず、握りこぶしがひとつ脇の下に入るくらいの空間をとるとよいです。脇を離し過ぎ肘を挙げすぎると肩に力が入ってしまい、腕が自由に動かなくなる原因となります。手首も楽にして360度よく回るようにします。
 半紙で習字をするときには、筆を持たない方(主に左手)の指先で、半紙の左下の角あたりを押さえます。そうすることにより、上半身が左に傾くのを防ぐ役目もしてくれます。
 さて、実際に筆を執って習字をするときには、上体を垂直に保つのではなく、やや前傾姿勢を取るとよいでしょう。上半身が硬直しないように注意します。行書や草書また仮名を書くときなど、上体でリズムを取って書くこともよくあります。

 書道でも今はやりの「体幹」をしっかり維持して書くことが大切なのがわかりましたね。
 さて次に、肘を机に付けて構える提腕法ですが、これは硬筆ともほぼ共通となります。
毛筆の方で大事なのは、筆の穂の長さを活かして穂の弾力を活用しますので、手首を少し持ち上げ気味に筆を持つことです。硬筆も含めて提腕法では指の関節を屈伸させて筆やボールペンを動かす必要が生じることがあります。毛筆では左手を右手の肘と手首の間の腕の下にあてがう方法もあります。(枕腕法)そうすることにより手首が自由になり、筆の活動範囲が広がります。硬筆では逆に手首をしっかり机に付けてテコの要領で指の関節を自由に働かせることも重要です。

毛筆の執筆法

双鉤法(そうこうほう)

単鉤法(たんこうほう)

 最後に毛筆の執筆法を見ていきましょう。筆の持ち方ですが、筆の前に人差し指を持ってきてかけるのを単鉤法(たんこうほう)と言います。筆先により細やかな神経が伝わりますので、仮名や小筆を使うときに主に用いられます。
 また、筆の前に人差し指と中指二本を書ける持ち方を双鉤法(そうこうほう)と言います。筆管をしっかりつかむことができるので、筆先に十分に筆圧をかけることができます。主に漢字を書くときに用いられますが、単鉤法でも一向に構いません。
 筆は基本的には「直筆(ちょくひつ)」といって、まっすぐに立てますが、現在では俯仰法(ふぎょうほう)という360度いろいろな方向に倒して使うのが一般的です。そのためには手首をやわらかく動かすことが必要です。
 筆を持つ位置ですが、初心者が筆管の上の方を持つとグラグラとして不安定ですので、筆管の真ん中より少し下ぐらいに親指をあてるとよいでしょう。

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