川柳入門

7つのテクニック

作品が洗練されるテクニック

「直喩・隠喩」「リフレイン」といった7つのテクニックを用いて川柳をブラッシュアップすると、ぐっと洗練された一句に効果的な活用例と、ブラッシュアップの実践例をご紹介します。

7つのテクニック 活用例

直喩と隠喩

比喩は、まず覚えると便利な技巧です。さまざまな種類がありますが、その中でも、わかりやすくて使いやすい「直喩」と読者の想像力を刺激する「隠喩」は比喩の基本

時に美女ケモノのような欠伸(あくび)する

ある美女の欠伸をまるでケモノのようだと見立てた句。豪快な欠伸をする美女をどう表現するかは人それぞれ。その直喩が言い得ているかがポイントです。作者が面白い発見を個性的な直喩で表現し、読者に「うまいこというな」と思わせる一句に仕上がっています。

擬人法・オノマトペ

人に見たてる。オノマトペで魅せる。 人に見たてる擬人法と、オノマトペ(声喩)。テクニック1に続く、比喩の基本。読み手を魅せる日本語の多彩な表現です。

リフレイン

言葉の繰り返しで味わいを。 同じ表現を繰返すリフレイン(畳句)を川柳のわずか17音の中で用いると、読者へのインパクトが大きくなります。

誇張法

言い切って印象を強める 文字通り「オーバーな表現」のこと。誇張法は、思い切って言い切るのがコツ。その情景を読者がイメージしやすくなります。

話し言葉

話し言葉で惹き込む 会話の言葉をそのまま句に。より気軽に使えるテクニック。話し言葉が読者を惹き込むメリットも。

止めの工夫

下五の終わりを「止め」といい、句の止め方で印象ががらりと変わります。「体言止め」「連用止め」などいくつか種類があり、それぞれに句を特徴づけます。

本当のことを言うのに要る勇気 前田 雀郎

体言止めの句
余韻や余情をもたらし、句が安定感のある印象になります。

箸とったとこで幹事がまた呼ばれ 菖蒲 正明

連用止めの句
連用形は「いいさし(いいかけて途中でやめるような)」形になるため、軽いタッチの作品ユーモア作品に最適です。

一物仕立てと取り合わせ

17音に「あれもこれも」と詰め込むには限界が。一番伝えたいことをギュっと絞込み、対象となる物事のみ詠んだ句を「一物仕立て」の句と呼ぶことがあります。シンプルに読者に内容が伝わるメリットも。
また、一物仕立ての句に対し、2つ以上の事物を一句の中で取り上げる創り方を「取り合わせ」の句といいます。

雲ひとつないと手柄のように言い 植竹 団扇

一物仕立ての句
青空を見て、天候の素晴らしさを、誰かがまるで自分の手柄のように胸を張って言ったのでしょう。一息に読める一物仕立てにしたことで、滑稽さがストレートに伝わってくる句です。

アイロンで伸ばす心と服の皺 倉間 しおり

取り合わせの句
アイロンで伸ばした対象として、作者が取り合わせたのは「心の皺」と「服の皺」。洋服だけでなく、心の皺も伸ばす。こう解釈できるこの句の事物A(心)と事物B(服)の距離は近く、読者にも伝わりやすい句といえます。

止めの工夫×一物仕立ての句

止めの工夫と一物仕立ての句 台風に負けぬ食いしんぼうの秋

【解説】

例句は、「猛暑過ぎて」「食欲の秋だ」「台風ばかり」と要素が盛りだくさんで、言いたいことがストレートに読み手に伝わらず、リズム感もよくありません。
「止めの工夫」と「一物仕立て」の考え方で、句全体をポジティブな雰囲気に変えました。

  • 例句は、テキストに掲載されている句について、講師の先生が解説・添削を加えたものです。句の解釈や実践のブラッシュアップは一例であり、解釈の方法や上達の速度には個人差がございます。

費用について

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