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レッスン1

独立住宅

このレッスンでは、「住宅の配置計画と各部計画」、「高齢者等に配慮した住宅の計画」などについて学習します。

住宅は、住む人の生活環境、家族構成、文化、社会構造などによって多種多様です。
敷地の条件や法律的な制限をきちんと踏まえた住宅計画を立案することが重要です。

1 独立住宅

1 敷地条件と配置

(1) 敷地条件

敷地の条件は、立地条件、自然条件、社会条件に分類できます。

@ 立地条件
立地条件とは、交通機関(鉄道、幹線道路)、店舗、公共施設などからの距離、及び将来の発展性などについての条件です。
A 自然条件
自然条件とは、敷地の形状、地盤の状態、面積、方位、夏と冬の主な風向、湿気、傾斜の有無、樹木の有無などの条件です。
B 社会条件
社会条件とは、都市施設(電気、ガス、水道、下水道)の有無などの条件です。
(2) 敷地と道路

敷地に接する道路の位置は、敷地が大きい場合は北又は東・西が良いですが、敷地が狭い場合は、南道路の方が、南側居室の日照を確保しやすくなります。

(3) 配置

敷地内の住宅の配置は、日照や通風を考えた場合、一般に、敷地の北側に配置します。
また、プライバシーなどの点から、隣家や道路との距離をある程度確保する必要があります。
居室を優先的に南側に配置すると、一般に、玄関は北側のいずれかに設ける計画となります。

2 平面計画

(1) 住宅の構成要素

住宅の構成要素を分類すると次のようになります。

@ 個人の私的生活空間
就寝を第一の機能とし、読書、勉強、更衣、化粧などの行為が含まれ、家族数に応じて、夫婦寝室、老人室、子供室、書斎、更衣室などが必要となります。
A 家族の公的生活のための空間
食事・団らんが主な機能で、居間、食事室などが必要となります。
B 家事労働のための空間
調理、洗濯、裁縫、整理、アイロンがけなどの家事作業内容に応じて、台所、洗濯室、ユーティリティ(家事室)などが必要となります。
C 生理的行為のための空間
便所、洗面、浴室などの保健衛生空間であり、これらを近接して設けると設備配管経路が単純になります。
D その他の空間
玄関、廊下、階段、収納などがあります。
(2) 住宅計画の基本

住宅計画の基本は、次の食寝分離、就寝分離です。

食寝分離食事室と寝室を別に設けることが住宅計画の最低条件です。
就寝分離両親と子供、性別の異なる子供同士の寝室を分離することです。

@ 個室のプライバシー
プライバシーを保つ上では、なるべく道路側は避けた方が良く、隣家との距離も十分確保する必要があります。
また、個室は、とかく通風が悪くなりがちであるため、計画上の工夫が必要です。
A 住宅の各室の最適な方位
南側は、冬の日照や夏の通風が良いため居住性が最も良好であり、西側の室は、夏に最も暑くなる室で、冬は北西風により冷やされるため居住性が悪くなります。
各室の適した方位について、次図に示します。
B 外形
日本の住宅は、日照や通風が良好なことが、居住性を良くする条件のひとつになるため、一般に居室が南側に配置され、間口は南側に対して長く、奥行の短い住宅が良いとされます。
また、凹凸の少ない単純な形の方が、熱貫流量が小さくなり、冷暖房の効率が良くなります。
C 規模計画
計画面積に応じた割合で、主要各室の面積が決定されます。一般に独立住宅の場合、延べ面積の約1/2 強が居室面積となります。
住宅の延べ面積は、標準的には20〜25u /人程度とするのが望ましく、最低でも10u /人以上必要です。
D 動線
動線は単純化します。例えば、浴室や便所は、寝室に近接している方が好ましく、特に高齢者の室は、動線の単純化が重要であり、浴室・便所の他、居間や食事室とも近接させます。
E 将来の考慮
住戸の形式や規模を決める場合、例えば、子供室は、将来的に間仕切ることを考慮した共用の1室として計画するなど、居住者のライフサイクルや個性化への対応を考慮する必要があります。

※こちらは、2013年5月時点のテキストから一部抜粋したものです。

※法改正等に伴い、テキストの内容が一部変更になることがございますので、あらかじめご了承ください。